☆本記事は、Youtubeチャンネル『本の林 honnohayashi』に投稿された動画を紹介するものです。
ご興味を持たれた方は是非、動画の方もチェックしてみて下さいね!
●本日のコトノハ●
印刷術の発明は後世の人間からみれば、文化を根底から変えてしまうような画期的な事件だが、
当時の人たちは手書きの延長くらいにしか考えていなかった。印刷職人たちはまず、なんとか
写本職人の技術に追いつき、手書きの写本に負けない美しく豪華な本を作ろうと努力した。
『文字の歴史』ジョルジュ・ジャン著(1990)より
今や、家の近くのコンビニへ行けば、簡単にそして安価にコピーができてしまうものですが、初期の印刷技術は写本職人よりも劣っていたといいます。
印刷するよりも人が手書きで写したものの方が美しく、価値のあるものだったようです。
書籍についていえば、中世ヨーロッパの本は現代のものと違って、書き手のオリジナリティが余すところなく詰め込まれており、それこそ美術の一級品と呼ぶに相応しいものなので、一口に写本と言っても、文字だけを単純に書写することとは全く別の行為だったと推測できます。
当時の社会では本自体が貴重品で、王侯貴族や富裕層の邸宅には必ず、図書室や書斎があり、そこには世界中から集めた珍しい本が宝石を陳列するように並べられていました。
(本好きの私には、夢のような部屋です。おそらく、一年くらいはその部屋に入り浸っていると思います。)
おそらく、その時代の人間が現代の本を見ても、あまり魅力的に感じないのではないかと思います。
また、印刷技術の発達により、大量に同じ本が生産され、さらには電子書籍として閲覧できる今の本を、昔の人は「本」として認識しないかもしれません。
近年、AI技術の発達により、今ある職業が将来的になくなるだろうと言われています。
例えば、楽器を演奏したり、曲を作ったりする音楽家です。
それこそ、弾き手のオリジナリティを楽しむのが演奏会、あるいはライブだと思います。
人工知能がそのオリジナリティを学習して演奏できると考える人もいるかもしれません。
けれど、印刷技術が発達した(あるいは機械化した)ことにより、本が主に文字のみを収納するだけのツールの一つとなり、美術品としての性質を失ってしまったように、AIが音楽を演奏するようになれば、音楽は単純な音の羅列と化し、果ては人混みの雑踏と何ら変わらなくなってしまうのではないかと考えるのは、私の浅はかな杞憂でしょうか。
ヒトコトリのコトノハ vol.25
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▼本の林の管理人ハヤシさんがお送りしています。
☆X(Twitter) https://twitter.com/honnohayashi
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●本日のコトノハ●
印刷術の発明は後世の人間からみれば、文化を根底から変えてしまうような画期的な事件だが、
当時の人たちは手書きの延長くらいにしか考えていなかった。印刷職人たちはまず、なんとか
写本職人の技術に追いつき、手書きの写本に負けない美しく豪華な本を作ろうと努力した。
『文字の歴史』ジョルジュ・ジャン著(1990)より
今や、家の近くのコンビニへ行けば、簡単にそして安価にコピーができてしまうものですが、初期の印刷技術は写本職人よりも劣っていたといいます。
印刷するよりも人が手書きで写したものの方が美しく、価値のあるものだったようです。
書籍についていえば、中世ヨーロッパの本は現代のものと違って、書き手のオリジナリティが余すところなく詰め込まれており、それこそ美術の一級品と呼ぶに相応しいものなので、一口に写本と言っても、文字だけを単純に書写することとは全く別の行為だったと推測できます。
当時の社会では本自体が貴重品で、王侯貴族や富裕層の邸宅には必ず、図書室や書斎があり、そこには世界中から集めた珍しい本が宝石を陳列するように並べられていました。
(本好きの私には、夢のような部屋です。おそらく、一年くらいはその部屋に入り浸っていると思います。)
おそらく、その時代の人間が現代の本を見ても、あまり魅力的に感じないのではないかと思います。
また、印刷技術の発達により、大量に同じ本が生産され、さらには電子書籍として閲覧できる今の本を、昔の人は「本」として認識しないかもしれません。
近年、AI技術の発達により、今ある職業が将来的になくなるだろうと言われています。
例えば、楽器を演奏したり、曲を作ったりする音楽家です。
それこそ、弾き手のオリジナリティを楽しむのが演奏会、あるいはライブだと思います。
人工知能がそのオリジナリティを学習して演奏できると考える人もいるかもしれません。
けれど、印刷技術が発達した(あるいは機械化した)ことにより、本が主に文字のみを収納するだけのツールの一つとなり、美術品としての性質を失ってしまったように、AIが音楽を演奏するようになれば、音楽は単純な音の羅列と化し、果ては人混みの雑踏と何ら変わらなくなってしまうのではないかと考えるのは、私の浅はかな杞憂でしょうか。
ヒトコトリのコトノハ vol.25
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