哀愁漂う音楽が流れる中、主人公が煙草を口に咥え無言で佇む姿は、昔の映画ではよく見られたシーンでしたが、最近はどの映画も明らかに喫煙場面は減ってきているようです。タバコの健康被害が広く認識されたことから、特に青少年への影響を危惧して喫煙シーンをできるだけ減らせという圧力があるからでしょう。しかし、韓国映画では今でもタンベ(煙草)は演技の中では重要な小道具として登場しているように見受けられます。しかし、そのせいという訳ではないでしょうが、男性の喫煙率はOECD諸国中ギリシャについで第二位と高く、今後は禁煙団体の声も大きくなってくることは予想されます。一方 韓国で女性の喫煙率は逆に二番目に低く、喫煙の男女差は断トツのトップです。
煙草は朝鮮時代、1618年に日本から入ってきたと記録にあります。最初の煙草は南方でとれた霊験あらたかな薬草と言う意味の「何霊草(ナムリョンチョ)」と名付けられました。痰の除去、消化不良、冷え性などに効能があるとされ、最初は老若男女、そして子供まで吸っていたと伝えられています。やがて両班(ヤンバン)など特権階級にのみ喫煙を制限し、一部の人々の嗜好品として浸透していきました。近代に入り、一部の限られた男性のものであったタバコが、韓国でも再び広く大衆の嗜好品として広がってきたわけですが、儒教思想からくる価値観のためか女性が嗜む事には抵抗から、男女の喫煙率の差に繋がっていると考えられます。しかし、実際の女性の喫煙率は統計の数字より2倍以上高いのではないかと言う報告もあります。つまり、喫煙をする女性もこのような社会的通年から人前では吸わず、また 吸っていたとしてもアンケート調査では否定する可能性があるためです。どちらにしても、やはり儒教の影響ではありますが・・・
韓国に限らず最初は薬として用いられたタバコですが、今では「健康の敵」として、年々喫煙者は肩身が狭くなっています。日本の‘どどいつ’にある「酒も飲まなきゃ、タバコもやらず、100まで生きた馬鹿がいた~」はまさにそんな愛煙家が悔し紛れに謡うにはぴったりですね。私はというと、このような現実を見通して?二十歳の記念に禁煙しました!