リベラルくずれの繰り言

時事問題について日ごろ感じているモヤモヤを投稿していこうと思います.

ラトルバックが逆回転する理由

2017-11-28 | 一般
ラトルバックというおもちゃがある.単に舟形をしたプラスチック片に見えるが,ある方向に回すとやがて回転が止まり,さらには逆方向に回りだす.実は「舟形」というのが微妙に非対称的に作ってあるというのが仕掛けらしいのだが,だからなぜ逆回転するのか.いろいろ説明を見ても今一つ釈然としない.

なぜラトルバックの回転の向きが反転するのか.最もわかりやすいと思えたSepp Hasslberger氏のページを参考に説明してみたい.

(1)まず,ラトルバックを回すと摩擦によって減速していくが,舟形の絶妙な非対称性のため,摩擦を逃れようとして上下方向の振動が発達し,しまいには回転は止まって上下振動だけになる.
(2)次に,この上下振動のエネルギーが,やはり摩擦を通じて反対方向の回転に変換される.(最初から回さずに,舟形の端をちょんと押して振動を起こしてやれば,この回転が生じることが観察できる.)
このように
 (不安定方向の)回転 → 摩擦の影響で上下振動に → 摩擦の影響で(安定方向の)回転に
というエネルギーの移り変わりがラトルバックの逆回転の理由らしい.ではなぜそうなるのかとなると,私もちゃんとはわかっていないが,摩擦がなければラトルバックの逆転は起こらないというので,摩擦が重要な役割を果たしていることはたしかだ.
ラトルバックに関しては21世紀になっても科学者が論文を発表したりしているらしい.いつか調べてみたい.

なお,回転が逆向きになるのを見ると,ちょっと物理をかじった人だと「角運動量保存の法則を破った」と感じてしまいかねないが,普通の棒きれを回しても自然に止まる.これだってマクロに見れば「角運動量保存の法則を破って」いる.そう考えると,逆回転であっても,「角運動量保存」に関して特別なことが起こっていることでないことはわかる.(摩擦で回転が止まるとき,角運動量はどうなってしまったのか.たぶん,摩擦を通じて分子レベルの角運動量に分散されたのだと思う.)→と書いてから思ったが,マクロな角運動量がミクロに分散して一見消失したように見えるのはなんとなくわかるが,振動のみしているラトルバックが回りだすのは,ミクロな角運動量がマクロに揃ったということなのだろうか?やっぱり不思議だ.

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