まずは3歳短距離重賞の葵S。勝ったのは、アイルハヴアナザー産駒ウインマーベル。好スタートから中団待機で脚を溜める選択。前半3ハロンが33秒2と速いペースだったので、結果としてこの判断が勝因。直線に入ると、残り200mのところで先頭に立って、後続を2馬身1/2差をつけて圧勝。勝ち時計は1分8秒2。3歳短距離路線のトップに立ちました。2着は、勝ち馬とほぼ同じ位置から差してきたシルバーステート産駒コムストックロード、3着も中団から差してきたアメリカンペイトリオット産駒プレスレスリー。
次は伝統のGⅡ、目黒記念。勝ったのは、キングカメハメハ産駒ボッケリーニ。好スタートから3番手追走へ。逃げたゴールドシップ産駒ウインキートスは、前半1000mを1分2秒5のスローペースへ落とします。ウインキートスは直線に入っても粘って押し切りを狙いますが、ボッケリーニが残り200mのところで捉えて、そのまま後続を寄せ付けず、3/4馬身差で勝利。勝ちタイムは2分32秒1。2着は8番手から差してきたマイネルウィルトス、3着は逃げたウインキートス、差のない4着には最後方から追い込んできたオルフェーヴル産駒ディアマンミノル。
勝ったボッケリーニは重賞2勝目。安定した成績の中、ハンデ頭もなんのその、見事な勝利。2200~3000mの長丁場では絶対的な信頼感を寄せられる存在だと思います。
そして日本ダービー。勝ったのは、ハーツクライ産駒ドウデュース。朝日杯FS勝ち馬がダービーに勝ったのは、あのナリタブライアン以来だそうです。武豊騎手はダービー6勝目、友道調教師もダービー3勝目。ハーツクライ産駒のダービー制覇は、ワンアンドオンリー以来の2頭目。馬の状態がまず第一条件でしょうが、秋は宣言通りに、欧州遠征になるのだと思います。大変楽しみです。
スタートはいつも通りで、位置取りは後方待機という選択になりました。逃げたデシエルトのペースは前半1000mを58秒9でしたので、流れる展開になりました。これもドウデュースには幸運でした。直線に入ると、まず2番手からディープインパクト産駒アスクビクターモアが先頭に立って、そのまま押し切りに入ります。しかし、後方から、ドウデュースとキタサンブラック産駒イクイノックス、ドレフォン産駒ジオグリフ、ディープインパクト産駒キラーアビリティが鋭く伸びてきます。その中でも、ドウデュースとイクイノックスが早めにアスクビクターモアを交わして、叩き合いになり、ドウデュースがクビ差だけ前に出たところがゴール。勝ちタイムはダービーレコードの2分21秒9。
2着のイクイノックスは、皐月賞に続いて惜しい2着。ドウデュースが凱旋門賞に行くのであれば、秋の菊花賞はこの馬が主役になりそう。3着のアスクビクターモアは、上位馬が殆ど後方からの差し馬なのに、唯一先行馬からの入着でしたから強い内容でした。惜しむらくは、先頭に立った時にスピードを緩めずに、そのまま前進すべきだったこと。1着2着の馬をもう少し焦らすことが出来たと思います。4着のダノンベルーガは勝ち馬と同じ位置から追い込みましたが、ゴール前100mで脚がなくなりました。距離の限界かもしれません。5着プラダリアも6番手から粘りでしたので、強い内容でした。6着のキラーアビリティは、今回は力を出せた内容。でも、距離は少し長かった。
総じて、レベルの高い、非常に良いダービーでした。参加した全ての馬たちが、今後も怪我無く、秋へ向けてさらに成長することを祈りたいと思います。