ムカデとことこ

 ひとが幸福になること・意識の成りたち・物理と心理を繋ぐ道
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二つの愛

2011-12-15 09:28:42 | ひとの幸福
愛は二種類あるらしい。

エロスとアガペーの二つ。

簡単にいえばエロスとは見返りを求める愛。

アガペーは見返りを求めない愛。

エロスという名前でも、性愛に限らない。

これをしたのだから、こういうお礼があって当然という心理は、

そういう意味でエロス的といえる。

例えば、重い荷物を持っている老人を見ると、

つい、それを手伝いたいと思う。

そして老人に声をかけ、それをする。

そうしているときは何故かいい気分である。

嫌な気分ということはない。

嫌な気分になりそうな場合は多分最初から声をかけない。

その荷物を老人に戻した時、

老人のお礼の仕方が気に入らないと言って怒る人がこの世にはいる。

その行為をしている時は、ただ無心にしていたんだろ。

けど、その後の相手の言動を見て、

感謝の仕方が足り無いとか、

お礼の言葉も無いという思いが出たとたん、

腹が立って来るというわけだ。

その時点でその愛はエロスになる。

大方の世論も「ありがとう」と感謝するのが当然であると、

そのひとに大いなる味方をする。

堂々とその事件を披露するという展開になる人もある。


手伝って貰ったら有り難いと思って、

ありがとうと言う人が多いと思うし、私もそう思うし、そう言うことが多い。

けど、手伝いをするのもしないのもそのひとの自由であり、

その自由の中から、手伝うということをよくぞ選択してくださった、

そのことが有り難いと思うので、有難うという言葉がある。

有ることが難しいので、「有難う」


小さな子供は親から意識的にしつけられなかったら、

お礼なんて言わない。それは自然だ。

何かをするというそのこと自体が楽しい、

ということを子供はよく知っているから。


生まれたばかりの我が子に、

乳を含ませてやっているのに感謝が無いといって怒る人は多分いない。

こういう母の愛はアガペーなんだろうな。


アガペーは別名「神の愛」といわれるらしい。

だから、こうしないと天国に行かれない、と脅迫するのは、

神の愛に逆らうことなんじゃないかな。