駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

答えが分からなくても考える

2016年07月17日 | 町医者診言

       

 世界各地で暴発するテロによって数多い市民が犠牲になっている。どうも背景に組織的な指示というものはないようで、自分を取り巻く社会に自分の居場所や明日を見出だせず、その鬱屈した不満をテロ行為で爆発させたもののようである。勿論、直接的な指示はなくても、現状社会への不満を暴力で表現するISのような集団の手法を模倣している部分はあるだろう。

 どうして見も知らぬ不特定の人を殺傷するのか、そんなことをして何になるのかというのが、多くの人の反応だろう。私もそう思うのだが、おそらく本人にもうまく説明できない感覚と理由があり、それはそうした立場に置かれないと想像できないものだと思う。極悪の犯罪で殆ど戦争行為なのだから力で抑圧しろという声が大きい。確かに短期的には技術的には断固として取り締まり抑圧しなければならないが、それだけでは憎しみと暴力の連鎖を断ち切ることは難しい。

 長期的でより根本的な対策を考える必要がある。勿論、難しい問題で私の手に余るし、専門家でも容易に名案は浮かばないだろう。それでも誰もがなにがしかの時間を割いて調べ考えなければならない問題だと思う。

 今日のNHK日曜討論は穏やか公平で建設的なものだった。江川紹子や春香クリスティーンをよく選んだなと、失礼ながら見直した。選ばれただけの意見を聞かせてくれた。

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