C/2023 A3 紫金山-アトラス彗星をなかなか見れない日々が続きました。
曇ってしまうのだから手も足もでない。
2024/10/03の早朝は完全に油断してて見逃しました。
2024/10/13は待機当番で遠出が叶わなかったとはいえ、与えられた条件の中で最大の成果を上げることができました。
でも、その2回しかチャンスがなかった。
平日に有給を取ればチャンスを増やすことができたのでしょうけれど、度胸がなく、それは叶わず。
でも、あと一回、まともな紫金山-アトラス彗星と出会いたい。
11/03は文化の日。
ご存知でしょうか?
文化の日は特異日です。
特異日(とくいび)とは、その前後の日と比べて偶然とは思われない程の高い確率で、特定の気象状態(天気、気温、日照時間など)が現れる日のこと(by Wikipedia)
文化の日は晴れる可能性が高い日。
幸い仕事でもない。
新月期。
予定通り、晴れる予報。
さらに、11/04(Mon)が振替休日とな???!!
行かないわけがないでしょう。
実に4ヶ月ぶりの天体観測です。
ひとり遊びに行く代償ではないですが、家族の夕飯を作り、「美味しい」と言わせて、「彗星の綺麗な写真を撮ってくるからね!」と言って出発。
僕なりに気を遣っているのですが、奥さん的には、久しぶりに夫のいない気楽な週末が嬉しいらしく、「早く行け」という雰囲気がムンムンしてました。
C/2023 A3 紫金山-アトラス彗星、南アルプスを背景に撮れるはずです。
日中に撮影ポイントを探しに行き、ここと決めた場所で邪魔な木を切り払いました。
斜面を下って、視界に枝を出している若木、10本くらい切ったかと思います。
友人とともに16時前からスタン張りました。
その成果がこれ。
ずっとお蔵入りしていたSkymemo SにEOS R8+RF28mm F2.8で撮影。
ISO 3200, 30sec
彗星、ずいぶんと小さくなりました。
最初はRF16mm F2.8で撮影しようと思ったら、なんとマニュアルフォーカスの仕方がわからない!
仕方がないので、簡単にマニュアルフォーカスに切り替えられるRF28mm F2.8にした次第です。
※後日、RF16mm F2.8 STMをマニュアルフォーカスに切り替えるためには、レンズのスイッチをFocusに切り替えるだけでなく、AF/MFをカメラ本体側で設定する必要があることがわかりました。。。
ひたすら撮り続け、最後の方は、RF 100mm F2.8 Macroをつけて撮影。
ちょうど甲斐駒ヶ岳に沈んでくれました。
これ、地元の人なら山のシルエットだけで甲斐駒ヶ岳だとわかってくれると思います。
これに加えて、2台目のOnStep GPを持ち出しました。
初陣です。
望遠鏡は笠井トレーディングのBLANCA-80EDT
焦点距離480mm、F6です。
純正のレデューサ×0.8を使用して、384mm, F4.8にしました。
彗星撮影、30秒露出程度で済みそうだから、ノータッチガイドにしました。
ISO 6400, 30sec
周辺像がかなり伸びますね。
こんなものなのでしょうか。
四角の星の伸び具合。
うーむ。
トリミングをしても周辺像の伸びが気になります。
時間的余裕があったので、Kenko-Close-up lens No.4で自作したレデューサーも試してみました。
BLANCA-80EDTで焦点を出すためには延長筒をつける必要があります。
ISO 6400, 30sec
周辺像の性質がかなり違います。
伸びの長さは純正のレデューサよりも短いが。。。
トリミングしてもこんなもの。
やはり気になるレベル。
時間があったので、再度、笠井純正のレデューサに戻してみました。
するとなんと、、、
ISO 6400, 30sec
先ほどとは全然違うではないか。
ずっといい!
つまり、スケアリングの問題。
レデューサが望遠鏡の接眼部に傾いて挿入されていたということです。
これならかなり優秀な結果と言えるのではないでしょうか。
これならトリミングすればかなりマシに見える。
細かいことを言うなら、画面左側の周辺部の星が丸いのに対して、画面右側の星は伸びている。
まだ真っ直ぐ挿入できてないようです。
どうしたら望遠鏡の接眼部にレデューサを傾けずに挿入できるのでしょうか?
(1) 望遠鏡を真下に向けて垂直に立て、カメラを接続する。
(2) 重いカメラを外し、レデューサとTリングを先に接眼部にしっかりと挿入し、固定してからカメラを接続する。
いろいろ試してみようかと思います。
双眼鏡も持ち出しましたが、彗星はもはや双眼鏡で見れる明るさではありませんでした。
小屋に戻ったのが21:00過ぎだったでしょうか。
遅れて到着したもう1人の友人が待ってました。
3人で観測開始。
僕はまずは巨大ニュートンからスタート。
なかなか良い天気
スタートが遅れた。
腹も空いた。
ステラショットの星図を見ると、M33が子午線を越えたところ。
普段ならガイドアシスタントでシンチレーション解析をして、最適なオートガイド設定をしてから撮影に臨むところなのですが、時間が惜しい。
ライブビューで見る限り、シンチレーションがかつてみたことがないほど安定している。
M33に望遠鏡を向けて、ぶっつけで行ったPHD2のキャリブレーションとオートガイドのグラフがこれ。
このままいける!と判断。
撮ったM33三角座銀河
EOS Ra
ISO 5000, 180sec
16枚コンポジット
Photoshop
撮って出しがこれ。
ちなみに、2024/01/06に撮影したM33がこれ。
撮影条件は露出以外ほぼ同じです。
この趣味、シンチレーションが良くないと成果が出ない。
間違いない。
たゆまない努力が必要条件ですが、努力しただけではどうにもならない。
いいシンチレーションは、待つしかない。
1日でも多く観測するしかないです。
宇宙に行って観測したいと思った瞬間でした (^_^;)
続いて撮影したのが三角座のすぐ近くにあるARP273
2023/09/17にも挑戦したことがありますが、前回用いたASI 224MCはアンプグローがひどくて悲しい写真になりました。
アンプグロー・ゼロを謳うASI 662MCを購入して、ARP273を撮影する機会がやっと訪れたと言うことです。
ゲイン400程度、露出30秒程度だったかとうる覚えの記憶です。
16枚ほどコンポジット
備忘録として、ARP273でのキャリブレーション
オートガイド
この夜は本当にシンチレーションに恵まれた夜でした。
あの日の紫金山-アトラス彗星ですか。。(^0^;
甲斐駒ヶ岳がハイライトだったようで、良い観測地です。
良いピントにも見えますが、それなりに気に入らないよで、
(^0^)的には満足です。
これから冬に向かうと雪も心配ですが、観測はどうでしょ?
氷点下では観測ならない(^0^)であります。
3日は山梨に遠征でしたか。
彗星も小さく暗くなってきましたね。
M33も良い写りです。
レデュサーの取り付けに難儀している様子。
スケアリングの懸念もありますがバックフォーカスも大丈夫でしょうか?。
私は同夜、妙義に行って来ました。
連休中日とあって天文屋さんが30台ほど集結していました。
コメトはもしかして、コメット(comet)からですか?
周辺像、接眼部への挿しこみ方だけでこれだけ大きく違いが出るとは驚きでした。
自分なりの挿入の仕方を工夫していきたいです。
せっかくのレデューサーなので、その性能をしっかりと正しく使いたいと思ってます。
雪の心配もそうですが、冬はシンチレーションがひどくて写真にならない日が多いので、それまでは色々機材調整がメインになるかと思います。
この日、OnStep GPのDECのオートガイドが不調でしたが、結局はウォームシャフトとウォームホイールの調整が悪かったのが原因でした。
できればそういうのは自宅でやってからフィールドに持ち出したいのですが、今日も職場の学習会の準備をしており、なかなか時間が取れないんです。
自宅での休日は寿司詰めで予定があり、なかなかまとまった時間が取れません。
やりたいことが山ほどありすぎるのは幸せなのか、不幸なのか。。。
足りない場合は延長筒を追加してました。
ピント合わせにはバーティノフマスクを使用してます。
結論は、レデューサーを接眼部に挿入するときに傾いているのかな、と思ってます。
Borgのように、ねじ込み式だとこういう問題はなくなるのでしょうけど。
僕もときには標高の高い山の上に観測に行きたいです。
巨大ニュートンの動作が安定して、調整作業が必要なくなったので、今後は遠征できるようになってくると思います。