「どうしたの?」
麻也は自分も驚いたことに、以前のようにクールに言ってしまったが、諒には自然に聞こえたようで、特に何も言われなかった。
「いや、ここでメンバーだけで宴会しないか、って誘えばよかったな、って」
麻也は返事をしなかった。
もう少し、諒と二人きりの日々を楽しみたかったから…
「あれ、麻也さん嫌だった?」
「ううん…」
「え? じゃあ何で?」
麻也は以前のように諒に微笑んで、
「諒ったら、それを俺に言わせるの?」
「な一んだそうか~。もー麻也さんたら♪」
喜んだ諒はまたキスを頬にくれた。麻也は、諒を強く抱き締めた。
(嬉しい。もう離さない…)
「あ…」
「えっ? 麻也さんどうした?」
「いや、そういえば、東京ドームが控えてたんだ、って急に思い出したんだ」