カケラノコトバ

たかあきによる創作文置き場です

店の名は琥珀亭・陥落の神官

2017-03-02 20:47:20 | ワンフレーズで創作お題
たかあきで【オーバーヒートへのカウントダウン】というテーマで創作してください。

 難敵が現れたと渋面の先生が連れてきたのは真面目そうな若い神官だった。馳走も酒も、接待は一切受けません!と言う頑なな宣言に呆れた店長が、何だってあんたらはうちの店に面倒ばかり持ち込むんだとぼやきながら、それでも簡単な料理を一皿用意して出してくれた。
 すると神官は出された料理を一目見るなり雷にで打たれたような反応を示した後、瞬く間に完食すると号泣を始めた。何をやったと尋ねる先生に、国教教会本部付近の郷土料理を出しただけだと答える店長。
 こうして、琥珀亭の常連がまた一人増えた。
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母の鉢植え

2017-03-02 18:46:29 | 雑記
 思い出した話。
 母の日だったのでうちの母に濃いピンク色で斑入りカーネーションの鉢植えを贈った翌年、鉢の周辺にピンクの撫子が沢山咲いているけど、何で?と訊かれた。何でもこぼれ種が発芽したのだろうと答えたら一重だし班が無いし小さいし鉢の花と全然違うと言われ、園芸種は一代雑種だから結実した種を撒いても同じ花は咲かず原種に戻ると教えた。FIハイブリットとか知らない人は知らないよなとか思いつつも、一体どこに置けばそこまで大量のこぼれ種が開花するのだろうと悩んだ。畑の真ん中にでも置いたのか?
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闇夜の攻防

2017-03-02 00:28:34 | 雑記
 ホラーな話。
 夜、買い物帰りの大荷物を抱えながら近所の商店街を歩いていた時、いきなり脇道から小学生位の女の子が現れた。時刻はおよそ十時前、子供が出歩くには微妙な時間帯だなと思ったが、外見は服装も含めてどうと言うことのない今風の子供で、キチンと編み込んだ髪型が印象的だった。が、その子はこちらの視線に気付いた途端に一拍おいて大声で『お母さん』と叫びながら泣き出したのだ。
 その明らかに不自然な行動に本気で得体の知れない寒気を覚えながら無言で歩き続けると、何故か女の子は一定の距離を保ちながら後をついて来た。ここで声を掛けたら確実にとんでもない事になるという確信と共に更に進むと、結局は通りの突き当たりにある信号の前で再びいきなり無言になると、すたすたと元の方向に引き返して行った。

 アレは一体何だったのだ?
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店の名は琥珀亭・遠神恵賜(とおかみえみため)

2017-03-02 00:20:28 | ワンフレーズで創作お題
たかあきで【空を指差しきみは笑った】というテーマで創作してください。

 僕にとってだけど、天使という存在は人間より高次の空間に存在していて普段は単なる光にしか見えないものだと思っている。だから僕の企画する祭は、地上を遍く照らす光から天使の姿を見つけ出すものなんだよと監督は笑い、傍らで先生がうんうんと頷く。そして店長は仏頂面のまま、まあ、そんな考え方もあるだろうなと呟くのだった。
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