★元彼の遺言状
新川帆立
宝島社文庫
第19回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作。
奇妙な遺言状をめぐる遺産相続ミステリー。
勢いのある筆力が心地よく、
一気読み。
遺産相続の話としてミステリーは展開するが、
実は男の哀しいかなプライドの話。
女からみれば不可解ではあるが可愛い男のプライド。
随所にその「不可解な可愛いプライド」が散りばめられ、
物語進行のキーワードになる。
女からみた男たちの一断面。
爽快でした。
次作も読んでみたい。
笑、笑、苦笑いの連続。
男の人ってなんでこう、自分の輝かしい過去のアレコレを切り取って話したがるのだろう。しかも自分からではなく、誰かに話してほしいと乞われたから仕方なくという体をとって。本当に面倒だ。
男の人ってどうして、自分の過去をアレコレを大袈裟に膨らませて、いかに自分が葛藤を抱えたのかとか、傷を負ったとか、そんな話を吹聴するのだろう。