未来技術の光と影。
SIYOU’s Chronicle






Xのタイムラインに上の画像が流れて来た。

『KILL BILL Vol.3』

狂気乱舞に陥った。

いや、一端、落ち着け。

自身も『KILL BILL Vol.1』に出演されている佐藤佐吉監督がリポストしているので、それなりに出どころの確かな情報なのであろうが、「ほんとに?」の言葉と、この顔に不安を覚えた。

😐

外出先のスマホでのチェックであったため、取り急ぎ、YouTubeで「KILL BILL 3」で検索してみたら、既にトレーラーがいくつか上がっている。

Kill Bill: Vol. 3 - Teaser Trailer | Uma Thurman, Zendaya


「TARANTINO'S FINAL FILM」の文字に、心躍る、踊る。

Kill Bill: Vol. 3 (2025) - First Trailer | Uma Thurman, Zendaya


ユマ・サーマンのそれなりに年齢を重ねた表情に疑念を吹き飛ばされ、喜び勇んでリポストした。

だが今日になり、"背景情報"が付いているのに気付いた。



「This poster is fan made and Quentin Tarantino doesn't have Kill Bill Vol 3 in production.」
このポスターはファンが作成したもので、クエンティン・タランティーノは『キル・ビル Vol 3』を制作していません。


2020年7月14日の記事「「キル・ビル」コッパーヘッド役の女優、続編でゼンデイヤに娘役を演じてほしい! - IGN Japan」で、

続編をあまり作らないことで知られるタランティーノだが、2004年の時点ですでに3作目の可能性を語っていた。「ヴァニータ・グリーンの娘、ニッキーが主人公になります。もう設定は考えてあるんです。ソフィ・ファタール(ジュリー・ドレフュス)がビルのお金をすべて手に入れて、ニッキーを育てます。そして、ニッキーはブライドを追いかけるのです。ニッキーもブライドと同じく、復讐する権利がありますからね」

と語っているのを読んだ時に、いかにもな感じに納得し、トレーラーがその内容の通りであったことも、ぬか喜びに拍車をかけた。

改めて「KILL BILL 3」で検索すると、2023年7月5日のこんな記事が見つかる「タランティーノ監督「キル・ビル Vol.3」を完全否定 : 映画ニュース - 映画.com

かつてタランティーノ監督は「キル・ビル Vol.3」への意欲をみせており、前2作に詰め込むことができなかったアイデアを生かしたいとコメントしていた。ベルギーのド・モルゲン紙の取材を受けたタランティーノ監督はこのほど、「 Vol.3」の可能性について「それはない」と返答。

「私の最後の映画は、男性映画評論家についてだ。そして、舞台は1970年代だ」


・・・なんか、これも読んだ記憶がある。

だが、落胆するのはまだ早い。

「長編映画10本で監督を引退する」と宣言しているタランティーノだが、実は既に長編映画を10本公開している。

そして「Kill Bill Vol. 1」と「Kill Bill Vol. 2」は、まとめて1本とカウントしている。

だったら、「Kill Bill Vol. 3」もそこに入れてもらえば、約束は守られる。

よね?

そもそも、タランティーノの Kill Bill への執着は、かなり根深い物であったはずだ。

タランティーノの代表作とも言える「パルプフィクション」内でのユマ・サーマンの語るセリフが元になって生まれている。

Did you catch this Kill Bill reference in Pulp fiction


そして、元記事が見つけられなかったが、確か Vol.1 で好き放題やった挙句、映画会社に怒られて Vol.2 はかなり抑制した、大人しい物にせざるを得なかった。

・・・はずだ。んー、そんな記事を読んだ記憶がある。

だとしたら、かなりのフラストレーションを未だに抱えているはずだ。

最期の最後に、どーんと好き放題やって欲しい。

私が Kill Bill に執着するのは、経緯は覚えていないのだが、公開前から日本版の公式サイトを何度も訪れていた。

今では、バラエティー番組などでも頻繁に使用され、恐らく聞いたことがない人などいないと思われるこのメロディーが、サイトのバックで常に流れていた。

Kill Bill Vol.1 - Arrival of O-Ren Ishii at "The House of Blue Leaves"


異様な期待感を日々募らせて、レイトショーで観たそれは、期待の遥か上を行く尋常ならざる映画であった。

終映後の劇場から帰る人々も「アニメ始まった時は、どうしよーかと思った!」若い女性の2人連れが、さも周りの同意を得たいかのように大きめのトーンで、「ちゃんばら大好きなんだねっ。」高齢の男性が、エレベーター内で一緒になった見ず知らずの若者2人連れに話しかけ、そう、観た者は思わず誰かと語らずにはいられない、そんな素敵なパワーをくらっていた。

一時期、サントラを購入して、鬼リピしていた。

そしてそれから20年後に、思いがけないショックに見舞われた。

[XG TAPE #1] Chill Bill (JURIN, HARVEY)


そもそもデビューMVで虜になっていた「XG」の関連動画として、後から観たこのラップパフォーマンス。

イントロが流れ始めた途端に、戦慄が走った。

「な、なんてことしてくれるんだっ!!」

デビュー前のガールズグループのティザー動画。

なぜ、このメロディーが?

なんだこの異様に圧のある佇まい。

そして始まったラップがまた、規格外に上手い。上手すぎる。あり得ない。

これをサンプリングすること自体があり得ないはずなのに、あつらえた様に馴染んでいる。

どんなセンスなんだよ。ガールズグループとして売り出す気があるのか?

どんな戦略なんだ?

最初の娘は殆ど顔が見えない。わざとやっている。K-POPぽい装束。

仮設の階段という、ちょとありそうでないシチュエーションを、ただ昇って行くというシンプルながらもインパクトのある画面作り。

そして2番目の娘にスムーズにバトンタッチすると、こちらはアイドル全開の華やかな面持ちに、常軌を逸してこの場にマッチした、常人には思いも及ばないセンスのセーターを着ている。

そして、この特徴的な甘い声ながら、ラップがまた異常にハイレベルだ。

恐れと慄きが尽きない。

2分24秒の「神託」を観終えた時、私の魂の底に眠っていた過去の記憶に一筋の光が差し込み、新たな覚醒がもたらされた。

「私の "神々(ミューズ達)" は、生涯あなたたちです。」

別のラップ曲が元ネタであることを後から知ったが、それでもこれを選曲するのはおかしい。

完全に打ちのめされた。

Rob $tone - Chill Bill ft. J.Davis & Spooks (Dir. Alex Vibe)


タイトルから分かる通り、これの元ネタは Kill Bill。

Kill Bill - Whistle Song - Twisted Nerve


そしてこれにも、元ネタがある。

Twisted Nerve whistling scene (better quality)


そして先ほどのタイトルの曲の元ネタは、実はこれ。

新・仁義なき戦い 布袋寅泰


タランティーノが曲の使用権を求めて布袋寅泰の所に来た時に、「新しく曲、作りましょうか?」と提案したところ、「いや、この曲じゃなきゃダメなんだ」と言われたそうだ。

確かに。

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