ヨーロッパの田園を縁取り、畑を区分する役割をはたしている生垣の大部分は、中世あるいはそれ以前から続いている完全な人口生態系である。これは現在、多様性と魅力あふれる生態系を構築している。北米と違ってヨーロッパの生垣は樹木、灌木、草、小動物、鳥、多様な昆虫や無脊椎動物が複雑にあつまって構成されている。厚生林でも完全に開かれた土地でも補償できない、ゆたかな動植物の宝庫になっている。日本でも生垣(イケガキ)は防風林としての役割だけでなく「生きた垣根」として人の生活の中で機能している。
(ルネ・デュボス著 「地球への求愛」より 長野敬訳 思索社 )
追記(2024/12/06)
日本において生物多様性にかかわる人工生態系は1)神社や寺の森(鎮守の森)、2)河川敷や遊歩道、3)大きな古い屋敷の森、4)町屋の坪庭、5)街路樹の根元の空間などがある(スケールが小さいが多数あれば意味がある)。
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