“芸術の秋”の深まりに誘われて「週末に楽しむ絵画」(中之島)と「学びたい色と形」A.B.の3教室は、合同で吉備路にアートの旅を楽しんできました。(10月13日~14日)
先ず向かったのは、倉敷・大原美術館
ここには私たち3教室に共通する片山昭弘先生、片山哲夫先生ご兄弟の真ん中、利弘先生(ハーバード大学教授)デザインの石壁モニュメントがあります。
「正方形へ 光と石の対話」という作品です。見上げるような高さで、時々刻々光の移ろいを影が追いかけます。
美術館創立80周年の記念展とあって、選りすぐりの“大原BEST”が一挙に公開され、本で見かける名画や名品に溢れています。
なまこ壁に水際がよく似合う倉敷の街は、タイムスリップし、時の流れを停めているようです。
倉敷を出て一路、牛窓へ
10月も中旬を過ぎる頃は、駆け足で夕闇がやってきます。瀟洒なホテルについた頃は、陽が落ち、ライトを浴びた夏の名残りのプールや噴水は青く輝き、よく写真で見かけるギリシャのよう、異国情緒たっぷりです。
全室がオーシャンビューで、赤テントの屋根がついたバルコニーからは暮れなずむ海や島々を一望、たゆとうような気分になります。 そして夜の料理の美味しかったこと。
瀬戸内国際美術祭の犬島へ
直島を中心に7つの島で、3年に1回のトリエンナーレで開催される現代アートの祭典がこの犬島でも7月から10月終りまで開かれています。
牛窓の宝殿港から5分。大きな4本の煙突が見えます。銅の精錬所があった頃は6千人の人が住んでいたのに、今は60人。
ご婦人たちが清掃している道わきには秋の花が一杯、開館前の準備はアルバイトの学生たちでしょうか、吉備吉備と活気があります。
アート作品の家プロジェクトは4点、その一つに「S邸・蜘蛛の網の庭」と題する透明のアクリル板で作った細長い箱の館があります。中はオリーブの木、巣のようなレース、13本の矢、そして生きた蜘蛛。
外と遮断されているので、餌になる虫は入ってきません。
メス蜘蛛がオスを食べるのだそうで、蜘蛛の巣にはメスでしょうか丸々太った蜘蛛が獲物を待ち受けています。
このゾーッとする館を包むアクリル板には、澄んだ秋空と長閑な民家が映り、白雲がぽっかり浮いています。
‘08年春、直島福武美術財団によりアートプロジェクト「精錬所」が開館しました。明治から大正にかけて銅の精錬所として操業された跡地には高い煙突やレンガ壁があり、この巨大な廃墟をアート空間に蘇らせたものです。
真っ暗な坑道を進むと突如、奥に続く道が現れて明るい部分は出口と見まがいます。実はこれは鏡、それを辿ると太陽の光を採る合わせ鏡に出ます。
館内の照明はすべてこの鏡から、空気は煙突からの風で循環されるといったエコで構成されています。
奥の広い空間へ出ます。そこには柳幸典さんのインスタレーション・三島由紀夫邸があります。実際の三島邸の部材から構成され、「近代日本への過程と経済至上主義への転換期を表し日本を考える場にしたい・・・」と作者はNHKの日曜美術館で語っていました。
ウィークデイというのに、老いも若きも多くの人たちが訪れています。日本の原風景の中にみる異質な空間、まさにディペイズマンの手法です。これからの人生を考える大きなテーゼを貰ったようです。
帰りには閑(しず)谷(たに)学校へ立ち寄り
備前インターから10分の山の中、閑谷に岡山藩主・池田光政が創った世界最古の庶民学校があります。藩校の岡山学校とは別に地方の指導者を育成するために武士や庶民の子弟を対象としたもので、近代では大原孫三郎や三木露風などを輩出しました。
今に残る講堂は国宝、秋になると真っ黄に黄葉する楷(かい)の木は330年間この学校を見守ってきたそうです。
その講堂の縁側から足を投げ出して露風の“赤とんぼ”を口ずさむ方もおられ、懐かしい児童の遠足の光景です。
最年長は89歳の勝野さん、一番元気に行程を終えられました。・・・いい旅でした。
中之島教室「週末に楽しむ絵画」教室は、毎週金曜日18時から!詳細はこちら
川西教室「学びたい色と形」教室は、1・3火曜、または1・3水曜の13時から!詳細はこちら
先ず向かったのは、倉敷・大原美術館
ここには私たち3教室に共通する片山昭弘先生、片山哲夫先生ご兄弟の真ん中、利弘先生(ハーバード大学教授)デザインの石壁モニュメントがあります。
「正方形へ 光と石の対話」という作品です。見上げるような高さで、時々刻々光の移ろいを影が追いかけます。
美術館創立80周年の記念展とあって、選りすぐりの“大原BEST”が一挙に公開され、本で見かける名画や名品に溢れています。
なまこ壁に水際がよく似合う倉敷の街は、タイムスリップし、時の流れを停めているようです。
倉敷を出て一路、牛窓へ
10月も中旬を過ぎる頃は、駆け足で夕闇がやってきます。瀟洒なホテルについた頃は、陽が落ち、ライトを浴びた夏の名残りのプールや噴水は青く輝き、よく写真で見かけるギリシャのよう、異国情緒たっぷりです。
全室がオーシャンビューで、赤テントの屋根がついたバルコニーからは暮れなずむ海や島々を一望、たゆとうような気分になります。 そして夜の料理の美味しかったこと。
瀬戸内国際美術祭の犬島へ
直島を中心に7つの島で、3年に1回のトリエンナーレで開催される現代アートの祭典がこの犬島でも7月から10月終りまで開かれています。
牛窓の宝殿港から5分。大きな4本の煙突が見えます。銅の精錬所があった頃は6千人の人が住んでいたのに、今は60人。
ご婦人たちが清掃している道わきには秋の花が一杯、開館前の準備はアルバイトの学生たちでしょうか、吉備吉備と活気があります。
アート作品の家プロジェクトは4点、その一つに「S邸・蜘蛛の網の庭」と題する透明のアクリル板で作った細長い箱の館があります。中はオリーブの木、巣のようなレース、13本の矢、そして生きた蜘蛛。
外と遮断されているので、餌になる虫は入ってきません。
メス蜘蛛がオスを食べるのだそうで、蜘蛛の巣にはメスでしょうか丸々太った蜘蛛が獲物を待ち受けています。
このゾーッとする館を包むアクリル板には、澄んだ秋空と長閑な民家が映り、白雲がぽっかり浮いています。
‘08年春、直島福武美術財団によりアートプロジェクト「精錬所」が開館しました。明治から大正にかけて銅の精錬所として操業された跡地には高い煙突やレンガ壁があり、この巨大な廃墟をアート空間に蘇らせたものです。
真っ暗な坑道を進むと突如、奥に続く道が現れて明るい部分は出口と見まがいます。実はこれは鏡、それを辿ると太陽の光を採る合わせ鏡に出ます。
館内の照明はすべてこの鏡から、空気は煙突からの風で循環されるといったエコで構成されています。
奥の広い空間へ出ます。そこには柳幸典さんのインスタレーション・三島由紀夫邸があります。実際の三島邸の部材から構成され、「近代日本への過程と経済至上主義への転換期を表し日本を考える場にしたい・・・」と作者はNHKの日曜美術館で語っていました。
ウィークデイというのに、老いも若きも多くの人たちが訪れています。日本の原風景の中にみる異質な空間、まさにディペイズマンの手法です。これからの人生を考える大きなテーゼを貰ったようです。
帰りには閑(しず)谷(たに)学校へ立ち寄り
備前インターから10分の山の中、閑谷に岡山藩主・池田光政が創った世界最古の庶民学校があります。藩校の岡山学校とは別に地方の指導者を育成するために武士や庶民の子弟を対象としたもので、近代では大原孫三郎や三木露風などを輩出しました。
今に残る講堂は国宝、秋になると真っ黄に黄葉する楷(かい)の木は330年間この学校を見守ってきたそうです。
その講堂の縁側から足を投げ出して露風の“赤とんぼ”を口ずさむ方もおられ、懐かしい児童の遠足の光景です。
最年長は89歳の勝野さん、一番元気に行程を終えられました。・・・いい旅でした。
中之島教室「週末に楽しむ絵画」教室は、毎週金曜日18時から!詳細はこちら
川西教室「学びたい色と形」教室は、1・3火曜、または1・3水曜の13時から!詳細はこちら
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