眼前を掠めて壁に突き立った名刺は、どう見てもただの紙製だった。周囲を見回すが今回の取引相手らしい姿は見当たらない。
『振り向かないでください、保護色と死角を駆使しています』
どこからともなく声が響き、気付くとテーブル上の書類が消えている。お互いが属している世界常識の違いから発生する頭痛に額を押さえながらも商談は進み、忍者相手の打ち合わせは何とか無事終わった。
『振り向かないでください、保護色と死角を駆使しています』
どこからともなく声が響き、気付くとテーブル上の書類が消えている。お互いが属している世界常識の違いから発生する頭痛に額を押さえながらも商談は進み、忍者相手の打ち合わせは何とか無事終わった。