arata-tokyo-jp's blog(Henry Nagata)

オリジナル曲・自作動画・エッセイ・ネットで実験など

マスコミも注目の視覚障害者、Kuyo さんをご紹介致します

2006年11月29日 16時46分22秒 | エッセイ
今日は私が、「視覚障害者の方たちも楽しめるバリア・フリー・サイトを目指して・・・」
というコンセプトで制作を進めている新サイトで、視覚障害者の立場から貴重なアドバイスをして頂いている Kuyo(九曜)さんをご紹介したいと思います。

彼は29歳で、全盲でありながら色々な事にチャレンジしている努力家で、いくつかのマスコミでも取り上げられているほどです。
ご両親も「視力 0」との事です。

先ず私が驚いた事は、一般の人でさえサイト制作をする事は難しいと思うのですが、彼は全盲でありながら、ご自分でサイトを制作してしまうのです。
そして、「バリア・フリー・サイト」の作り方なども詳しく解説しているのです。
つまり、インターネットのバリアフリー (アクセシビリティ)を考えて、その必要性を社会に訴える・・・という活動を積極的にやっているようです。
その他にも、視覚障害者のPC利用に役立つ話題や、点字に関する情報などもコンセプトにしているようです。

また彼は、ある時 「MIDI 検定試験を受験したい」と思い立ち、「点字受験を認めて欲しい」という話しを持ちかけ、いくつかの困難な状況を苦心の末に解決して、結局それを実現してしまったのです。

それにピアノやギターを弾いたり、オリジナル曲をDTMで創って「プレイヤーズ王国」などにも音源をUPしていたり・・・
その他にも貴重なコンテンツがあります。
つまり、かなり「密度の濃いサイト作り」をしていると人と言えるでしょう。



私も色々なサイトを見ていますが、HP制作ソフトなどの影響で、「過度に装飾の多いサイト」をよく見かけます。
トップ・ページにフラッシュ映像や沢山の画像や音楽などを付けて重くなっているサイトがありますが、特に視覚障害者の方たちは、こういうサイトを好みません。
多分、管理人の方が光ケーブルを利用している為に、ご自分のサイトの重さに気が付かないからだとは思いますが・・・
私は「ADSL 50MB」を利用していますが、それでも重く感じます。

勿論、視覚障害者の方たちが嫌うのは、「重いサイトだから」という理由だけではありません。
特に画像に関しては、「Alt Tag」などを入れて、画像の内容が分かればまだ良いのですが・・・
内容の分からない画像や、何処にリンクされているのかが分からないような画像には、不安を感じるようです。

HP制作は個人の趣味ですから、どんなサイトでも構わないのですが、私は Kuyo さんのサイトのように、「表面は簡素でも、内容の濃いサイト」を好みます。
それで私も、そのようなサイト作りを心がけているつもりでしたが、それでも地域によっては、ISDNやダイヤル・アップの方たちもいて、重く感じるそうです。

そういう方たちは音楽をネットで聴かずに、一旦 PC に音楽ファイルなどをダウンロードしてから聴いているそうです。
この情報も、九州の山奥の谷間に住んでいる視覚障害者の方に教えられた事です。
その方も、「ネットを楽しんでいる人たちの中には、未だにダイヤル・アップの人たちもいるのだ・・・という事が盲点になっている」と指摘していましたが、私も全く気が付かずにいて反省してしまいました。



さて、Kuyo さんのサイトの「Q&A」のページに興味深いお話がありましたので、一つだけ引用させて頂こうと思います。

Q: 駅や町のどこかで、点字で書いてある案内板を見掛けます。
ところで目の見えない方は、本当にそれを利用しているんでしょうか?
もし利用しているのであれば、どうやってそれのある場所をみつけるのですか?
案内板の位置がわからなかったら利用できないんじゃないかと、私は考えるのです。

A: なかなか鋭いご指摘ですね。たしかにそのとおりです。
まず利用しているかどうかについてですが、場所が分かっているものは利用することがあります。
例えば駅の階段の手すりなどに「何番線」などと書かれているものがありますが、たいてい手すりの上に書いてあるので見つけやすいです。

しかしご指摘のとおり、場所が分からないものは、結局利用しない(というか、できない)ことも多いです。
あとでだれかに言われて「あ、そんなところに点字の案内板があったの?」と言うことも少なくありません。
ですから単に点字の案内板を設置するだけではなくて、例えばその位置まで点字ブロックを引いて誘導するようにするとか、何か場所が分かるようにする工夫も必要なようにも思います。

引用は以上です。
以前の私のエッセイ、「バリア・フリーについて・・・」でも指摘しておきましたが、障害者の為を思って行動する事は「善意」ではありますが、しかし障害者との「本音の会話が無い」という事が一番の問題点ではないかと思います。



さて、そんな訳で・・・
お時間のある方は、是非一度は Kuyo さんのサイトを見て頂きたいと思います。
私のサイトのリンク集にも追加しておきましたが、こちらのサイトです。

★ Kuyo's Home Page ★
コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« スパイ・ウェアをやっつけろ~! | トップ | 「日本クラシック音楽コンク... »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
HPのヴァリアフリー (mako)
2006-12-02 13:44:37
あらたさん、こんにちは。ご無沙汰しています。
HPからこのブログを見ています。
私も以前BBSを付けるのに視覚障害の方がいらして色々伺ったことがあります。
結局レンタルのでは難しいということになりました。

彼は読み上げるソフトを使っていて、背景や文字の色や大きさなどを言ってから読むらしいです。
チョットした記号やアイコンは殆ど分からないし、文章もソフトがかなり全体の中から判断して漢字などを読んでくれるそうですが時々とんでもない読み方をしたりするそうです。
「方」も「かた」か「ほう」か。
なるべく曖昧な漢字は使わず、いろいろに読める漢字はひらがなで書くのが一番とか、勉強になりました。

私の知っているかたで二人の人がご自分のHPを視覚障害者のためと両方作っています。
本当はそうしなければいけないのでしょうね。
私たちはつい自分が見えるので自己満足でHPを作ってしまいますが本当は情報発信ってそういうものではないというのがあらたさんの記事を読んで改めてよくわかりました。

ありがとうございました。

マコ
返信する
本音で語り合う事の大切さ・・・ (arata-tokyo-jp)
2006-12-03 12:19:36
マコさん、こんにちは。
エッセイを読んで頂き、コメントまでありがとうございます。

私は簡単HP2周年という事で、今までとは違うコンセプトで新サイトを作ろうと考えていました。
最初は気楽な気持ちで、ちょとした思い付きから、「視覚障害者の方たちも楽しめるバリア・フリー・サイトを目指して・・・」というコンセプトで作り始めましたが・・・
ある程度サイトを作ってから、視覚障害者の方たちにメールを送って「批判して欲しい」と頼んだのです。
それで視覚障害者の方たちが使っている「音声読み上げソフト」や「音声ブラウザ」というものを知りましたが、それと同時に自分のサイトが視覚障害者の方たちには全く役に立っていない事も分かり、急いで修正や削除をして改良しています。
それに最初は視覚障害者の方たちも遠慮して、「本音」では話してくれないのです。
視覚障害者の方たちの事を、ただ「お気の毒な方」とか「ガラス細工」に触れるようなお付合いをしていても、本音は出て来ないと思います。
企業などでは、障害者に対する「善意」だけではなく、「自社のイメージアップとPR」が含まれていますが、それは当然としても、やはりもっと「本音で語り合う」という事が大切だと思います。
返信する

コメントを投稿

エッセイ」カテゴリの最新記事