ようやく東京に戻ったメンバーだったが、麻也は休んだものの、特にボーカルの諒と、リズム隊は取材攻めだった。
もっともっと自分たちの音楽を広めたかった。みんなで東京ドームに行きたかった。
だから疲れを押して頑張っていた。
そんな時に…
諒がインタビューを終えてホテルのラウンジを須藤と出ようとした時…
「ディスグラの諒くんだよね?」
男の声。
諒は驚いてその人物の顔を見た。またびっくりした。
伝説のドラマー・宮城靖彦…諒よりもはるかにキャリアのある、40代半ばのアーティストだった。
諒はおそれおおくて直立不動になってしまったくらいだ。
しかし、宮城はそれには構わず、
「あ、そちらはマネージャーさん? あなたにも聞いてほしいんだけど…って、あなたは麻也くんも担当なの? 」
「統括で担当してますが、何でしょうか?」
「あのさ、言いづらいんだけど、ウチの娘にちょっかい出すのやめさせてもらえないかな、麻也くんに。」
2人はあまりのことに言葉を失ったが、どうにか須藤が、
「お言葉を返すようですが、何かの間違いじゃないでしょうか。麻也はその、真面目な人間ですし、実はここにいる諒と結婚しているようなものなので…」
こういう業界の人間だからか宮城はそれには驚かず、
「いや、そうは聞いてるけど、でも現に、ウチの娘は麻也くんやマネージャーを通して、メシだのコンサートだのに誘われてるの! 」
混乱しながらもどうにか須藤は、
「どちらの現場でお嬢さんとご一緒しましたでしょうか…」
すると宮城も困ったように、
「ベルティーンて雑誌の現場…いや、関係者のパーティーだって言ってたな…」
そして強く、
「うちの娘はね、読者モデルだけど、真面目にやってるんだ。
ヤバい子みたいに合法ドラッグだのプロデューサーとどうとかなんてやってないんだよ。
俺の家以外にも、真面目な読モと親は、みんな迷惑してるんだよ。
麻也くんだって娘がいるならわかりそうなもんだと思うけどね。」"
もっともっと自分たちの音楽を広めたかった。みんなで東京ドームに行きたかった。
だから疲れを押して頑張っていた。
そんな時に…
諒がインタビューを終えてホテルのラウンジを須藤と出ようとした時…
「ディスグラの諒くんだよね?」
男の声。
諒は驚いてその人物の顔を見た。またびっくりした。
伝説のドラマー・宮城靖彦…諒よりもはるかにキャリアのある、40代半ばのアーティストだった。
諒はおそれおおくて直立不動になってしまったくらいだ。
しかし、宮城はそれには構わず、
「あ、そちらはマネージャーさん? あなたにも聞いてほしいんだけど…って、あなたは麻也くんも担当なの? 」
「統括で担当してますが、何でしょうか?」
「あのさ、言いづらいんだけど、ウチの娘にちょっかい出すのやめさせてもらえないかな、麻也くんに。」
2人はあまりのことに言葉を失ったが、どうにか須藤が、
「お言葉を返すようですが、何かの間違いじゃないでしょうか。麻也はその、真面目な人間ですし、実はここにいる諒と結婚しているようなものなので…」
こういう業界の人間だからか宮城はそれには驚かず、
「いや、そうは聞いてるけど、でも現に、ウチの娘は麻也くんやマネージャーを通して、メシだのコンサートだのに誘われてるの! 」
混乱しながらもどうにか須藤は、
「どちらの現場でお嬢さんとご一緒しましたでしょうか…」
すると宮城も困ったように、
「ベルティーンて雑誌の現場…いや、関係者のパーティーだって言ってたな…」
そして強く、
「うちの娘はね、読者モデルだけど、真面目にやってるんだ。
ヤバい子みたいに合法ドラッグだのプロデューサーとどうとかなんてやってないんだよ。
俺の家以外にも、真面目な読モと親は、みんな迷惑してるんだよ。
麻也くんだって娘がいるならわかりそうなもんだと思うけどね。」"