開花が例年より遅れていた東京の桜がいっせいに花開いたこの週末。
私はかねてから楽しみにしていた国立劇場の「通し狂言 絵本合法衢」観劇に出かけた。
この公演、昨年の3月に同じ国立劇場で上演されていたのだが、震災のため途中で中止になってしまったものの再演。
主演は片岡仁左衛門丈。彼が悪役を二役演じることで話題となっていた。
昨年は上演月の後半に見る予定にしていた私は、上演中止のほうに涙をのんだのだが、今年再演されると聞いて、「一番早い休みの日」狙いでチケットを獲得したのだった。
ところが、そんな楽しみな公演なのに、足を折ってしまうという不手際。
何とか歩けるようになったから、観劇は根性で行くけれど…
でもにざ様にお会いするのに、洋服でいいわけ?
いや、よくない。
無理しなければ立ってはいられるようになったから、着付けは何とかなる。
問題は履物。
足首から甲にかけてギプスは待った足で足袋や草履は履けるだろうか?
そこで編み出した裏ワザが足袋のハーフアップ。
こはぜは留めずに足先まで足袋を履き、あとはレッグウォーマーをかぶせてごまかす技(^^;)。
草履は、鼻緒が少し緩めになっているものだったら、なんとか履けることが確かめられたので、いざ着物で出陣!
この日は何年か前にヤフオクで買って、一度着ただけでそのままになっていた白大島。
ちょっとサイズが大きめなので敬遠していたのだが、白地にグレー系の花柄が、なんとなく春の桜の季節の色調にふさわしい気がして選んでみた。
それからこの着物、実はお対の上着があって、肌寒いこの日にはちょうどよかったのだ。
帯は、海老柄小紋に合わせたグレイッシュピンクの帯。
この日は「雲」に見立てて。
満開の桜に、桜の柄の着物や帯を合わせるのは野暮といわれるが、それでも何か桜モチーフを合わせたくなるのが人情。
ひそかに小物で桜を使っていたのが、この日のコーディネートのミソ。
桜柄のバッグに、桜柄の長襦袢
帯どめは桜の花びら型。そして帯揚げは、桜の木を煮出した染料で手染めしたもの
ちなみにまだ杖をついて出かけたが、それは愛之助丈演じる与兵衛役の杖つく姿にあわせたわけではない・・・。
肝心の歌舞伎は、「いやー、にざ様すてき~」で終始したような(笑)。
にざ様に始まり、にざ様に終わる舞台でした。
良心のかけらもない徹底した悪役は、役者にそれ相応の魅力がないと、気分の悪いだけの演目になってしまう。
それをこれだけ楽しませてくれたのだから、さすがというか…。
しかし68歳で、あんな色気があっていいんですかね。
いや、高齢化社会のあるべき姿かもしれない。
めざせ、色気のある老人!(にざ様を老人と呼ぶのは抵抗あるが…)
それ以外で記憶に残ったのは時蔵丈。
「うんざりお松」という蓮っ葉な役と武家の妻の二役。
きりっとした印象の強い時蔵さんですが、身を持ち崩した役も意外に良いですねえ。
一方、女房お道はなんだか気の毒。
自分の旦那がそんな悪者とは知らず…
結婚して何年かしりませんが、気がつかないもんでしょうか?
夫の悪事のリカバリーを図り、結局夫に殺されてしまうという…
なんだかあっけないというかかわいそうすぎる役ですねえ。
まあ、人生こんなもんなのかもしれないけれど。
若手も出演していたのですが、そんなときにありがちな「えー、それはないだろう」という破綻もなく、
まとまりのある舞台でした。
私はかねてから楽しみにしていた国立劇場の「通し狂言 絵本合法衢」観劇に出かけた。
この公演、昨年の3月に同じ国立劇場で上演されていたのだが、震災のため途中で中止になってしまったものの再演。
主演は片岡仁左衛門丈。彼が悪役を二役演じることで話題となっていた。
昨年は上演月の後半に見る予定にしていた私は、上演中止のほうに涙をのんだのだが、今年再演されると聞いて、「一番早い休みの日」狙いでチケットを獲得したのだった。
ところが、そんな楽しみな公演なのに、足を折ってしまうという不手際。
何とか歩けるようになったから、観劇は根性で行くけれど…
でもにざ様にお会いするのに、洋服でいいわけ?
いや、よくない。
無理しなければ立ってはいられるようになったから、着付けは何とかなる。
問題は履物。
足首から甲にかけてギプスは待った足で足袋や草履は履けるだろうか?
そこで編み出した裏ワザが足袋のハーフアップ。
こはぜは留めずに足先まで足袋を履き、あとはレッグウォーマーをかぶせてごまかす技(^^;)。
草履は、鼻緒が少し緩めになっているものだったら、なんとか履けることが確かめられたので、いざ着物で出陣!
この日は何年か前にヤフオクで買って、一度着ただけでそのままになっていた白大島。
ちょっとサイズが大きめなので敬遠していたのだが、白地にグレー系の花柄が、なんとなく春の桜の季節の色調にふさわしい気がして選んでみた。
それからこの着物、実はお対の上着があって、肌寒いこの日にはちょうどよかったのだ。
帯は、海老柄小紋に合わせたグレイッシュピンクの帯。
この日は「雲」に見立てて。
満開の桜に、桜の柄の着物や帯を合わせるのは野暮といわれるが、それでも何か桜モチーフを合わせたくなるのが人情。
ひそかに小物で桜を使っていたのが、この日のコーディネートのミソ。
桜柄のバッグに、桜柄の長襦袢
帯どめは桜の花びら型。そして帯揚げは、桜の木を煮出した染料で手染めしたもの
ちなみにまだ杖をついて出かけたが、それは愛之助丈演じる与兵衛役の杖つく姿にあわせたわけではない・・・。
肝心の歌舞伎は、「いやー、にざ様すてき~」で終始したような(笑)。
にざ様に始まり、にざ様に終わる舞台でした。
良心のかけらもない徹底した悪役は、役者にそれ相応の魅力がないと、気分の悪いだけの演目になってしまう。
それをこれだけ楽しませてくれたのだから、さすがというか…。
しかし68歳で、あんな色気があっていいんですかね。
いや、高齢化社会のあるべき姿かもしれない。
めざせ、色気のある老人!(にざ様を老人と呼ぶのは抵抗あるが…)
それ以外で記憶に残ったのは時蔵丈。
「うんざりお松」という蓮っ葉な役と武家の妻の二役。
きりっとした印象の強い時蔵さんですが、身を持ち崩した役も意外に良いですねえ。
一方、女房お道はなんだか気の毒。
自分の旦那がそんな悪者とは知らず…
結婚して何年かしりませんが、気がつかないもんでしょうか?
夫の悪事のリカバリーを図り、結局夫に殺されてしまうという…
なんだかあっけないというかかわいそうすぎる役ですねえ。
まあ、人生こんなもんなのかもしれないけれど。
若手も出演していたのですが、そんなときにありがちな「えー、それはないだろう」という破綻もなく、
まとまりのある舞台でした。
コメントどうもありがとうございます。
まさか、「ギプス・着物」で検索される方がいらっしゃるとは、驚きました(笑)
足をお怪我されていらっしゃるのですね…
着物には適した時期に、着られないのは悔しいですよね。
うーーん、何か良い手はないでしょうか。
まあ、あまり無理をされてかえって悪くなさってもいけないので、どうぞしっかりと直されてください!
初めて伺わせていただきましたら、
ナント、香子さん(やっぴーさん)とお友達なのですねっ!(^^)
実は足の甲を骨折してしまって、ギブス生活が始まっております。
ギブスじゃ草履が履けないので、着物は無理だなぁと思ったんですけど、
こんな裏技があったのですね!
が、私の場合、もっと足先までギブスですので、この手は無理そうです。
片方はギブス用ブーツをそのまま履いて、片方は草履とも思ったんですけど、
高さが合わなくて、それも無理そう。。。
やはり、ギブスが取れるまでは着物は我慢でしょうか(T_T)
初コメントなのに愚痴っぽくなってしまってスミマセン(^^;
そういえば、又五郎さんも足を悪くされたんですよね、襲名舞台で。役者さんの根性に敬意を表するなら、客も足を負ったぐらいで負けてはいけませんね(笑)。
楽しそうなニザ様を見るのが、なんとも楽しいひと時でした。南北とはいえ、筋自体は結構荒いなあーと思ったんですが…ニザ様あっての舞台でしね。
昨年の新又五郎さんを思い浮かべてしまいましたぁ。
ワタシも国立行って参りましたよん。
ニザさま、ホント楽しんでましたね(笑)
ワタシもトッキーさんのお松ツボでした♪
今日も近美の工芸館に、着物着て杖ついて出かけました。そんな意地にならなくていいのになあ…って我ながら思ってます///。(帰宅したらユニクロ。今日はヒートテック必須!)
来週がんばってくださいね。あ、出かける前に、骨折らないように…(^^;)
歌舞伎は、今でこそ敷居の高い伝統芸能のように捉えられていますが、いざ見てみると、陰惨なシーンや、かなりエロいシーンも結構あって、大衆演劇だったんだなーということを感じさせられます。当時の実際の事件を扱ったものも多いし、今のTVの再現ドラマみたいなもんだったのかもしれないですね。
ギプスで着物…実は今日もそれで雨の中出かけてきまして…その話はまた改めて。
やっぱり、歌舞伎は着物着ていくとキモチも上がりますよね。
私は本日、雨と寝不足ごときに負けてユニクロでした。
来週ニザ様なので、頑張りたいと思います。
>役者にそれ相応の魅力がないと、気分の悪いだけ
私も同じことを思いました! 最初の方では、お友達と「ニザ様が上品すぎて物足らない」とか言っていたのですが、あれだけ人がばったばった殺されていくと、ただ悪いだけの役では嫌気がさすだろうな・・・って(笑)。
私はらぶりんの、(いい意味で)ひょろっとした上方風なところが好きで、今回も堪能しました。
それにしてもお怪我をおしての着物、すごいです。お疲れ様でした。さりげないところに桜
…大人のオシャレですね。
>「切り札を 慌てて切るのは 命取り」
そうそう!
昨日の日経新聞夕刊歌舞伎評で、「あれだけ魅力的なうんざりお松を簡単に殺しちゃうなんて信じらんない」てな趣旨のことが載ってました。殺すにはもったいないいい女だけど、少々焦りすぎましたねー。
黒猫さんの着物を見て、いい感じの大人のピンクの着物がほしくなり、ネットでつい探してしまう私です(買えないけど…)
時蔵丈よかったですよね。今回も「切り札を 慌てて切るのは 命取り」という教訓を得ました。歌舞伎を見ていると男女の機微が色々勉強になります。
そうなんです。いま、怪我のためにクロックスを履いているのですが、鼻緒に指を引っ掛ける分、草履のほうが安定しているかも…と思ってしまいました。(とはいえ、ぐっと指を完全に通すまではできなかったのですが)草履で会社行きたいです(笑)。
根性があるというより、単に家にじっとしていられないのかもしれないですね。結局、毎週末、どこかに出かける予定のある4月です…。
でも、つま先が大丈夫なのであれば、靴をはくより洋装よりも、足袋履きに草履が楽そうだし、足元も隠れる和装の方がたしかにいいですよね。
でも、完治までお大事になさってくださいね~♬