カケラノコトバ

たかあきによる創作文置き場です

骨董品に関する物語・硝子製の偽卵

2018-10-21 13:06:19 | 突発お題

 硝子製だから雛は孵らないよと父は言ったが、その偽卵はとても綺麗で、きっと見た事もないような雛が孵ると信じて毎日眺めていた。やがてある日の深夜、偽卵は淡い光を放ちながら割れ、中から出てきた見たこともない程に美し鳥は,翼を広げるとすぐ何処かに飛び去ってしまった。翌朝、偽卵が割れていたことで父に疑われたが、私は昨晩観たものも含めて何も言わなかった。
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