カケラノコトバ

たかあきによる創作文置き場です

作品その49・恋の予感

2018-10-04 19:52:59 | 見習い錬金術師の作品
たかあきは『青銅』と『恋人の爪』を材料に『紅涙の幽霊の素』を錬成しました。用途は体力回復です。

 知っている筈のない師匠の学友二人のことが頭から離れなくなって不眠気味となった僕に、師匠は今度は単なる栄養剤だから安全だと言って怪しげな飲み物を勧めてきた。当然ながら選択の余地も与えられないまま飲み干すと、今度は学友のうち女性の方が嬉しそうに笑いながら僕に抱き着いてくる幻が現れ、彼女が呼んだのが師匠の名前だと気付き、何となく三人の間に横たわる関係性を理解できたような気がする中で、久しぶりの安らかな眠りについた。
コメント

骨董品に関する物語・祈祷書

2018-10-04 18:43:26 | 突発お題

 神の愛と威光を讃える祈祷書は同時に悪魔の誘惑から人間を守る剣でもある。故に彼は先代司教から譲り受けた祈祷書を悪魔との戦いに頻繁に利用した。書の内容を唱えるだけでなく実体化した悪魔に大して物理攻撃を行い、立派な武闘派エクソシストとなった代わりに彼は先代司教から譲り受けた大事な祈祷書を失った。
コメント

骨董品に関する物語・流星ブローチ

2018-10-04 18:28:58 | 突発お題

 星の娘を追い掛け回しているうちに足を滑らせ、地上に落っこちて来たお月様を我が家に泊めたことがある。やがてお月様は天から降ってきた雨の糸を登って帰って行ったが、幸いにも新月と曇り空のおかげで地上の誰にも不在がバレなかったらしい。ちなみに後日、礼状と共に降ってきた星屑を材料に作らせたブローチは今でも我が家の家宝だ。
コメント