A&K の NOTES

あちこちスケッチ行脚 。映画館で映画を見ることが楽しみ。いつか何処かでお会いしましょう。

サイボーグでも大丈夫

2017-07-14 | chinema(アジア系映画)

映画を観た。

★サイボーグでも大丈夫

精神病院の中、何かの原因でおかしくなった人たちの可笑しくて、不気味で、可愛い物語。はじめは普通でない感覚についていけなくて、脳がぎしぎしきしむ。患者たちの内面を幻想的にシュール的に表現。病院内の色彩もパステルカラーで統一され映像が美しく童話の世界のようでもある。あまりにも発想が奇想天外であり美しすぎる。これはやはり鬼才と言うべきか。

物語の進行につれ、自分自身もすこしづつ癒されていくことに気がつく。そしてラストシーンで何かが抜けていく。

でもやっぱり、見終えて、
妙なモノを見たなと微妙な思いが残る。
こりゃ、変だよ。
虚構の世界が創りだされて、
そこにマジで生きている。

 

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夜の上海

2017-07-13 | chinema(アジア系映画)

映画を観た。

★夜の上海
監督:チャン・イーバイ
キャスト:本木雅弘、ヴィッキー・チャオ、他
2007/日本・中国合作映画

日中それぞれが《互恵関係の発展》とうたい、
良好な関係姓を探っていた頃の作品。

夜の上海が輝いている。
監督は「アバウトラブ」のチャン・イーバイさん。
ちょっとブスっぽく、ちょっとおてんばっぽく、でもものすごく素直でかわいっぽい女の子をヴィッキー・チャオさんが魅力たっぷりに表現している。
女の子のかわいさ、ドキドキ感たっぷり。
目が大きく口が大きく、表情豊かで、知性的。どんな役でもこなせそうだ。
この子は大成するね。「少林サッカー」見ておくんだった。DVD借りてこよう。
本木雅弘さんのシャイな演技とかわいいヴィッキー・チャオさんに夜のネオン輝く上海。
現実の上海の街とは違うけど映画がものすごく御洒落になった。
他の日本人俳優の存在が野暮ったく見えるのは残念。
中国人俳優はお見事に輝いている。
中国人スタッフの多い日中合作映画。

「私を愛していますか」と中国女優に言わせて終わるシーンがこの映画最大の魅せ場。
日中関係の友好的雰囲気を演出している。
「コミニュケーション」をテーマにしている。

国と国との関係は
時の権力者の考え方一つで色々変わる。



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夢遊ハワイ

2017-07-10 | chinema(アジア系映画)

映画を観た。

★夢遊ハワイ
監督:シュー・フーチュン
出演:トニー・ヤン、ホァン・ホンセン、チャン・チュンニン、ホァン・タイアン
2004/台湾

ゆっくりと流れる時間の中で、どこか懐かしい気持ちにさせてくれる台湾映画である。この作品の全編に漂うのはゆるやかな心地よいリラックス感だ。私が持つ台湾へのイメージを心地よく表現してくれている。

徴兵制という厳しい現実社会にあって、若者が抱える混沌とした未来に対するほろ苦い不安を、さりげなく自然にありのままに、さわやかな海風とともに映し出されている。
現実を見つめる眼差しがやさしい。

若手俳優の生き生きした自然な表情を引き出すことに成功したのはシュー・フーチェン監督。
監督デビュー作品ということ。台湾映画の醸し出しているノスタルジーな部分と柔らかい眼差しをうまく引き継いでいるのかなと思った。

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ペルシャ猫を誰も知らない

2017-07-07 | chinema(アジア系映画)

映画を観た。

★ペルシャ猫を誰も知らない
監督:バフマン・ゴバディ
2009/イラン

問題ない、大丈夫だー。
全然大丈夫じゃなかったじゃないか。
こういう映画をみていると、ほんとに涙が出てくる。
がんばれよ、若者たち。

よくこの撮影ができたよね、大丈夫?
久しぶりに感激!
妙に元気が出た。

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迷子の警察音楽隊

2017-07-07 | chinema(アジア系映画)

映画を観た。

★迷子の警察音楽隊
監督:エラン・コリリン
2007/イスラエル

予告編で見ていると、どこかコメディで軽いお笑い的ムービーかと思いきや、
かなりディープな、一夜の大人の物語である。

アレキサンドリアの音楽隊がイスラエルにやってくるという物語のはじまり。音楽が持つ不思議な魂の高揚感が、小さな街の荒んだ人の心に灯りを灯す。ちょっとほのぼの。風刺にもとれるような場面もあるけれど、これはりっぱな男と女の怪しくて美しくて哀しい物語。

アラブの唄は情熱的で哲学的である。ラストの唄が心に強く響く。隊長さんは何故あの女といかなかったのだろうか。若い男に間男みたいにされてどこか情けなさそう。うーむ。でもあれでいいのでしょうか。悩みどころ。 ダメ男ばかり登場ですが、物語としては妙に滲みます。

 

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台北カフェ・ストーリー

2017-05-13 | chinema(アジア系映画)

映画を観た。

★台北カフェ・ストーリー
原題:第36個故事
監督:シャオ・ヤーチュアン
製作総指揮: ホウ・シャオシェン
キャスト:グイ・ルンメイ、リン・チェンシー、チャン・ハン、中孝介、他
2010/台湾

まったくといってほど、《感情の起伏》を感じさせず、ただ《ゆったりと時間が流れる》という感覚。物理的に《時間が流れる》ということはないと思うが、でも《流れる》という感じでした。そして《静か》です。これはいったい何でしょうか?

《一眼カメラでしっかりとらえた写真をパラパラめくっている》という想い。
グイ・ルンメイ (ドゥアル役)とリン・チェンシー(チャンアル役)は本当の姉妹のように見えた。この作品の最大の魅力ポイント。
《懐かしい台湾ニューシネマの匂い》がほんのり。
《どこか未完成のような余韻》を漂わせています。

監督・脚本のシアオ・ヤーチュアン (蕭雅全)は短編映画やCM制作で活躍とか。製作総指揮のホウ・シャオシェン(侯 孝賢)は、あの『悲情城市』(僕が台湾映画に関心を持つきっかけとなった作品)でヴェネツィア国際映画祭グランプリを受賞した監督。侯孝賢は小津安二郎を敬愛しているとか。

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台北ストーリー

2017-04-14 | chinema(アジア系映画)

 

★台北ストーリー
原題:青梅竹馬
監督:エドワード・ヤン
出演:ツァイ・チン、ホウ・シャオシェン、ウー・ニェンチェン、他
1985/台湾

エドワード・ヤン監督生誕70年(没後10年)というアニバーサリーで
デジタル修復で日本初公開。
その時に劇場で観た。

印象的なシーンの一部は観たことがある。
が、初めて観る作品だった。

80年代の台湾の状況の一端、
そうあくまで一端が映し出されている。
状況はこんなにも暗かったのだろうか?
男と女の焦燥感が妙にノスタルジックだった。

戒厳令解除前夜の台北の夜(1987年解除)の暗闇。
パソコンやスマホなどのデジタル機器のない時代の
今で言うアナログ時代の生活空気。
富士フイルムの電飾が暗闇に妖しく映える。

フイルム全盛の時代だった。


台北には2度行ったことがあるが、
夜の台北は日本の街と同じような雰囲気を感じさせる。

ぶらぶら散歩した。
また行きたくなった。

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桃さんのしあわせ

2016-04-13 | chinema(アジア系映画)

 

★桃さんのしあわせ
原題:桃姐(A Simple Life)
監督:アン・ホイ
キャスト:デニー・イップ、アンディ・ラウ、他
2011/香港


桃さん役を演じたデニー・イップ、なんと64歳だという。
うっそーでしょうと思うくらいに老け込んだ家政婦役を演じています。
眼の力の鋭い人ですので、
所々、凛とした質素な表情が美しく冴えていました。

アンディ・ラウは珍しく普通の人役?でしたが、
キラリと知的な表情を魅せ、作品に気品を漂わせてくれました。


二人の情の重ね具合が美しい。
主従であるがゆえの《シンプルな情》です。


桃さんの料理食べてみたいですね。
食材は桃さん自らお店屋さんの冷蔵倉庫に入って厳選購入。
家では懐石料理みたいに、一皿ごとにだしてくれる。
徹底した鮮魚。
お米は土鍋で炊きます。
いやぁ、食べてみたいなぁ。


4人の男たちが食い尽くした《牛たん》の味がとても気になりました。
そして4人の男たちが、
老人ホームに居る桃さんに電話をかけるシーンに眼がうるうるです。
そのシーン以降、この映画に輝きが出てきます。
しっとりとした小さな世界ですが、
濃密な人間の無償の愛みたいなものが静かににじみ出てきます。


桃さん役のディニー・イップが
ヴェネツィア国際映画祭で主演女優賞。
なるほどですね。
誠実に淡々と演じたアンディ・ラウにも
なにかご褒美があってもよかったのでないでしょうか。 
好演でした。

 

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スリ

2016-04-03 | chinema(アジア系映画)

 

★スリ
原題:文雀
監督:ジョニー・トー
2008/香港映画

ジョニー・トー監督の珍しく叙情溢れる香港物語。
劇場でこのフィルムを観たかった。

《香港をパリの下町のように描く》
こんな優雅な芸当ができるのはジョニー・トー監督しかいないよ。

監督は言う。
《60年代の香港が好きだ》
《急速に失われてゆく古き良き香港を映像に残したい》
ということで、
スリを題材に香港下町人情みたいなものまで捉えようとする野心作。

ミュジカルのようなリズム感のいい作品だった。 

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あの頃、君を追いかけた

2014-04-13 | chinema(アジア系映画)

 

★あの頃、君を追いかけた
英題:You Are the Apple of My Eye
監督:ギデンズ・コー
出演:クー・チェンドン、ミシェル・チェン、他
2011/台湾


高校生学園もの傑作の一つ。
それぞれ出演者のキャラが際立っています。
懐かしい気分に浸ります。

 

何ともとろりと甘く、切なく、哀しく、嬉しく。
時々、思いがけず、眩しく煌めき押し倒される作品に出会うのが台湾映画。
1995年の台湾の高校に通う男女7人の青春映画。
ごくごくありふれた、ある意味定型の高校生物語。
いつの時代もある《クラスのマドンナを追いかけろ》

 

 


携帯がない、まだコード電話の時代のノスタルジックな世界にくらくら。
高校生から大学生に、
そしてイッキに21世紀、社会人となり、
それぞれの道を歩み始めるまでの約10年間。
幼稚さの延長をゆっくりのんびり生きる男の子。
男の子の数倍の速さで駆け抜ける女の子の時間。
ほんとによくある、よくわかるお話である。
が、ラスト、一気にモヤモヤが爆発。

《今も、君を追いかけている》


クスクスと一人笑い。
と思いきや、
映画館内のあちこちで思わず出る人の声、声。
空気が弾けていました。
観客の皆さん、それぞれに愉しんでいたようです。

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彼とわたしの漂流日記

2011-10-29 | chinema(アジア系映画)

 


★彼とわたしの漂流日記
原題:김씨표류기
監督:イ・ヘジュン
キャスト:チョン・ジェヨン、チョン・リョウォン、他
2009/韓国


笑ってはいられない切なさ。


純粋にフィクションだからこそ、
純粋に面白い物語が生まれる。
ありえない奇抜な偶然が重なり合いながら、
しだいに二人だけの濃密な物語世界が描かれていた。
そのありえないけれども、もしかして、、、、と思わせる物語リアリティ。
「希望」という切なるものを追いかけた
可笑しくも美しいお話。

 


ソウルの中心を流れる川・漢江(ハンガン)に
身を投げたものの死にきれず、パム島に漂着。
その島で驚異的なサバイバル能力を発揮するキム役には、
本作で第32回黄金撮影賞主演男優賞を受賞したチョン・ジェヨン。
漢江対岸のマンションで3年間にわたって
引きこもり生活を続けている女性にはチョン・リョウォンが演じる。

 


そして、極めつけのスパイスは、《訓練空襲》。
平和ボケした僕ら日本人にはちょっとびっくりなことだが、
今だ北との戦争状態である韓国事情が一瞬描かれる。
が、彼ら二人にはこの短い訓練時間が《希望の時間》になる。
《二人の絶望と二人の希望》が鮮やか。 

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