大東市は公民連携事業を強く推進しています。
今回は、公民連携で教育を実施する「公民連携教育事業」が提案されました。
2022年2月4日特別協議会で大東市が提供した資料
提案されたのは2月4日の特別協議会です。
その後、3月議会に議案上程するとの話でした。
公教育を公民連携で行うという異例の話なのに、拙速すぎる
もっと、議論が必要です
しかし、大東市は部内で1年半近く議論してきたとして、3月議会で強行する予定です。
どういう事業か…
概要は以下の(画像)通りです。
2022年2月4日特別協議会で大東市が提供した資料
まず、一条校ではないという点はとても大きな問題です。
一条校とは、学校教育法第 1 条に定める学校をいいます。
文科相の説明では‥
一条校は公の教育を行う学校であり、組織・運営、教職員、教育目標、教育内容等について、法令に基づき一定の枠組みが設けられています。
義務教育段階の小中学校では、国民として共通に身に付けるべき基礎・基本を修得させるものであり、保護者にこれらの学校への就学義務を課している。
一条学校と位置づけるために一定の教育水準を確保する基準を設定するとすれば、そのような基準とはまさに学習指導要領に基づく教育課程の実施等、小・中・高校等に適用されている現行法令の諸規定そのものである。
大東市が現段階で提案している公民連携スクールでは、学習指導要領に基づく教育課程を網羅するものになっていません。
従って、私は、現段階では一条校への特区扱いでの格上げは難しいだろうと思っています。
さて…
公民連携スクールのターゲット(対象者)は市内在住の中学生となっています。
ターゲットとは=目標。標的。まと。特に、商品の販売活動でねらった購入層を意味する。
この言葉を使っている時点でまさに、生徒を狙い打ち、商品として扱う存在としてみていることを想定してしまいます。
もちろん、大東市はそういうつもりではないと言い訳しますが…
実施拠点(スクールの場所)は未定
20名の選抜
進路について
「卒業後の進路について、多様な選択肢を示し、一人ひとりの希望に寄り添った支援を行う体制を整えること」書いてあるが…
教育課程をすべて終了している保障がない中、高校受験ができる学力が身についているのか?と言う疑問点が残ってきます。
進路の保障が出来ない事を生徒と保護者にきっちりした説明が必要になります。
教師の多忙化
公立中学校に籍を置いているが、実際は通っていないので、担任は第三者の紙や文面だけの報告をうのみにして評価をするという事はできないため、あるていどきっちり連携が必要になり、中学校の教員の仕事を増やすことにつながると思います。
しかし、今議会で議案上程された時にはまだ現場の教員は公民連携スクールの事は聞かされていませんでした。
大東市が考えている生徒のイメージ
2022年2月4日特別協議会で大東市が提供した資料
大東市中学校OB教師の意見
今ある学校の困難や問題を解決すべき市の責任は放っておいて、中学生を表面的な市のイメージづくり、客引きのために奉仕させようとする。
中学生なら、彼らの自由になると思っているところが傲慢で恐ろしい。
市政には高校生からにする権力はないから、自治体で権力を振るえる中学生を対象にしている。
すでに準備している業者があるとすれば問題だ。
既成の教育産業であれば、地域にこだわる趣旨と矛盾する。
既成でないとすれば、無免許でも、さしたる教育理論なしで、森友学園のようなものも蔓延る危険がある。
20名を選抜し、このような生徒イメージを描けば、エリートを育てようとしている様にも捉えられる。
次に、スクール時間割(イメージ)について
2022年2月4日特別協議会で大東市が提供した資料
午前中はオンデマンドによる各自自宅学習。
基礎学習は個別に行うこととなります。
自分で計画的に学習を進められる生徒にしか適しません。
通信教育型の塾を運営している専門家の意見
通信教育型のオンデマンド授業は、自己管理ができる人には良いかも知れません。しかし、大切な時期をどのような形で学んでいくのか慎重に検討しなければいけない。
児美川孝一郎・法政大学教授(教育学)の話しんぶん赤旗2020年1月25日(土)付より引用
教育現場のICT環境の整備自体は重要ですし、個々の子どもに合った学習をきちんと保障することも大切です。しかし、教科の学習はすべて、パソコンやタブレットを使って先端技術で「個別最適化」すればいいというのは大問題です。
集団での学びでは「型」からはずれたような発想をする子がいて、そこからみんなが学ぶことで、考えが深まるということがあります。「個別最適化」で効率よく学ぶだけでは学ぶ過程が平板になり、深みがありません。
次に、公民連携の事業形態です。
これまでの各分野の公民連携事業と似たものとなっています。
2022年2月4日特別協議会で大東市が提供した資料
民間は儲けが無ければ事業が成り立ちません。
大東市の説明では公のマインドを持った民間事業者を選定するそうです。
民間事業者は市外サービス利用者(他市生徒・リカレント教育受講者)からの受講料と銀行からの融資を活用するため、公民連携スクールでの売り上げが無くても成り立つ仕組みのようです。
しかし、ここまで条件が書かれてあるという事は特定の民間事業者がほぼ想定されてこの事業の画が描かれたのだろうと思わざるを得ません。
スケジュールです。
2022年2月4日特別協議会で大東市が提供した資料
2023年4月開校予定で進めていくという事です。
1年間かけて教育委員会とも連携して話し合いを進めていくとのことですが…。
公民連携教育事業は沢山の課題と問題点を抱えた事業だと言わざるを得ません。
私の心からの訴え
大東市は「子どもの選択肢を増やすんだ!」と聞こえの良いようなことを言っているが、これは、チャレンジではない。あきらめた結果、安易な方法へ走っているだけだと言わざるを得ない。
確かに、今の教育現場が全て褒められるものではないと思う。
「誰一人、取りのこさない教育」みんなそれを願っているし、この企画をした人も人一倍そう願っているんだと思う。
一クラス当たりの人数は未だ40人超え、教師不足に過重労働、教育環境と労働環境がどんどん悪くなる一方で、「せめて望む子だけでも救いたい!」という気になる気持ちも分からなくはない。
でも、この企画は何度も言うが諦めた結果の企画だと言わざるを得ない。
そして、考えが浅すぎる。
この事業を提案する前に、不登校や学校に馴染めない子どもの背景や気持ちを十二分に考えたのだろうか?
大東市の学校現場の教師たちとしっかり議論したのだろか?
実際には、教育委員会とも現場の教師ともほとんど議論しないまま、公民連携室と民間が主導となって企画されたものにすぎない。
この企画事体がこれまで積み上げてきた現場の努力と義務教育を全面否定するものになっていると言わざるを得ない。
性急すぎる!ストップすべき。
今回は、公民連携で教育を実施する「公民連携教育事業」が提案されました。
2022年2月4日特別協議会で大東市が提供した資料
提案されたのは2月4日の特別協議会です。
その後、3月議会に議案上程するとの話でした。
公教育を公民連携で行うという異例の話なのに、拙速すぎる
もっと、議論が必要です
しかし、大東市は部内で1年半近く議論してきたとして、3月議会で強行する予定です。
どういう事業か…
概要は以下の(画像)通りです。
2022年2月4日特別協議会で大東市が提供した資料
まず、一条校ではないという点はとても大きな問題です。
一条校とは、学校教育法第 1 条に定める学校をいいます。
文科相の説明では‥
一条校は公の教育を行う学校であり、組織・運営、教職員、教育目標、教育内容等について、法令に基づき一定の枠組みが設けられています。
義務教育段階の小中学校では、国民として共通に身に付けるべき基礎・基本を修得させるものであり、保護者にこれらの学校への就学義務を課している。
一条学校と位置づけるために一定の教育水準を確保する基準を設定するとすれば、そのような基準とはまさに学習指導要領に基づく教育課程の実施等、小・中・高校等に適用されている現行法令の諸規定そのものである。
大東市が現段階で提案している公民連携スクールでは、学習指導要領に基づく教育課程を網羅するものになっていません。
従って、私は、現段階では一条校への特区扱いでの格上げは難しいだろうと思っています。
さて…
公民連携スクールのターゲット(対象者)は市内在住の中学生となっています。
ターゲットとは=目標。標的。まと。特に、商品の販売活動でねらった購入層を意味する。
この言葉を使っている時点でまさに、生徒を狙い打ち、商品として扱う存在としてみていることを想定してしまいます。
もちろん、大東市はそういうつもりではないと言い訳しますが…
実施拠点(スクールの場所)は未定
20名の選抜
進路について
「卒業後の進路について、多様な選択肢を示し、一人ひとりの希望に寄り添った支援を行う体制を整えること」書いてあるが…
教育課程をすべて終了している保障がない中、高校受験ができる学力が身についているのか?と言う疑問点が残ってきます。
進路の保障が出来ない事を生徒と保護者にきっちりした説明が必要になります。
教師の多忙化
公立中学校に籍を置いているが、実際は通っていないので、担任は第三者の紙や文面だけの報告をうのみにして評価をするという事はできないため、あるていどきっちり連携が必要になり、中学校の教員の仕事を増やすことにつながると思います。
しかし、今議会で議案上程された時にはまだ現場の教員は公民連携スクールの事は聞かされていませんでした。
大東市が考えている生徒のイメージ
2022年2月4日特別協議会で大東市が提供した資料
大東市中学校OB教師の意見
今ある学校の困難や問題を解決すべき市の責任は放っておいて、中学生を表面的な市のイメージづくり、客引きのために奉仕させようとする。
中学生なら、彼らの自由になると思っているところが傲慢で恐ろしい。
市政には高校生からにする権力はないから、自治体で権力を振るえる中学生を対象にしている。
すでに準備している業者があるとすれば問題だ。
既成の教育産業であれば、地域にこだわる趣旨と矛盾する。
既成でないとすれば、無免許でも、さしたる教育理論なしで、森友学園のようなものも蔓延る危険がある。
20名を選抜し、このような生徒イメージを描けば、エリートを育てようとしている様にも捉えられる。
次に、スクール時間割(イメージ)について
2022年2月4日特別協議会で大東市が提供した資料
午前中はオンデマンドによる各自自宅学習。
基礎学習は個別に行うこととなります。
自分で計画的に学習を進められる生徒にしか適しません。
通信教育型の塾を運営している専門家の意見
通信教育型のオンデマンド授業は、自己管理ができる人には良いかも知れません。しかし、大切な時期をどのような形で学んでいくのか慎重に検討しなければいけない。
児美川孝一郎・法政大学教授(教育学)の話しんぶん赤旗2020年1月25日(土)付より引用
教育現場のICT環境の整備自体は重要ですし、個々の子どもに合った学習をきちんと保障することも大切です。しかし、教科の学習はすべて、パソコンやタブレットを使って先端技術で「個別最適化」すればいいというのは大問題です。
集団での学びでは「型」からはずれたような発想をする子がいて、そこからみんなが学ぶことで、考えが深まるということがあります。「個別最適化」で効率よく学ぶだけでは学ぶ過程が平板になり、深みがありません。
次に、公民連携の事業形態です。
これまでの各分野の公民連携事業と似たものとなっています。
2022年2月4日特別協議会で大東市が提供した資料
民間は儲けが無ければ事業が成り立ちません。
大東市の説明では公のマインドを持った民間事業者を選定するそうです。
民間事業者は市外サービス利用者(他市生徒・リカレント教育受講者)からの受講料と銀行からの融資を活用するため、公民連携スクールでの売り上げが無くても成り立つ仕組みのようです。
しかし、ここまで条件が書かれてあるという事は特定の民間事業者がほぼ想定されてこの事業の画が描かれたのだろうと思わざるを得ません。
スケジュールです。
2022年2月4日特別協議会で大東市が提供した資料
2023年4月開校予定で進めていくという事です。
1年間かけて教育委員会とも連携して話し合いを進めていくとのことですが…。
公民連携教育事業は沢山の課題と問題点を抱えた事業だと言わざるを得ません。
私の心からの訴え
大東市は「子どもの選択肢を増やすんだ!」と聞こえの良いようなことを言っているが、これは、チャレンジではない。あきらめた結果、安易な方法へ走っているだけだと言わざるを得ない。
確かに、今の教育現場が全て褒められるものではないと思う。
「誰一人、取りのこさない教育」みんなそれを願っているし、この企画をした人も人一倍そう願っているんだと思う。
一クラス当たりの人数は未だ40人超え、教師不足に過重労働、教育環境と労働環境がどんどん悪くなる一方で、「せめて望む子だけでも救いたい!」という気になる気持ちも分からなくはない。
でも、この企画は何度も言うが諦めた結果の企画だと言わざるを得ない。
そして、考えが浅すぎる。
この事業を提案する前に、不登校や学校に馴染めない子どもの背景や気持ちを十二分に考えたのだろうか?
大東市の学校現場の教師たちとしっかり議論したのだろか?
実際には、教育委員会とも現場の教師ともほとんど議論しないまま、公民連携室と民間が主導となって企画されたものにすぎない。
この企画事体がこれまで積み上げてきた現場の努力と義務教育を全面否定するものになっていると言わざるを得ない。
性急すぎる!ストップすべき。