Der König Hat Eselsohren

München(3)

ふと目が覚めると、バスが停車している。
時間を確かめると5時過ぎだ。
まさか、もうミュンヘンに着いた?
いやいや、電車でも4時間以上掛かるんだ。
3時間ほどで着くってことはないだろう。

辺りの様子をうかがってみても、どのベッドのカーテンも閉まったまま。
みんな寝ている気配だ。
もう一眠りしよう。


次にバスが停まったのは8時過ぎだ。

カーテンをわずかに開けてみると、誰かが荷物を手に降りていくのが見える。
顔は見えないが、背格好からするとPeterかな。
家の近くに着いたようだ。
ということは、あとわずかだな。
外の気配がわかりやすいように、念のため5センチくらいカーテンを開けておく。

再び走り出したバスが、しばらくするとまた停まった。

でも、周りで起き出す気配がなく、しばらくしてドアが閉まる。

今度はRüdeが降りたのかも。

あとちょっと、ということはわかるのだが、どれくらいなのかがわからない。
起き上がっているだけの場所がなく、寝転がっているせいで、いつの間にかうとうと…。

「もうすぐ着くよ。」

誰かが起こしに来た。
誰だかわからないが、とりあえず足だけが見えた(笑)

バスが停まったと思ったら、下の方からガコン、ガコン、と物音がし始めた。
荷物か何かを運び出してる?

あっという間に、周りのベッドは全部、もぬけの殻だ。

これはあんまり時間がなさそうだな。
急いで着替えつつ、これはもう悠長に顔なんか洗ってられないぞ、と判断し、そのままコンタクトをはめて、ざっと最低限のメイクをし、荷物をまとめる。
幸いなことに、髪に寝癖はついてないようだし(笑)

荷物を持って降りていくと、個人の荷物はまだ、そこら中に散らばったまま。

みんな、バスの後部の収納と、後ろに引っ張っているコンテナから、機材を運び出しているところだ。


それにしても、ここはどこだ?

通りの名前は見たことがない。
っつっても、普段、通りの名前なんてあんまり意識してないんだけどf(^_^;

近くに建ってる教会も、見覚えがあるような、ないような…。

一番可能性が高いのは、事務所のあるところ。
ここが事務所のある通りだとしたら、少なくともSendlingar Torから歩いてこられる場所なんだよな。
でも、Rüdeに連れてきてもらったときの記憶を頼りに、自分で来てみたときには、見つけられなかった。

スタッフのみんなが機材をガラガラと押していくのについて行ってみると、通りの先の方に、見覚えのある黄色い建物が見えた。
みんな、その建物の中庭にある、小さなガレージに機材を運び入れている。

やっぱり、ここか。

建物の入り口のところをよくよく見ると、下の方に並んでいるボタンのところに、事務所の名前とMarcの名前が書かれていた。


が、さらにその先の角まで行っても、いったいどっちの方角に行ったら、どこに出るのやら?
その角のレストランにも、見覚えあるような、ないような…f(^_^;


とにかく、訊いてみるしかないし、まずは機材を運び終わる前に、自分の荷物をバスから降ろしておいた方がいいだろう。

スタッフに混じって、運転手のおじさんも、機材運びを手伝っているらしい。
「Morgen!」と挨拶すると、今日はちょっとにっこりしてくれた。
よ、よかった~!


バスに戻って、荷物を手に出てくると、ジョギングか何かで通りがかったらしい女性が、これは何?と尋ねているらしい。
「Sportfreunde Stillerだよ」
と返事しているのが聞こえる。


機材はあらかた運び終わったしいので、どうしたもんかとおもっていたら、Floが現れた。
Floは最後まで残って、機材の片付けまでしていたらしい。
向こうから、「どこまで帰るんだ?」と訊いてくれたので、Hauptbahnhofまで行きたい答えると、地下鉄で途中まで行ってくれることになった。
他の2人のスタッフと総勢4人。

「今日はこれから何するんだ?」
「う~ん、ピナコテーケンに行こうかな。Pinakothek der Moderneがいいかな。日曜は入場料が1Euroだから、こっちに来ると日曜はいつも行ってるよ。」
「Alteは?」
「Alteはいいけど、いつもおんなじような感じだから。」
「Neueも同じ?」
「たぶん(笑)」

本来なら、今日は宿をチェックアウトしてから、Eschwegeをぷらぷらする予定だった(笑)
ところが予定が変わってしまい、どうしようかと昨日から考えていたのだ。
日曜だから、当然買い物はできないし。
かといって、もし万一ライブにすら行けなかった場合に、と考えていたZugspitzeに行くんだとちょっと大変(笑)
やはり日曜の鉄板・ピナコテーケンかな、と。

Floの後についていくと、思ったより近くに、地下鉄の駅が現れた。
Frauenhoferstraße。
初めてだな、この駅。
でも書かれている番号からすると、Hauptbahnhofまで1本だ。
つーか、すぐなのでKurzstreckeでもいいのだが、今日のこの後の予定を考えて、1日券を買う。

ホームに降りていくと、Floは逆方向の電車だという。
ここでお別れだ。

「秋に来るんだろ?」
「うん、そのつもり」
「じゃ、11月に」

う~ん、これだけ秋に来る来ると言っちゃっただけに、来られるように頑張ろう。
当初の予定よりも、あれこれ状況が変わっちゃった部分はあるけど。

そして、そのときには!
今回よりも絶対にドイツ語しゃべれるように、頑張るぞ!!

…って、毎回そんなこと言ってないか?f(^_^;

いや、でも、これまでと違って、次がハッキリとわかっている以上、気合い入れるでしょう、間違いなく。



あとの2人のスタッフともHauptbahnhofで別れる。


さて、と。

時刻は10時ちょっと前。
今からだったら、美術館も開くだろう。

さすがに、ホテルに大きい方の荷物を預けに行くのは気が引けるので(笑)、コインロッカーに入れようとしたが、小銭が足りない。
両替機を使おうとしたが、動かない!!(ノД`)

もういいよ。
荷物持って行くから。
どうせ美術館で預ければすむことだし、そしたらタダだし。

ということで、100番の美術館バスに乗って、ピナコテーケンへ。

だが、モデルネの周りがあまりにもひっそりしすぎている。
ポスターなんかはちゃんと出てるのに。

近づいていって見ると、今の期間、特別にイベントを外でやっていて、それが入場無料の代わりに、開場が12時らしい。

ちっ。
やられたぜ。

ノイエもパリをテーマにした特別展をやってるらしく、ポスターが出ていたのだが、どうも食指が動かない。
だったらブラントホーストかな?

入り口前まで行ってみたが、何となく気が乗らない。


そうだ!
まずは何か食べよう!
すぐ近くにFrühstückがめちゃくちゃ充実しているカフェがあったはず!

なにぶん、かつての近所なので、そういうことはよくわかる(笑)

行ってみたら、日曜の午前中だからか、外のテーブルは全部埋まってる!
まだ10時なのに。
つか、ま、「朝食」だからね(笑)

もう、陽には昨日当たりまくったから、中のテーブルの方がむしろありがたいのだが、中のテーブルもいくつかは予約が入ってる!Σ( ̄□ ̄;
すげえな!

残念ながら、かつてメニューにあった「Sekt Frühstück(スパークリングワインの朝食)」はなくなっていた(笑)のと、フレンチトーストの文字に惹かれてアメリカンというのを頼んだけれど、まさにフレンチトーストに気をとられすぎて、野菜も果物も一切ないのが出てきちゃったんで、改めてオレンジジュースを追加。

で、さすがにここではスマホも繋がるだろう、と思ってみてみると、ミュンヘンだというのに繋がらない?!

これはさすがにおかしいよ。

あれこれやってみても繋がらない。
かくなる上は。

電源を切ってみる。

で、入れ直してみる。





…あっさり繋がりましたorz

そ、それだけのことだったの~?!

ま、いいや。
その分、料金トクしたから(笑)



ゆっくりと朝食をとった後、やはりブラントホーストへ。

2階と地下は、前回来たときとだいたい同じだけれど、1階は特別展以外の常設のところも、ちょっと入れ替わっている。
相変わらず、現代美術はよくわからないのだが(笑)、でも見ていて解放される感じが好きだ。
とにかく時間はたっぷりある。
「最後の晩餐」のキリストの顔だけをだーーーーっっっと並べたウォーホルの作品の前に座って、じっくり見続けてたらゲシュタルト崩壊でも起きないかな?とか(笑)

そして、たっぷりと居座り、ホテルにチェックインできる14時に近くなったところで、美術館を出る。
天気が良い上に、今日はちょっと気温も高い。
早くホテルでシャワーを浴びたい。


ホテルにチェックインすると、また同じ部屋だそうだ。
しかもスーツケースはもう、部屋に置いてあるって!(゜∀゜)
3つ星ホテルなのに、サービス良すぎですって(笑)

ただひとつ、気がかりなことがある。

水曜日に着いたときにはまったく気にならなかったのだが、木曜日の晩、シャワーを浴びようとしたら、浴槽にためる方になっていて。
シャワーに切り替えようとして、どこをどうしたら切り替えられるのかわからなかったのだ(笑)

う~ん、長いことこのホテルに泊まってるんですけどf(^_^;
今までそれで迷ったことがなかったから、今まで泊まった部屋はすぐわかるような代物だったはずだ。

でも、どこをどうしても、シャワーに切り替える方法がわからず、結局、木曜の晩は、浴槽にお湯を張って、まるで行水のようにつかったのでした(笑)

しか~し!

今はどうしてもしっかり頭を洗いたいから、シャワーになっててくれないと困る。
あとの日は、また行水でもいいから(笑)

さぁ!
吉と出るか、凶と出るか?

祈るような気持ちで蛇口をひねると。


シャワーでした♪

やっほー!!


自分自身だけじゃなく、この3日間で着ていたTシャツから下着から、とにかく洗えるものは全部洗って、スッキリ♪

荷物もだいたい片付いたところで、さて、これからどうしよう?
時刻はまだ、15時半過ぎ。


じゃ、Rüdeが話していた、動物園の辺りにでも行ってみる?
動物園も、今の時期は18時まで開いてるみたいだし。

今日は気温もそこそこ高いし、なんと言っても、3日間履き続けたスニーカーは微妙にじめっとしてるので(笑)、涼しくサンダルに履き替えてGO!


最寄り駅のThalkirchenはU3なので、このホテルからでは、Sendlinger Torの駅に行った方が早い。

Thalkirchenの駅で降りると、まだ動物園の閉園時間まで余裕があるせいか、かなり沢山の家族連れが降りていた。
さすがは夏休み~♪

が。

サーフィンやってるのは動物園のところ、としか聞いてなかったんで、ここからどう行ったらいいのかわからないf(^_^;
とりあえず動物園の方に行ってみるか!

駅からすぐ、川を越えていったところが動物園だ。
橋の上から眺める川の風景は、広々~♪



とても気持ちのいい眺めだ。
でも、この広くてゆったりとした川の流れでは、とうていサーフィンなんかやってそうにない(笑)
しかも、遠くまで、橋もないくらいだし…f(^_^;


とりあえず動物園の前まで行ってみると、入園料が14Euroもする…orz
高すぎるよ!!
別にここで見なきゃならない動物もいないだろうし!!(笑)

じゃ、河原の方でもぶらついてみるかね。


河原では、みんなBBQコンロを置いたりして、なんだか楽しそうだ。
河原沿いをずっと行くと、やがて森へと分け入る散歩道のようになっている。
しかも、歩行者用と、自転車用。
森の中へと上っていく人も結構いる。

でも、森の中よりも、橋を渡った向こうに興味がわいたので、橋を渡り、さらにその向こうへ。

どうやら、橋を渡った先は川の中州だったらしく、その向こうにさらに川が流れていた。
しかもそこは。



Isarの川下りの筏が到着する地点では?!f(^_^;

しばらくすると、また筏がやってくる。



その向こうに見える橋…もしや、あれか?!


近づいていって見ると、やはりそうだ!
サーフボードを持った人が何人か。

しかも、ここだけ急に川幅が狭くなり、また勾配もついているので、どうやら観光筏の最後の山場もここらしい(笑)





残念ながら、今日は、TVで見るほど凄腕のサーファーはいなかった。






でも、それはそれで、見ていて飽きない(笑)
すぐそばに、ここでサーフィンするのは危険、という看板が出ているが、日本だったら直ちに「禁止」になっちゃいそうなところ、「自己責任で」っぽいことが書かれている。
この辺の感覚はいいな。

しかもここ、観光筏以外にも、カヌーの集団が来たり、浮き輪くらいの大きさの一人用ゴムボートに乗った子供たちの集団が来たり、とみんな揃ってチャレンジしに来る場所らしい(笑)
次から次へと、上流からも色んなのがやってくる。
そのたびに歓声が上がったりして、見ている側も長っ尻で楽しんでいる。
すぐそばの芝生もとてもきれいだし、ここでのんびり過ごすのは気持ちいいだろうなぁ。


5時半を過ぎ、日はまだまだ高いながらも、ここはさらにうっそうとした森に囲まれているので、それに日差しが阻まれるようになると、結構気温が下がってきた。
まぁ、水辺だし。
今日はそこそこ暑いのだけれど、ここはかなり涼しくなってきた。

で、駅を目指して歩き出したものの、これが思ったより遠い。
ずいぶんと長い距離を歩いてきてしまったようだ。
駅に着いたのは6時過ぎ。
ちょうど閉園時間になった動物園から帰ってくる人たちで、駅のホームは結構混んでいる。
そりゃそうだな。
ベビーカーを押した家族連れなんかがいっぱいいるんだから、なおさら混みますよ(笑)

夕飯を食べるには、まだちょっと早い?と思ったので、Sendlinger Torで降りて、そこから北へ向かってぷらぷら。

そして今日は、珍しくZum Franzikanerで夕食。
なぜならここでWeißbierが飲みたかったから(笑)
料理がいまいちなのはわかってるんで、せめても、とPfiferlingeの料理を頼むも、やっぱりいまいち…f(^_^;

ま、しょうがないっす。
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