カケラノコトバ

たかあきによる創作文置き場です

三十冊目・『蒼き子供の最後』

2018-04-21 21:53:56 | サスペンスはお好きですか?
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 蒼い髪を持って生まれた少年は、かつて世界を滅ばした魔王と同じ姿をしているという理由で迫害された。当人は利発で聡明だったが、厄介なことに、それが却って妬みの源となって更なる迫害を招いた。やがて愛するものを殺された少年は、かつての異形と同じように世界を滅ぼし、人々に魔王と呼ばれた。
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二十九冊目・『触れられぬ裏切りの秘密』

2018-04-19 21:56:24 | サスペンスはお好きですか?
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 どのような理由があろうと、決して裏切り行為の正当化にはならない。
 だから彼は口をつぐみ、彼を裏切り者と罵る故郷の人間全てが浴びせかけてくる罵倒から耐えた。例えその裏切り行為によって故郷の人間を含む多くの存在が知らぬ間に破滅の淵から救われたのだとしても、彼は故郷では卑劣な裏切り者に過ぎなかったのだ。
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二十八冊目・『触れられぬ鬼たちの子守歌』

2018-04-18 23:30:41 | サスペンスはお好きですか?
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 その国では成仏出来ずに現世に残った死者の魂を「鬼(キ)」と呼ぶ。恨みや未練など、魂が鬼となった理由は様々だが、中でも悲しい存在は子供を残して死んだ母の鬼で、もう触れることも声を届けることも出来ぬ我が子に対して、それでも手をさしのべながら聞こえない子守歌を歌って聞かせようとするのだ。
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二十七冊目・『大いなる寒村の正義』

2018-04-17 21:49:01 | サスペンスはお好きですか?
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 その村は世界を守っていた、少なくとも、村の人間はそう信じていた。
 故に村人は様々な悲劇を生み出す儀式を毎年欠かさず行い、例え誰かが儀式の無意味さを説いたとしても、儀式の供物に使われて無駄死にさせられた。そして村人は訪れた真の終末の際にようやく儀式の無意味さと己の愚かさを悟ったが、その時はもう遅かった。
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二十六冊目・『焦がれし寒村の孤独』

2018-04-16 20:26:54 | サスペンスはお好きですか?
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 朽ちかけた村で彼女は生まれ育ち、村の守り神として外の世界を知らぬままに暮らしていた。やがて村から人の姿が消えても彼女は変わらぬまま村と共に在り続けたが、ある日、禁を破って村に現れた余所者の男に恋をして男と共に村を出る決心をする。だが、それが彼女の村のみならず、外界にとっても惨たらしい破滅に繋がる道であることを、その時の彼女は知らなかった。
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二十五册・『切り裂かれし鬼たちの虐殺』

2018-04-15 14:24:52 | サスペンスはお好きですか?
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 その日、国中から集められた同じ日に生まれた赤子は「鬼の子」である疑いがあるというだけの理由で、身を挺して我が子を守ろうとした母親もろとも全員が殺された。やがて、同じ日に生まれながら国の外に逃され、自分の正体を知らずに育った王の子によって、その国は無残に滅ぼされることになった。
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二十四冊目・『黒き親子の秘密』

2018-04-12 21:30:07 | サスペンスはお好きですか?
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 幸せそうに見える家族が本当に幸せに暮らしているのかは、他人には決して判らない。同じように、仲の良さそうな家族が本当に仲良く暮らしているのかも、家族が家の中に入って扉を閉じてしまえば伺えなくなる。己が暮らす漆黒の地獄を覆い隠しながら、人は何処かにある筈の純白の楽園を夢想して生きるのだ。
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二十三冊目・『芳しき王国の舞台』

2018-04-11 23:07:10 | サスペンスはお好きですか?
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 コソ泥家業で暮らしていた俺は、偶然にも王子とそっくりだった為、赦免と引き替えに出奔した王子の替え玉に仕立て上げられた。それからは政敵に暗殺されかかるわ婚約者の姫に疑われるわ恋敵とやらに決闘を申し込まれるわと散々だったが、戴冠式当日に帰還した本物の王子とすり替わり、大役を果たした以降は平穏に暮らせるはずだった。
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二十二冊目・『古き一族の昔話』

2018-04-10 21:01:04 | サスペンスはお好きですか?
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 人里離れたその集落の人々は、現代ではとうに廃れた習慣や風俗を尚も残して生活している、考古学者の僕にとっては非常に興味深い場所だった。その集落に入れるのは村の巫女が認めた相手だけで、僕は幸運にも認められて集落に招き入れられて巫女と結ばれ、結果として残りの生涯全てを集落で暮らした。

 そして次は君の番だ。どうか孫娘を宜しく頼むと、老人は穏やかに笑った。
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二十一冊目・『汚れし廃墟の部隊』

2018-04-09 21:00:02 | サスペンスはお好きですか?
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 その集落は、政府関係者の過失から流出した汚染物質の拡散防止と隠蔽の為に、何も知らない住民ごと地図から消し去られた。数年後、集落を滅ぼした部隊で只一人の生き残りとなった男は一人の少女と出会い、その命を助けるが、少女もまた集落只一人の生き残り、彼の部隊を全滅に追いやった張本人だった。
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