その夜のライブでは、麻也自身も嬉しくなるようなほのぼのしたキスシーンがステージでは決まったのに…
ライブの直後、気がつけば、須藤と鈴木に麻也は着替えさせられタクシーに押し込められた。
(…打ち上げどうするんだろう…)
ホテルで連れて行かれた部屋にいたのは困り切った社長だった。
「麻也、これは本当なのか? 俺はもう…」
と写真週刊誌の見本らしいページを渡された。
そこには、自分が鈴音にホテルの廊下で抱きつかれ、たしなめている荒いモノクロ写真が載せられていた。
(一体、誰がこんなの…)
「麻也、週末にこれが出ちゃうんだ。真実を話してくれ。俺が昨日まで聞いていたのと違うじゃないか。」
「すみません、ケンの部屋に入ったのは鈴音ちゃんに抱きつかれて、メイクやコロンの香りがジャケットに付いたような気がして気分が悪くなったからなんです」
みんなが言葉を失っていた。
やっと社長が、
「…ホテルで会ってたのか、お前が…」
しかし、自分が悪くない麻也ははっきりと、あの日の空白の時間のことを説明した。
木内の名を出されてこと、地元のイベンターらしき男にに案内されてホテルに戻ったこと。
待ち受けていたのは鈴音とマネージャーですぐに鈴音と2人きりにされ、思いを打ち明けられ、抱きつかれたこと。もちろんそれは断り、少し説教をしたこと。
「でも、カメラなんて…」
しかし、そこまで聞いてみんなはほっとして口々に、
「それで向こうの事務所は怒鳴り込んで来ないのか…」
「悪質ですよ、でもなんでカメラを仕込んだんですかね?」
「カメラは別じゃないですかね。あと、でもあっちの事務所は、どうせならあのアイドルを麻也さんにもらってほしいみたいですよ。」
と、鈴木が言うと須藤も社長も絶句していた。
麻也はそのウワサを聞いた時の悔しさを思い出し、泣きそうになった。が、あとは鈴木が言葉を選んで続けてくれた。
「この業界だったらどんなことがあるかわからないし、変な男に付きまとわれる前に、王子様にもらってもらう方がいいということで…」
「なんじゃそりゃ」
そこで、麻也は嫌なことを告白した。
「あと、真樹に、その時着ていた白いシャツを預けたんです。あの子の口紅がうっすらと付いているのに、真樹は気づいてくれたので」
そのうち諒に知られないうちに、真樹が処分してくれました。
どうにかそこまで言ったものの、
(こんな写真があるんじゃな…)
と、疲れもあって麻也は諦めムードになってしまった。
しかし…
ライブの直後、気がつけば、須藤と鈴木に麻也は着替えさせられタクシーに押し込められた。
(…打ち上げどうするんだろう…)
ホテルで連れて行かれた部屋にいたのは困り切った社長だった。
「麻也、これは本当なのか? 俺はもう…」
と写真週刊誌の見本らしいページを渡された。
そこには、自分が鈴音にホテルの廊下で抱きつかれ、たしなめている荒いモノクロ写真が載せられていた。
(一体、誰がこんなの…)
「麻也、週末にこれが出ちゃうんだ。真実を話してくれ。俺が昨日まで聞いていたのと違うじゃないか。」
「すみません、ケンの部屋に入ったのは鈴音ちゃんに抱きつかれて、メイクやコロンの香りがジャケットに付いたような気がして気分が悪くなったからなんです」
みんなが言葉を失っていた。
やっと社長が、
「…ホテルで会ってたのか、お前が…」
しかし、自分が悪くない麻也ははっきりと、あの日の空白の時間のことを説明した。
木内の名を出されてこと、地元のイベンターらしき男にに案内されてホテルに戻ったこと。
待ち受けていたのは鈴音とマネージャーですぐに鈴音と2人きりにされ、思いを打ち明けられ、抱きつかれたこと。もちろんそれは断り、少し説教をしたこと。
「でも、カメラなんて…」
しかし、そこまで聞いてみんなはほっとして口々に、
「それで向こうの事務所は怒鳴り込んで来ないのか…」
「悪質ですよ、でもなんでカメラを仕込んだんですかね?」
「カメラは別じゃないですかね。あと、でもあっちの事務所は、どうせならあのアイドルを麻也さんにもらってほしいみたいですよ。」
と、鈴木が言うと須藤も社長も絶句していた。
麻也はそのウワサを聞いた時の悔しさを思い出し、泣きそうになった。が、あとは鈴木が言葉を選んで続けてくれた。
「この業界だったらどんなことがあるかわからないし、変な男に付きまとわれる前に、王子様にもらってもらう方がいいということで…」
「なんじゃそりゃ」
そこで、麻也は嫌なことを告白した。
「あと、真樹に、その時着ていた白いシャツを預けたんです。あの子の口紅がうっすらと付いているのに、真樹は気づいてくれたので」
そのうち諒に知られないうちに、真樹が処分してくれました。
どうにかそこまで言ったものの、
(こんな写真があるんじゃな…)
と、疲れもあって麻也は諦めムードになってしまった。
しかし…