ムカデとことこ

 ひとが幸福になること・意識の成りたち・物理と心理を繋ぐ道
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「さようなら」②

2012-02-25 11:49:33 | 本を読んで
その本にこういう引用があった。

紹介したくて書くね。

アン・リンドバーグ(1906~2001)というアメリカの女性飛行機乗りで、

後に紀行作家になった人だそうなんだけど、

その人が日本に降り立った際に、「サヨナラ」という、

その人には意味のわからない別れ言葉をたくさん聞いて、

そのことについて、彼女はこう書いている。


「サヨナラ」を文字通りに訳すと、

「そうならなければならないなら」という意味だという。

これまでに耳にした別れの言葉のうちで、

このように美しい言葉をわたしは知らない。

ドイツ語、フランス語、英語の別れの言葉のように

別れの痛みを再会の希望によって紛らそうという試みを

「サヨナラ」はしない。

目をしばたたいて涙を健気に抑えて告げるFarewell(うまくやっていって)のように、

別離の苦い味わいを避けてもいない。

Good-by(語源は God be with you(神があなたと共にいますように))のように、

言い過ぎてもいない。

日本語以外の別れの言葉は、励ましであり、戒めであり、

希望、また信頼の表現であるが、

しかし、それは「その瞬間自体のもつ意味を見落としている。

別れそのものについては何も語っていない。

「サヨナラ」は言い過ぎもしなければ、言い足りなくもない。

それは事実をあるがままに受け入れている。

人生の理解のすべてがその4音のうちにこもっている。

凡ての感情がそのうちに埋み火のようにこもっているが、

それ自体は何も語らない。

言葉にしないGood-byであり、

心をこめて手を握る温かさなのだー「サヨナラ」は。

その瞬間の感情は隠され、ごくわずかのことしか表現されていない」


素敵でしょう?



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