真樹もそれは同じだったようで、
「飲ませられすぎて急性アル中で救急車? でも前の事務所ならあるのかなあ…」
そしてらしくもなく口ごもる。が、思い切ったように、
「何かこんなこと言いたくはないけど、俺たちはロックだっていうのにさー、結局はザ・芸能界だよね。環境の大半が」
「いきなりどうしたの?」
と、諒は何でもないように返すつもりだったが、苦笑いになってしまう。
「兄貴は別に何も昨夜も言ってくれなかった。でもやっぱりあの出稼ぎはまずかったんだと思うんだよね。かなり嫌なことがあったのかもな、って」
そして、
「それしか考えられないと思うんだよね、他の事はうまくいってるし」
とも言う。
しかし、諒は真樹の言葉を待つしかなかった。真樹の方も諒が何も言わないので仕方なく続ける感じだ。
「諒も知ってると思うけど、俺たちがあの大事務所の保護を受けてるみたいに言われてるのが…」
諒はますます困ってしまった。
自分はここで言ってしまった方がいいのだろうか…
でも、あんなけがらわしい出来事、口にするのも嫌だ…
真樹も目をそらしたまま、
「でも社長は契約はちゃんとクリアになってるから安心しろってさ…」
しかしやっぱり真樹には何かを見通されていたようだ。
「諒、何か知ってるんじゃないの? 兄貴には言わないから俺には話してよ。もう俺もそんなにちょっとやそっとのことじゃ驚かないから言ってみてよ」
それでも諒には決心がつかない。すると真樹は目をそらしたまま、
「兄貴は…諒は聞いてた? その…兄貴に横恋慕してたオッサンがいて…」
諒はショックで血の気が引いていくのを感じていた。それを見た真樹が、彼らしくもなく真っ青になるのも…
「ごめん、あの…俺もあくまでウワサでしか聞いてないんだけど…離婚して子供とも別れて…」
それは諒が初めて聞く話だった。
「…で?」
「一緒になるつもりだったって…」
「飲ませられすぎて急性アル中で救急車? でも前の事務所ならあるのかなあ…」
そしてらしくもなく口ごもる。が、思い切ったように、
「何かこんなこと言いたくはないけど、俺たちはロックだっていうのにさー、結局はザ・芸能界だよね。環境の大半が」
「いきなりどうしたの?」
と、諒は何でもないように返すつもりだったが、苦笑いになってしまう。
「兄貴は別に何も昨夜も言ってくれなかった。でもやっぱりあの出稼ぎはまずかったんだと思うんだよね。かなり嫌なことがあったのかもな、って」
そして、
「それしか考えられないと思うんだよね、他の事はうまくいってるし」
とも言う。
しかし、諒は真樹の言葉を待つしかなかった。真樹の方も諒が何も言わないので仕方なく続ける感じだ。
「諒も知ってると思うけど、俺たちがあの大事務所の保護を受けてるみたいに言われてるのが…」
諒はますます困ってしまった。
自分はここで言ってしまった方がいいのだろうか…
でも、あんなけがらわしい出来事、口にするのも嫌だ…
真樹も目をそらしたまま、
「でも社長は契約はちゃんとクリアになってるから安心しろってさ…」
しかしやっぱり真樹には何かを見通されていたようだ。
「諒、何か知ってるんじゃないの? 兄貴には言わないから俺には話してよ。もう俺もそんなにちょっとやそっとのことじゃ驚かないから言ってみてよ」
それでも諒には決心がつかない。すると真樹は目をそらしたまま、
「兄貴は…諒は聞いてた? その…兄貴に横恋慕してたオッサンがいて…」
諒はショックで血の気が引いていくのを感じていた。それを見た真樹が、彼らしくもなく真っ青になるのも…
「ごめん、あの…俺もあくまでウワサでしか聞いてないんだけど…離婚して子供とも別れて…」
それは諒が初めて聞く話だった。
「…で?」
「一緒になるつもりだったって…」