ムカデとことこ

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古い事の記

2013-03-02 10:14:14 | 本を読んで
日本の神話はちょっと知っている位でほとんど知らない。

天照大神が天岩戸に隠れて、世界が暗くなったので出てくれるように

八百万の神々が相談しアメノウズメノ命が陰部を出して踊ると、

八百万の神たちは大笑いした。

すると何かと思って天照大神が岩戸から出てきて世界は再び明るくなった、

とか、あとは山彦海彦のはなし、大国主命が因幡の白兎を助けた、とか

その位しか知らなかった。

先週の毎日新聞の日曜版に「神宮とおおやしろ 日本の現像を探る」があった。

それに神話の解読についてこうあった。

県立出雲古代歴史博物館の専門学芸員、曰く・・

「神話はものごとの由来を示すもの。『それは神さまがこうお決めになった』と。

歴史を語るのではなく、道理や由来を語るのです」

もう一人、同県古代文化研究センター、客員研究員は

記紀に描かれているいることが当時の人にとって歴史なのか、神話なのか、

それが大切です。真ん中くらいの位置で生きていたと思います。

歴史から神話がつくられるという一方的な関係ではなく、

神話から歴史がつくられる。

そういう観点が大事でしょう」と。

これを読んでから古事記の解釈本の一つを読んだ。

それにこんな内容があった。

日本の神話には古代の日本人の価値観、世界観が反映されている。

日本の神話は外国の神話と全く違って、WIN、WINの世界で、

物事を何でも二元化して対立させ、片方をひっくり返そうとする、

その繰り返しが歴史であるという不幸な革命史観と全く違う。

二元化による怨念と復讐の論理を癒してくれるものがあるとするなら古事記の世界。

国譲りという出来事が示しているのは両者納得して、

WIN、WINの関係を結んだ、そのこと。


それともう一つ、凄く印象的だったのは、

天照大神も弟のスサノオノミコトも大国主神も、

古事記の物語の中で何か事があるたびに成長していくことだった。

弟であるスサノオノミコトの行為を天照大神が誤解して、酷い仕打ちをしたら、

弟が怒って暴れたことでも、そのことで天照大神は精神的に成長する。

そういう神々が未完成から完成への道を歩む物語だった。

そして又、古事記という物語は最初は神々の物語としてスタートしていても、

最後には人こそが地上統治を成就するという構想を示している。

こういう神話は他の神話を見ても例がないそうだ。

根本的に違うらしい。


この本を読んでみてよかった。

古事記の解釈は他にいろいろあるのかもしれないけど、

中からこれを選んだという私、でいいことにする。









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