いち
谷川 俊太郎
いちってね
つまりぼくがね いちなのさ
ぼくは せかいで ひとりきり
いちってね
つまりママがね いちなのさ
ママは せかいで ひとりきり
いちってね
つまりきみもね いちなのさ
ぼくと きみとで 2になるよ
いちってね
だけどちきゅうは ひとつなの
ぼくと きみとは てをつなぐ
いちってね
だからはじめの かずなのさ
ちいさいようで おおきいな
※「誰も知らない」1976年 から
だれも代わることのできない,世界でひとりきりの存在の「ぼく」。一人一人が「ぼく」と同じ,かけがえのない存在。
この世に生まれて一番目に出会い,一番大好きで,一番大切な「ママ」。「ママ」も世界にひとりきり。
かけがえのない一人の「ぼく」と一人の「きみ」。「きみ」は,大好きな友だちであったり,愛する恋人であったり,大切な仲間であったり。
たった一つの地球の上に生まれた「ぼく」と「きみ」。同じ地球人として,心を一つに手をつないで歩いていく。
すべてはいちから始まるということ。「ちいさいようで大きい」いちの意味と存在の大きさを見直したい。
時には,いちの場所までもどって,ものごとの本質や意味,大切さを考えてみたいと思っています。
いちは,「ちいさいようで大きい」人生の原点なのかもしれません。
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