人工照明の灯るバーレーン・インターナショナル・サーキットで31日(日)、2019年FIA F1世界選手権第2戦バーレーンGP決勝が開催され、メルセデスのハミルトンが今季初勝利を挙げた。
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今週末は予選までフェラーリが優位を誇る展開となり、ルクレールがコースレコードを塗り替える好タイムでポールポジションを手に入れ、ベッテルが2番手に続いてフェラーリが今季初のフロントロー独占を果たしていた。メルセデスはハミルトンとボッタスがその後方からライバルに挑む格好だった。
予選を8番手で終えたハースF1のグロージャンがQ1のセッション中に他車の走行を妨害したとして3グリッド降格処分を受けたため、スタート位置は11番手に後退。アルファロメオ・レーシングのライコネン、マクラーレンのノリス、ルノーのリカルドのグリッドがひとつずつ繰り上がった。
ピレリはC1からC5まで5種類あるコンパウンドのうち、サヒールにはC1(ハード)、C2(ミディアム)、C3(ソフト)の3種類を用意しており、レースではC1あるいはC2のどちらかを装着することが義務付けられている。
全長5.412kmのサーキットで57周に渡って争われた決勝レースは気温25.9℃、路面温度29.2℃、湿度55.4%のドライコンディションでフォーメーションラップが始まる。注目のスタートではベッテルが好発進を決めてターン1を先頭で通過、3番手にはハミルトンをかわしたボッタスが上がっており、オープニングラップの前半でルクレールをかわして2番手に上がった。
しかしながら、ボッタスのペースが思うように上がらず、ホームストレートでスリップに入ったルクレールがターン1への飛び込みでインを突くと2番手の座を取り戻し、さらにハミルトンもサイド・バイ・サイドのバトルに持ち込んでスタートポジションである3番手に返り咲く。2周目が終わった時点で先頭はベッテル、ルクレールが2番手につけ、ハミルトン、ボッタス、フェルスタッペンが5番手だった。
スタート直後に中団グループで混乱があったようで、ターン2で交錯したレーシング・ポイントのストロールとグロージャンが1周目の終わりにピットに戻り、タイヤをミディアムに履き替えている。
また、フェルスタッペンを追いかけていたサインツがオーバーテイクを仕掛けたところ、レッドブルとマクラーレンのマシンが接触してしまい、フェルスタッペンはそのまま走り続けたものの、フロントウイングにダメージを受けた様子のサインツはマシンパーツと路面が擦れて火花を上げながらの走行となり、緊急ピットインを強いられてポジションを大きく落とした。2人のインシデントは審議対象となるも、おとがめなしの裁定が下っている。
一方、「僕の方が速いのに・・・」と無線で訴えていたルクレールが先輩ベッテルに挑んでいったのは6周目。ボッタスを追い抜いたのと同じようにホームストレートでトウを得ると、ターン1での果敢なオーバーテイクが成功し、出だしに奪われたラップリーダーのポジションを再び手に入れている。前がひらけたルクレールはリードを広げようと懸命にプッシュしたため、コースをわずかに飛び出すこともあったが、先頭の座は守り続けた。
ルクレールが10周目に入った頃、ライコネンやレッドブルのガスリー、トロ・ロッソのアルボンらが最初のタイヤ交換に向かい、ライコネンはソフトからミディアムに、ガスリーとアルボンは新しいソフトタイヤを選んで隊列に復帰している。
上位勢ではフェルスタッペンが最初にピットストップを敢行し、1周後にはボッタスとヒュルケンベルグ(ルノー)がタイヤ交換を済ませた。エンジンマッピングのトラブルにより、予選Q1敗退を喫してしまったヒュルケンベルグだが、第1スティントでチームメイトであるリカルドの真後ろまでポジションを上げており、第2スティントにもソフトタイヤを選んでさらなる前進を図った。
次の周回にはルクレールとハミルトンが最初のピットストップを完了、ラップリーダーがベッテルに代わり、第1スティントを長く取ったリカルドが2番手を走っていたが、ベッテルは15周目にソフトからミディアムに履き替えたため、リカルドが先頭に立つ。ただ、ピットアウトしたベッテルは2番手のポジションをキープできず、ハミルトンの後方に甘んじている。
その間、フェルスタッペンがボッタスにオーバーテイクを仕掛け、一度は前に出たものの、ボッタスが抜き返してバトルは振り出しに。フェルスタッペンはコンマ数秒差の位置でボッタスにプレッシャーをかけていったが、数ラップを走った後、1.5秒前後の間隔をキープする作戦に切り替えたようだ。
ラップタイムが大きく落ちてしまい、ルクレール、ハミルトン、ベッテルとフレッシュタイヤを履く面々に追い抜かれたにもかかわらず、リカルドはさらにロングスティントを続け、18周目にはボッタスとフェルスタッペンもルノーマシンの前に出ている。
その頃、ハースF1のガレージにマシンを入れたグロージャンが無念のリタイアを喫し、ピットレーンの速度違反に問われたトロ・ロッソのクビアトに5秒のタイムペナルティが科せられた。クビアトは13周目にアルファロメオ・レーシングのジョビナッツィと接触してスピンを喫しており、この一件もスチュワードの審議を受けたものの、どちらもペナルティが科せられることはなかった。
ルクレールがリードを6秒以上に広げる中、第2スティントにソフトタイヤを選んだハミルトンと、ミディアムタイヤを履くベッテルの間隔が縮まり、DRSレンジに入ってプレッシャーをかけていたベッテルが23周目にオーバーテイクを決めて2番手に戻った。タイヤに苦戦するハミルトンはそれでも引き下がらずに粘ったが、ベッテルのペースが速く、徐々に距離をつけられている。
26周を走ってようやくピットインしたリカルドはソフトからミディアムに交換してコース復帰。13番手の位置で第2スティントをスタートさせている。
レースが折り返し地点を迎えた時点で、ルクレールは後続に8秒以上のリードを築き、2番手につけていたベッテルは3番手のハミルトンに2.8秒差をつけていた。ハミルトンとボッタスの間には10秒以上のギャップがあり、5番手を走っていたフェルスタッペンはボッタスからさらに8秒以上遅れている。
トップ5から18秒近く話された位置にヒュルケンベルグがつけ、ノリス、ライコネン、ガスリーが3秒強の間隔で連なってレース後半に挑み、ポイント圏内の10番手にはガスリーから9秒遅れてペレス(レーシング・ポイント)がいた。
フェルスタッペンとヒュルケンベルグが33周目に2回目のタイヤ交換を済ませ、2人ともミディアムタイヤを選択。左フロントタイヤの交換に手間取ったフェルスタッペンはライコネンの真後ろでコースに戻るも、すぐにオーバーテイクして6番手に上がっている。そのライコネンは次の周回でミディアムからソフトタイヤに履き替え、トロ・ロッソ勢の後方で隊列に加わるが、フレッシュタイヤの利点を生かして2台をオーバーテイクした。
トップ3ではハミルトンが先に最後のピットストップに向かい、最終スティントにもミディアムのコンパウンドをチョイスしている。これに反応したフェラーリとベッテルは次のラップでミディアムからミディアムへのタイヤ交換を完了。ピットアウトしたベッテルはハミルトンの前を維持したものの、なかなかリズムをつかめないようで、ハミルトンに接近を許している。
十分なリードを築いてピットインしたルクレールはミディアムタイヤに履き替えて先頭のままコースに戻り、ボッタスも最後のピットストップを終えて4番手で隊列に復帰した。
それぞれのチームメイトがピットストップに臨む中、激しくポジションを争っていたベッテルとハミルトンの攻防戦は、ハミルトンの攻撃を受けて焦りがあったのか、ベッテルがスピンを喫してしまい、ハミルトンが2番手に浮上する。幸い、後方から迫るマシンはなく、ベッテルは体勢を立て直してレースに戻ったものの、タイヤに相当のダメージがあったようで、周回遅れのマシン3台の間に入った瞬間、フロントウイングが外れ、大きな火花が上がり、ヒヤリとする場面があった。ベッテルは緊急ピットインでノーズを交換し、9番手でコース復帰するも、あっという間に2台をかわして7番手に上がり、元チームメイトのリカルドも追い抜いて6番手につけると、44周目にはヒュルケンベルグも料理して5番手に上がっている。
リカルドとヒュルケンベルグはその直前に激闘を繰り広げており、ターン1では2台が接触するシーンもあったが、どちらも影響はなかったようでその後もレースを続けている。ヒュルケンベルグは2ストップ、リカルドは1ストップと戦略が異なっていたにもかかわらず、互いに譲らず厳しいバトルを展開した。ただ、1ストップ戦略に挑んだリカルドのペースは前後のドライバーに比べて1秒以上遅くなっており、ノリスとライコネンに先行を許して9番手に後退している。
レース終盤、クルージングモードに突入するかと思われたルクレールに問題が浮上する。「エンジンが何かおかしい」と訴えたルクレールはラップタイムが2秒近く落ちてしまい、ハミルトンとのギャップが一気に縮まっていった。一時は9秒ほどあったギャップも、トラブルが発生して1周半後には2秒を切り、ラップタイムはハミルトンに比べて4秒以上遅くなる。
当然ながら、ハミルトンを抑える力はなく、48周目にはハミルトンがリードを奪取。この時点でルクレールと3番手のボッタスは25秒以上のギャップがあったが、ペース差は5秒、6秒と徐々に大きくなり、残り周回数を考えると十分に逆転可能な状況だった。さらにボッタスの6秒後方につけていたフェルスタッペンもフェラーリ陣営の苦境を知ってモード変更し、表彰台最後のひと枠を狙って猛チャージをかけていく。
1分42秒台にまで落ち込んでいたルクレールのペースは若干回復の兆しを見せたが、走るのがやっとの状態は変わらず、残り4周を切ってボッタスが2番手に上がっている。
ルクレールの様子に注目が集まる中、コースの別の場所ではルノーを悪夢が襲う。なんと、リカルドとヒュルケンベルグがそれぞれメカニカルトラブルに見舞われてほぼ同じタイミングでコース脇に停車を余儀なくされたのだ。ヒュルケンベルグは6番手、リカルドは10番手を走っており、ダブル入賞が期待されていた中でのダブルリタイアはチームにとって大打撃と言える。
その直前にはサインツがマクラーレンガレージにマシンをリアから入れて戦線離脱。チェッカーを受けることなくレースを終えている。
ルノー勢のトラブルでセーフティカーが導入され、ペースダウンを強いられていたルクレールにとっては幸運、逆転での表彰台を狙っていたフェルスタッペンにとっては不運と言える状況だ。
セーフティカーが先導したままファイナルラップを迎え、最終コーナーを立ち上がってセーフティカーはピットに戻るも、オーダーが入れ替わることはなく、ハミルトンがトップチェッカーを受け、ボッタスが2位、ルクレールが3位でゴールし、0.277秒遅れてフェルスタッペンが4位フィニッシュした。
5位以下、ベッテル、ノリス、ライコネン、ガスリー、アルボン、ペレスが入賞を果たし、ジョビナッツィが11位、以降のクビアト、マグヌッセン、ストロール、ラッセル、クビサは周回遅れながら完走を遂げている。
ヒュルケンベルグ、リカルド、サインツは完走扱いとなり、それぞれ17位、18位、19位の結果となった
レッドブル・ホンダ、強風に苦戦もW入賞をはたし、トロ・ロッソ・ホンダのアルボンは9位入賞、クビアトは12位とポイント獲得はかなわなかったが、ホンダPUはすべて完走、ホンダにとって最高の結果でしたね!
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今週末は予選までフェラーリが優位を誇る展開となり、ルクレールがコースレコードを塗り替える好タイムでポールポジションを手に入れ、ベッテルが2番手に続いてフェラーリが今季初のフロントロー独占を果たしていた。メルセデスはハミルトンとボッタスがその後方からライバルに挑む格好だった。
予選を8番手で終えたハースF1のグロージャンがQ1のセッション中に他車の走行を妨害したとして3グリッド降格処分を受けたため、スタート位置は11番手に後退。アルファロメオ・レーシングのライコネン、マクラーレンのノリス、ルノーのリカルドのグリッドがひとつずつ繰り上がった。
ピレリはC1からC5まで5種類あるコンパウンドのうち、サヒールにはC1(ハード)、C2(ミディアム)、C3(ソフト)の3種類を用意しており、レースではC1あるいはC2のどちらかを装着することが義務付けられている。
全長5.412kmのサーキットで57周に渡って争われた決勝レースは気温25.9℃、路面温度29.2℃、湿度55.4%のドライコンディションでフォーメーションラップが始まる。注目のスタートではベッテルが好発進を決めてターン1を先頭で通過、3番手にはハミルトンをかわしたボッタスが上がっており、オープニングラップの前半でルクレールをかわして2番手に上がった。
しかしながら、ボッタスのペースが思うように上がらず、ホームストレートでスリップに入ったルクレールがターン1への飛び込みでインを突くと2番手の座を取り戻し、さらにハミルトンもサイド・バイ・サイドのバトルに持ち込んでスタートポジションである3番手に返り咲く。2周目が終わった時点で先頭はベッテル、ルクレールが2番手につけ、ハミルトン、ボッタス、フェルスタッペンが5番手だった。
スタート直後に中団グループで混乱があったようで、ターン2で交錯したレーシング・ポイントのストロールとグロージャンが1周目の終わりにピットに戻り、タイヤをミディアムに履き替えている。
また、フェルスタッペンを追いかけていたサインツがオーバーテイクを仕掛けたところ、レッドブルとマクラーレンのマシンが接触してしまい、フェルスタッペンはそのまま走り続けたものの、フロントウイングにダメージを受けた様子のサインツはマシンパーツと路面が擦れて火花を上げながらの走行となり、緊急ピットインを強いられてポジションを大きく落とした。2人のインシデントは審議対象となるも、おとがめなしの裁定が下っている。
一方、「僕の方が速いのに・・・」と無線で訴えていたルクレールが先輩ベッテルに挑んでいったのは6周目。ボッタスを追い抜いたのと同じようにホームストレートでトウを得ると、ターン1での果敢なオーバーテイクが成功し、出だしに奪われたラップリーダーのポジションを再び手に入れている。前がひらけたルクレールはリードを広げようと懸命にプッシュしたため、コースをわずかに飛び出すこともあったが、先頭の座は守り続けた。
ルクレールが10周目に入った頃、ライコネンやレッドブルのガスリー、トロ・ロッソのアルボンらが最初のタイヤ交換に向かい、ライコネンはソフトからミディアムに、ガスリーとアルボンは新しいソフトタイヤを選んで隊列に復帰している。
上位勢ではフェルスタッペンが最初にピットストップを敢行し、1周後にはボッタスとヒュルケンベルグ(ルノー)がタイヤ交換を済ませた。エンジンマッピングのトラブルにより、予選Q1敗退を喫してしまったヒュルケンベルグだが、第1スティントでチームメイトであるリカルドの真後ろまでポジションを上げており、第2スティントにもソフトタイヤを選んでさらなる前進を図った。
次の周回にはルクレールとハミルトンが最初のピットストップを完了、ラップリーダーがベッテルに代わり、第1スティントを長く取ったリカルドが2番手を走っていたが、ベッテルは15周目にソフトからミディアムに履き替えたため、リカルドが先頭に立つ。ただ、ピットアウトしたベッテルは2番手のポジションをキープできず、ハミルトンの後方に甘んじている。
その間、フェルスタッペンがボッタスにオーバーテイクを仕掛け、一度は前に出たものの、ボッタスが抜き返してバトルは振り出しに。フェルスタッペンはコンマ数秒差の位置でボッタスにプレッシャーをかけていったが、数ラップを走った後、1.5秒前後の間隔をキープする作戦に切り替えたようだ。
ラップタイムが大きく落ちてしまい、ルクレール、ハミルトン、ベッテルとフレッシュタイヤを履く面々に追い抜かれたにもかかわらず、リカルドはさらにロングスティントを続け、18周目にはボッタスとフェルスタッペンもルノーマシンの前に出ている。
その頃、ハースF1のガレージにマシンを入れたグロージャンが無念のリタイアを喫し、ピットレーンの速度違反に問われたトロ・ロッソのクビアトに5秒のタイムペナルティが科せられた。クビアトは13周目にアルファロメオ・レーシングのジョビナッツィと接触してスピンを喫しており、この一件もスチュワードの審議を受けたものの、どちらもペナルティが科せられることはなかった。
ルクレールがリードを6秒以上に広げる中、第2スティントにソフトタイヤを選んだハミルトンと、ミディアムタイヤを履くベッテルの間隔が縮まり、DRSレンジに入ってプレッシャーをかけていたベッテルが23周目にオーバーテイクを決めて2番手に戻った。タイヤに苦戦するハミルトンはそれでも引き下がらずに粘ったが、ベッテルのペースが速く、徐々に距離をつけられている。
26周を走ってようやくピットインしたリカルドはソフトからミディアムに交換してコース復帰。13番手の位置で第2スティントをスタートさせている。
レースが折り返し地点を迎えた時点で、ルクレールは後続に8秒以上のリードを築き、2番手につけていたベッテルは3番手のハミルトンに2.8秒差をつけていた。ハミルトンとボッタスの間には10秒以上のギャップがあり、5番手を走っていたフェルスタッペンはボッタスからさらに8秒以上遅れている。
トップ5から18秒近く話された位置にヒュルケンベルグがつけ、ノリス、ライコネン、ガスリーが3秒強の間隔で連なってレース後半に挑み、ポイント圏内の10番手にはガスリーから9秒遅れてペレス(レーシング・ポイント)がいた。
フェルスタッペンとヒュルケンベルグが33周目に2回目のタイヤ交換を済ませ、2人ともミディアムタイヤを選択。左フロントタイヤの交換に手間取ったフェルスタッペンはライコネンの真後ろでコースに戻るも、すぐにオーバーテイクして6番手に上がっている。そのライコネンは次の周回でミディアムからソフトタイヤに履き替え、トロ・ロッソ勢の後方で隊列に加わるが、フレッシュタイヤの利点を生かして2台をオーバーテイクした。
トップ3ではハミルトンが先に最後のピットストップに向かい、最終スティントにもミディアムのコンパウンドをチョイスしている。これに反応したフェラーリとベッテルは次のラップでミディアムからミディアムへのタイヤ交換を完了。ピットアウトしたベッテルはハミルトンの前を維持したものの、なかなかリズムをつかめないようで、ハミルトンに接近を許している。
十分なリードを築いてピットインしたルクレールはミディアムタイヤに履き替えて先頭のままコースに戻り、ボッタスも最後のピットストップを終えて4番手で隊列に復帰した。
それぞれのチームメイトがピットストップに臨む中、激しくポジションを争っていたベッテルとハミルトンの攻防戦は、ハミルトンの攻撃を受けて焦りがあったのか、ベッテルがスピンを喫してしまい、ハミルトンが2番手に浮上する。幸い、後方から迫るマシンはなく、ベッテルは体勢を立て直してレースに戻ったものの、タイヤに相当のダメージがあったようで、周回遅れのマシン3台の間に入った瞬間、フロントウイングが外れ、大きな火花が上がり、ヒヤリとする場面があった。ベッテルは緊急ピットインでノーズを交換し、9番手でコース復帰するも、あっという間に2台をかわして7番手に上がり、元チームメイトのリカルドも追い抜いて6番手につけると、44周目にはヒュルケンベルグも料理して5番手に上がっている。
リカルドとヒュルケンベルグはその直前に激闘を繰り広げており、ターン1では2台が接触するシーンもあったが、どちらも影響はなかったようでその後もレースを続けている。ヒュルケンベルグは2ストップ、リカルドは1ストップと戦略が異なっていたにもかかわらず、互いに譲らず厳しいバトルを展開した。ただ、1ストップ戦略に挑んだリカルドのペースは前後のドライバーに比べて1秒以上遅くなっており、ノリスとライコネンに先行を許して9番手に後退している。
レース終盤、クルージングモードに突入するかと思われたルクレールに問題が浮上する。「エンジンが何かおかしい」と訴えたルクレールはラップタイムが2秒近く落ちてしまい、ハミルトンとのギャップが一気に縮まっていった。一時は9秒ほどあったギャップも、トラブルが発生して1周半後には2秒を切り、ラップタイムはハミルトンに比べて4秒以上遅くなる。
当然ながら、ハミルトンを抑える力はなく、48周目にはハミルトンがリードを奪取。この時点でルクレールと3番手のボッタスは25秒以上のギャップがあったが、ペース差は5秒、6秒と徐々に大きくなり、残り周回数を考えると十分に逆転可能な状況だった。さらにボッタスの6秒後方につけていたフェルスタッペンもフェラーリ陣営の苦境を知ってモード変更し、表彰台最後のひと枠を狙って猛チャージをかけていく。
1分42秒台にまで落ち込んでいたルクレールのペースは若干回復の兆しを見せたが、走るのがやっとの状態は変わらず、残り4周を切ってボッタスが2番手に上がっている。
ルクレールの様子に注目が集まる中、コースの別の場所ではルノーを悪夢が襲う。なんと、リカルドとヒュルケンベルグがそれぞれメカニカルトラブルに見舞われてほぼ同じタイミングでコース脇に停車を余儀なくされたのだ。ヒュルケンベルグは6番手、リカルドは10番手を走っており、ダブル入賞が期待されていた中でのダブルリタイアはチームにとって大打撃と言える。
その直前にはサインツがマクラーレンガレージにマシンをリアから入れて戦線離脱。チェッカーを受けることなくレースを終えている。
ルノー勢のトラブルでセーフティカーが導入され、ペースダウンを強いられていたルクレールにとっては幸運、逆転での表彰台を狙っていたフェルスタッペンにとっては不運と言える状況だ。
セーフティカーが先導したままファイナルラップを迎え、最終コーナーを立ち上がってセーフティカーはピットに戻るも、オーダーが入れ替わることはなく、ハミルトンがトップチェッカーを受け、ボッタスが2位、ルクレールが3位でゴールし、0.277秒遅れてフェルスタッペンが4位フィニッシュした。
5位以下、ベッテル、ノリス、ライコネン、ガスリー、アルボン、ペレスが入賞を果たし、ジョビナッツィが11位、以降のクビアト、マグヌッセン、ストロール、ラッセル、クビサは周回遅れながら完走を遂げている。
ヒュルケンベルグ、リカルド、サインツは完走扱いとなり、それぞれ17位、18位、19位の結果となった
レッドブル・ホンダ、強風に苦戦もW入賞をはたし、トロ・ロッソ・ホンダのアルボンは9位入賞、クビアトは12位とポイント獲得はかなわなかったが、ホンダPUはすべて完走、ホンダにとって最高の結果でしたね!
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