本を読んだ。
★等伯 上、下(文春文庫)
著者:安倍龍太郎
出版社: 文藝春秋 (2015/9/2)
絵描きの葛藤、生き様がどこまで描かれるか。
興味をもって読みました。
表現者は古今東西の名作に学んでいるので眼は肥えているが、自分の表現力はなかなかそれに及ばない。
それゆえ何度も絶望の淵にたたき落とされ、そこを乗り越えようと懸命に研鑽をつむ。
ところが大半の者は、ある程度の水準にたっしたところで妥協してしまう。
研鑽を続ける辛さに、身も心も耐えきれなくなるからだ。(文中より抜粋)
等伯の愚直なまでの《正直さと根気強さ》という人物像はしっかり描かれていましたが、
絵描きとしての表現者の葛藤が少し物足りなく感じました。
二十歳辺りの頃、
初めて《松林図》を観たとき震えました。
その後、何度か出会っています。
しばらくご無沙汰です。
また観たくなりました。
どんな感覚におちるのでしょうか?