カケラノコトバ

たかあきによる創作文置き場です

作品その5・夢見石を錬成する

2018-08-03 19:52:05 | 見習い錬金術師の作品
たかあきは『星屑』と『純度の高い夢結晶』を材料に『夢の結晶精霊』を錬成しました。用途は薬用です。

 眠れない人間が気持ちよく眠れるようになるための何かを作ってみろ、材料は任せると師匠に言われたので、空から降ってきた星の欠片で夢結晶の純度を上げた精霊球を錬成したら、遠慮なしに一番高い結晶を使いやがってと頭を抱えられた。が、すぐに気を取り直したのか想定額の倍額を吹っかけてやると邪悪な笑顔を浮かべた。
 いつものことだが師匠の顧客とやらにうっすらと同情しながら、僕は工房内の後片付けを始める。
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作品その4・光の石

2018-08-02 19:42:18 | 見習い錬金術師の作品
たかあきは『月長石』と『純度の高い夢結晶』を材料に『雨粒の虹茶』を錬成しました。用途は極秘事項です。

 特定の屈折率を有する鉱石を二つ以上組み合わせて錬成した物質に光を当てると、凄まじい程の色と光を周囲一面に乱舞させる。確かに綺麗は綺麗だと思うが、さっぱり使い道が分からない僕に、師匠は呆れ果てた口調でお前は色々考えが足りないと言い放ってから、いつもの闇商人を呼び出して怪しげな取引を始めた。
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作品その3・本日の夕飯

2018-08-01 19:05:40 | 見習い錬金術師の作品
たかあきは『貝の化石』と『三日放置した魚シチュー』を材料に『暗黒の妖精球』を錬成しました。用途は食用です。

 海産物を材料に錬成しても必ずしも海産物が完成するわけではないと師匠は言い、貝の化石と三日ほど続いて流石に食べ飽きた魚シチューの残りを使って何かを錬成してみろと無茶を言ってきた。自棄になって高圧錬成釜に材料を突っ込むと、どういう反応かドス黒い球体が錬成された。すると師匠が非常に喜びながら球体をどこかに売りに行き、その日の夕餉は久しぶりに肉料理となった。
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