まずは札幌2歳S。勝ったのは、デクラレーションオブウォー産駒セットアップ。好スタートからマイペースの逃げへ。前半1000mのラップは1分2秒1で、荒れた今の札幌の芝としては流れる展開に。直線に入るとスピードを加速、後続を突き放してそのまま4馬身差で圧勝。稍重の勝ちタイムは1分50秒5。2着には、2番手からスワーヴリチャード産駒パワーホール、3馬身1/2差の3着には、3番手からキズナ産駒ギャンブルルーム。
勝ったセットアップは、函館の新馬戦を逃げて2着のあと、札幌の未勝利戦を逃げ切り勝ち。重賞のここでも、逃げ切り勝ちで、競馬のスタイルが出来上がっています。かなり荒れた馬場でしたので、馬場適性が高かったことも勝因。いずれにしても、次は12月の朝日杯FSか、ホープフルSになるでしょう。鞍上の横山武騎手は「マイラーの気がする」という見解なので、朝日杯が有力となりそう。
2着パワーホールも荒れた馬場は得意そう。もちろん、地力の高さが2着となった要因ですので、次も楽しみ。3着ギャンブルルームは、逆に悪い馬場に脚を取られていたので、出来れば良い馬場で走る方が良さそう。それでも3着を確保しておるので、秋の重賞路線で期待できる内容でした。
次は小倉2歳S。勝ったのは、ロードカナロア産駒アスクワンタイム。後方待機で脚を溜めます。逃げたドナヴィーナスの前半3ハロンのラップは33秒2とハイペースに。直線に入るとまず、3番手からパゴ産駒キャンシーエンゼルが先頭に立ちますが、すぐにその外から、モーリス産駒ミルテンベルクとアスクワンタイムの2頭がこれを交わし抜け出して、アスクワンタイムがアタマ差だけ前に出たところがゴール。良の勝ちタイムは1分8秒6。2着ミルテンベルクから1馬身1/2差の3着にキャンシーエンゼル、クビ差の4着にはビッグドリーム。
勝ったアスクワンタイムは、スタートが得意ではなく、このレースでも後手を踏んで後方から。しかし、前のペースが速すぎたこともあって、後方からの鮮やかな勝利に繋がりました。マイルくらいまで距離を伸ばした方が、更なる活躍に繋がる気がします。
2着のミルテンベルクは惜しい2着。この馬はスタートに難はないので、短距離路線でも問題ないと思いますが、今回は勝ち馬の切れ味に敗れました。3着のキャンシーエンゼルは、逆にスタートが良すぎて、途中まで逃げ馬と競ったことが、ラストの伸びを欠く原因になりました。2着馬3着馬ともに、次が楽しみであります。
そして新潟記念。勝ったのは、モーリス産駒の3歳牡馬ノッキングポイント。好スタートから5番手追走へ。逃げたフラーズダルムの前半1000mのラップは1分0秒6で、パンパンの新潟芝としてはややスローペースに。直線に入ると、逃げたフラーズダルムの内からノッキングポイントが早めに抜け出して、そのまま押し切りを図ります。最内からキズナ産駒インプレス、大外からはキングカメハメハ産駒ユーキャンスマイルの2頭が迫ってきますが、これに1馬身差をつけて快勝。良の勝ちタイムは1分59秒0。2着にはユーキャンスマイル、クビ差の3着にインプレス、1/2馬身差の4着にはディープインパクト産駒プラダリア。
勝ったノッキングポイントは、これが重賞初勝利。3歳牡馬が新潟記念を勝ったのは、5年前のブラストワンピース以来ですので、このあとのGⅠ路線での活躍が期待されます。スローの瞬発力勝負になったため、まず5番手という好位置が取れたことが勝因。
2着ユーキャンスマイルは、4年前の新潟記念の勝ち馬で昨年も2着。このコースと夏場の相性が良いのでしょう。3着インプレスは、内埒際を上手く突いた菅原明騎手のファイン騎乗が光りました。
1番人気のサリエラは、出遅れて後方待機となったことと、直線で前が開かなかったことが敗因。ここは参考外で良いと思います。それにしても、次はどこを使うのでしょうか。府中牝馬Sだと間隔が足りない気がしますし、エリザベス女王杯直行だと出走権が得られないリスクがあります。陣営にとっては、何とも口惜しい結果となりました。