ムカデとことこ

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「つながり」の進化生物学

2013-03-17 10:40:00 | 新聞を読んで
今朝の毎日新聞の書評欄にこの本のことが載っていた。

見出しは、「生物の行動から導き出す「こころ」の効用仮説」。

著者は岡ノ谷一夫さんという人。動物行動学の立場から、

「こころ」あるということの意味を生徒に考えさせようと様々な事例と現象を紹介していく内容らしい。

書評してるのは村上陽一郎さんという人。

「著者の一つの結論はこうである。生物のもろもろの行動を見ていくと、

進化の過程で、他者に『こころ』があるという前提で社会生活をやっていく方が

明らかに適応度が高まる。

そのことは自分の『こころ』の問題を切り離して

はっきりとさせることが出来るはずだ。

この考え方は「こころ」の効用仮説とでも名付けるべき興味在る性質のものである」

・・という一節があった。

他者に『こころ』があるという前提で社会生活をやっていく方が適応度が高まる・・

それはそうだろうな、と思う。

他者に『こころ』が在ると観るのは自分の『こころ』だしね。

そういう生物が他という環境である他の生物と適応でき、

進化できたということなんだろうなぁ。

他とのやり取り、相互作用で宇宙はなっているし、それで進化しているのだろうから。


見ず知らずの隣の生徒がどんな人か、生徒に他者紹介させるという経験をさせて、

「こころ」は外見と振る舞いを生み出すもの、ということを

生徒に気づかせたいというのが著者にはあるんじゃないか、みたいな文章もあった。


デカルトの「心は機械の中の幽霊に過ぎない」という見方から、

山川草木一切が「こころ」あると考えるアニミズムまで、

「こころ」を巡っての議論は果てしなく続いている・・・

これもあった一節だけど、果てしなく続いている、ということは

まだまだ明らかになっていない、ということの表れだね~

お楽しみはまだまだ続く。


「アニミズム」って広辞苑では、

「自然界のあらゆる事物は、具体的な形象を持つと同時に、

それぞれ固有の霊魂や精霊などの霊的存在を有するとみなし、

諸現象はその意思や働きによるものと見なす信仰。」


「信仰」と聞いただけで、すぐそれを無視したがるのは戦後の教育のせいなんだろうかね~

原始時代、いろんな情報など無い頃、

学問も発達して無い頃、在るのは自分の直感・直観・感じることだけ。

それを基にするのはかなり確かなものだろう。

自分の外部である情報などに振り回される現代人より、

そういうもののなかった頃はそれらに邪魔されず、

ずっと豊かな感性だったのかと思う。







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