四冊目・『孤独なる追憶の舞台』

たかあきは『孤独なる追憶の舞台』事件を解説してください。

　１０年ぶりに届いた同窓会通知に参加した男女は、幹事役の人間が卒業直後に自殺していたと知って愕然とする。自分達を呼び出したのは一体誰なのか？そして、彼らの誰一人として思い出せない最後のクラスメイトの正体は？誰が敵かも判らぬ中、閉ざされた廃校舎で生き残りをかけた殺し合いが始まる。

三冊目・『古き大人の空白』

たかあきは『古き大人の空白』事件を解説してください。

　生前の祖父は誰からも好かれる穏やかな人で、僕は昔から祖父の思い出話を聞くのが大好きだった。けれど、祖父はかつて兵士として従軍したときの話だけは決して話してくれなかった。そんなある日、祖父に線香を手向けたいと現れた老人が話してくれたのは、戦場から生きて故郷に帰る為、幾多の戦友を見捨てながら鬼となって生きのびた祖父の姿だった。

二冊目・『死に至りし熱火の部隊』

たかあきは『死に至りし熱火の部隊』事件を解説してください。

　生還不可能とされる地に派遣され、幾多の犠牲を払いながらも何とか任務を果たして帰還した特殊部隊『エンラ』隊員を待っていたのは、上官による裏切りと無慈悲な粛正だった。只一人生き残った隊長は自分たちを切り捨てた国と組織への復讐を誓う。だが、それは世界の全てを敵に回した孤独な戦いの幕開けだった。

一冊目・『面白き大都会の構図』

たかあきは『面白き大都会の構図』事件を解説してください。

　ごく平凡なビジネスマン、私立の小学生に通う女の子、恋人に振られたばかりのOL、定年退職を間近に控えた教師、アルミ缶を集めるホームレス、仕事で迷い猫を探している探偵などなど。
　顔も知らない通りすがりだった筈の存在が、その日から何故かお互いの幸不幸を左右する存在となる、そんな奇妙な物語。

とある蒐集家の棚より・夢見る月光

たかあきは『月の石』と『皿の上のコイン』に関する物語を創作してください。

　月の石のいいのがありますよと言われた私がいつもの様に数枚のコインを皿に載せると、コインが消えると殆ど同時に銀白色に輝く石が皿の上に現れた。それでは良い夢をと言った商人の気配が消えてから、ひんやりと冷たい石を飲み込んだ私はベッドに横たわり、身体の中で月の光が溶けて消えるまで、その記憶を辿るのだ。

とある蒐集家の棚より・こいのはてに

たかあきは『あの日の写真』と『魚の化石』に関する物語を創作してください。

　恋は盲目とは良く言ったもので、あの頃の僕には間違いなく彼女が世界一の女性だった。それなのに、どうしてあの日に酷い振られ方をして数年経った今、一緒の写真には死んだ魚の目をした彼女が映っているように見えるのだろうか。それとも、これは後の彼女に訪れることになった溺死を顕す死相だったのだろうか。判らない。

とある蒐集家の棚より・形見の香り

たかあきは『お香』と『万年筆』に関する物語を創作してください。

　父が常に持ち歩いている万年筆は若くして亡くなった父、つまり私にとっては祖父に当たる男性の形見分けで貰ったものだという。重たげな金属軸の万年筆で父が何かを書くと決まって爽やかな香りが周囲に漂うのだが、父に言わせると、これは若かった頃の母が着物を着るときに使う香だそうだ。
　ただし、母は未だに存命なので今ひとつ不可解ではある。

とある蒐集家の棚より・みどりのいかり

たかあきは『観葉植物』と『灰皿と吸い殻』に関する物語を創作してください。

　彼とは、何度言っても私の部屋のベンジャミンに煙草の煙を吐きかけるのを止めなかったという理由で別れた。当人の言い訳では私とベンジャミンの仲が良すぎて嫉妬したのだそうだが、お陰で私のベンジャミンは無残に葉が落ちて枯れてしまった。
　それから数年後、私は、煙草の煙が充満しきった部屋で窒息死していた彼が発見されたと聞いた。

とある蒐集家の棚より・色褪せたものと色褪せないもの

たかあきは『消しゴム付き鉛筆』と『押し花』に関する物語を創作してください。

　削っていない消しゴム付き鉛筆と押し花栞の入った包みは、確か誕生会前日に友達と大喧嘩をやらかして僕だけ会に呼ばれずに渡し損ねたものだった。歳月が過ぎて友達は元友達となり、押し花の色も随分色褪せた今、僕は鉛筆を削って存分に尖らせた芯の先で、今、僕の目の前にいる友達の顔をスケッチブックに描くのだ。

とある蒐集家の棚より・紙の帝国

たかあきは『旧式ゲーム機』と『猫の置物』に関する物語を創作してください。

　ある日、とあるゲームを購入したら、特典でゲーム内の猫がペーパークラフトになったものが付いていた。
　またある日、映画のキャンペーンで作中の犬がペーパークラフトになったものをダウンロードした。
　更にある日、五〇枚以上の紙で作る動く城のペーパークラフトをゲットした。

　全部完成させて部屋に飾ったら、何だか訳が判らなくなった。