はるみのちょっとTea-time

日々の暮らしのなかで感じたこと、市民運動のことなどわたしのことばで、つづります。

『北島忠喜の絵画館』で佐藤和男さんの個展を開催中

2009-05-25 | 映画・音楽・演劇・絵画など芸術関連

2009年5月25日(月曜日)
おたがいが前後して大きな手術を受けてから
ほぼ1年・・・
ひさしぶりに、小浜の友人を訪ねました。

友人の内藤さんは小浜市内にある
ちいさな美術館『北島忠喜の絵画館』のオーナーです。

ご自宅を改装し、孤高の画家の
故・北島忠喜さんの作品を常設展示しています。

北島さんの友人でもあった内藤さんは
北島さんのために、この美術館をつくられたのです。

『北島忠喜の絵画館』のホームページです。
http://space.geocities.jp/kitajimatadakinokaigakan/

きょうは、内藤さんからご案内をいただいていた
佐藤和男さんの個展をみせていただきました。

黒という色がこれほどまでにさまざまな色あいに
変化し、見る角度によって違う心象を描き出すものだとは
思いもよりませんでした。

作品の前に立つと
木々がざわめき、森が揺れ、風の音さえ聞こえてきます。

ひたひたと砂浜に寄せては返す波間にわたし自身が
漂っているかのような感覚をおぼえます。

今日もわたしのためにアッシー君を務めてくれた健さんは
佐藤さんとすっかり、意気投合。
佐藤さんはなんと! わたしたちと同じ歳だったんです。
ふたりが絵のことで盛り上がっている間、
わたしは、ひさしぶりに内藤さんともうひとりの
友人であるIさんと、おたがいの近況報告。

楽しいひとときは体の痛みさえ忘れさせてくれました。

佐藤さんの個展はあと1週間、開催されています。
小浜へお出かけのときは、ぜひ足をお運びください。

http://mytown.asahi.com/fukui/news.php?k_id=19000000905180003

放浪の末、初個展
(
2009年05月18日・朝日新聞)

    
      「最初で最後の」個展を開いている
     現代美術作家の佐藤和男さん=小浜市小浜広峰

「便利な生活では感性が鈍くなる。
まっさらで自分に向き合いたい」。
仕事と家庭を捨て放浪の旅の末、
07年12月に小浜市小浜飛鳥へ落ち着いた
現代美術作家佐藤和男さん(59)が、
初の個展を31日まで市内で開いている=写真。
井戸水と七輪の炭火に頼る町家のアトリエ。
質素な暮らしから生み出された抽象的な平面作品に、
放浪の地の大自然や自らの心象風景をこめた。

愛知県出身で、京都市内で店舗建築会社に勤務。
41歳の時、市の絵画教室で洋画を学んだのが
人生を変えるきっかけだった。
「一筆描くごとに心の垢(あか)が洗い落とされ、
『本当の自分』に近づく感じがして、のめり込んだ」

50歳を前に会社が倒産、5人の仲間と住宅造りを手がけた。
だが、身を自由にして制作に向かいたいと
放浪への思いが募る。
07年、当時57歳。
妻(58)に離婚を切り出し理解を得た。
中古ワゴン車で京都を出たのは同6月。
北海道では車中泊で広大な原野や海辺をたどり、
根室地方では2カ月滞在して制作、地元の人との交流もした。
北海道を一周し、東北から京都府へ。
知人の紹介で小浜に来た。

なぜ制作するのか、何を作るのか、常に自問する。
油彩から、廃材や捨てられたチューブ・トタン板などを
生かした造形・立体へと作風は変遷した。
「こういう物に何か情を感じる。
いのちを持っていることを示したいのです」。
現在は、竹紙を使う作品に取り組む。

個展は、同市小浜広峰の画廊
「北島忠喜(きたじまただき)の絵画館」で
竹紙による成果を示す17点を展示する。
黒と白を基調に竹の繊維を生かしたり、
小麦粉のりを塗り重ねたりする独自の手法。
北海道の自然の中の孤独や水平線のような形象で
自身の心のありようを表す。

「作品は自分の日記のようなもので、
人に見せるものではない」。
知人に勧められたこの個展が、
最初で最後になると佐藤さんは言う。
同画廊に常設展示されている孤高の画家
北島忠喜(1941~2004)と同様、
名声には全くこだわりを見せない。

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