まずは京都の若駒S(L)。勝ったのは、キズナ産駒サンライズジパング。後方待機で脚を溜めます。逃げたエピファネイア産駒ミカエルパシャの前半1000mのラップは1分1秒7と、重馬場では淀みのない流れに。直線に入ると、ミカエルパシャがそのまま押し切りを図ります。それを追いかけて、大外からサンライズジパングが豪快に追込み、ゴール手前で交わしてそのまま1馬身3/4差をつけて完勝。重馬場の勝ちタイムは2分2秒8。2着ミカエルパシャから2馬身差の3着には、6番手から差してきたリオンディーズ産駒ブエナオンダ。
勝ったサンライズジパングは、さすがホープフルS3着の実績馬という鮮やかな差し切り勝ち。仕掛けてからの反応が悪くヒヤヒヤさせましたが、スピードが乗ってからは明らかに役者が違いました。長く良い脚が使えるタイプなので、クラシックに向けて楽しみな存在。距離も伸びてさらに良しだと思います。
2着ミカエルパシャは惜しいレースでしたが、今日のところは勝ち馬が強すぎました。次走も楽しみ。3着ブエナオンダも同様で、今日は相手が悪すぎました。
次はダートGⅡ東海S。勝ったのは、ミッキーアイル産駒の6歳牡馬ウィリアムバローズ。好スタートから2番手追走へ。逃げたバビットの前半1000mのラップは1分1秒1で流れるペースに。直線に入ると、ウィリアムバローズとロゴタイプ産駒オメガギネスの2頭が先頭に立ち、激しい競り合いが続きます。ゴール手前でウィリアムバローズが競り合いを制して1馬身差で快勝。ダート重の勝ちタイムは1分49秒2。2着オメガギネスから1馬身1/2差の3着には、3番手からハーツクライ産駒ヴィクティファルス、さらにクビ差の4着には、8番手から差してきたホッコータルマエ産駒ブライアンセンス。
ウィリアムバローズは、これが嬉しい重賞初勝利。父ミッキーアイル産駒は、牝馬では重賞勝ちがあるものの、牡馬では初の重賞制覇となりました。本番フェブラリーSは、今年は有力馬がサウジCへ行くため、ウィリアムバローズにとってはGⅠ制覇の絶好のチャンスになりそう。
2着の1番人気オメガギネスは、前半に行きたがって力んだ分、ラストの伸びがありませんでした。ただ、本番フェブラリーSは府中ダート1600mですから、オメガギネスにとっては得意の舞台。本番での巻返しの可能性は十分にあります。3着ヴィクティファルスは、ダート適性の高さをここでも示すことになりましたが、1着2着とは地力の差が出た感あり。むしろ、4着のブライアンセンスは、今日は展開が向かなかった分、本番に出走することが叶えば、面白い存在になりそう。
そして中山のAJCC。勝ったのは、6歳騙馬のハーツクライ産駒チェックネイト。好スタートから2番手追走へ。逃げたスクリーンヒーロー産駒マイネルウィルトスの前半1000mのラップは1分2秒2と不良馬場としては淀みのない厳しいペースに。直線に入ると、逃げ粘るマイネルウィルトスを大外からキングカメハメハ産駒ボッケリーニが交わして先頭に立ちます。そのすぐ内側からチェックメイトが並びかけて、ゴール手前でハナ差だけ前に出て勝利。不良の勝ちタイムは2分16秒6。2着ボッケリーニから1馬身1/4差の3着には、最内を突いたロードカナロア産駒クロミナンス、さらにアタマ差の4着には、最後方から追い込んできたエピファネイア産駒モリアーナ、クビ差の5着が逃げたマイネルウィルトス。
勝ったチェックネイトは、嬉しい重賞初勝利。4コーナーでは、一度ボッケリーニに置いていかれたにも関わらず、そこから挽回して差し返しました。切れ味はありませんが、類稀なるスタミナの勝利と言えます。なお、レイチェル・キング騎手にとってもJRA重賞初勝利となりました。
2着ボッケリーニは地力を見せてくれはしたものの、さすがに8歳となり、ラストはスタミナ切れとなりました。3着クロミナンスはCルメール騎手の選んだコースが素晴らしかった。一方、一番強い内容だったのが、この消耗戦を最後方から追い込んで4着に入ったモリアーナ。この馬は、やはり良馬場で見直したいと思います。