本を読んだ。
★セカイからもっと近くに 現実から切り離された文学の諸問題
著者:東浩紀
出版社:東京創元社 (2013/12)
ぼくたちはどうやら、想像力と現実、虚構と現実、、文学と社会が切り離された時代に生きています。文学が社会に与える影響はかってなく小さく、逆に社会が文学に影響を与える影響もかってなく少ない。(略) 本書は、以上のような状況認識のもとで、それでも想像力と現実を、あるいは文学と社会を、それぞれの方法で再縫合しようと試みてしまっている四人の作家を選び、主要作品の読解を試みた本です(「はじめに」より)
第一章 新井素子と家族の問題
第二章 法月綸太郎と恋愛の問題
第三章 押井守とループの問題
第四章 小松左京と未来の問題
押井守と小松左京に関する評論は非情に興味があった。
そもそもこの二人を文学評論として取り上げること自体が驚きである。
押井守はアニメ映像作家であるし、
小松左京は今はほとんど読まれない忘れ去られたSF作家である。
現代作家論から、この二人に辿り着くという設定は、
多少無理のある言葉遊び的要素もないではないが、
簡潔明瞭で読んで面白い。
面白いということは意味のあることだ。
東浩紀は小説家に転身したらしいので、彼の文学も読んでみよう。