「あすかの会」八月の秀句から 季題「新涼」・兼題「遠」
◎ 野木桃花主宰句
新涼や碧く鎮もる山上湖
遠近に赤とんぼ湧く湖上線
秋涼軋み鳴きして湖上線
☆ 野木桃花主宰特選句
秋風や遠流の島に灯の点る 玲 子
☆ 武良竜彦特選句
涼新た夕日を跨ぐ水溜まり 市 子
◎ その他の秀句から 【支持・評価の高かった順】
牛の目の寂しきに会う晩夏光 さき子
姥百合のぶつきらぼうに遠汽笛 かづひろ
涼しさや菩薩の指は頬をさす 悦 子
新涼や夢二好みの立ち姿 英 子
窓際に遠き目をもてソーダ水 みどり
茶筌の穂ととのへてゐる月明り 英 子
遠方に延ぶる木道尾瀬は秋 尚
新涼やまずパレットに白を溶く さき子
ここよりは基地立秋の海右へ ひとみ
黒松を晩夏の木とし海荒れる かづひろ
涼新た豆腐の水を切りにけり かづひろ
薄暗き湯小屋のランプ秋日影 悦 子
さつと過ぐ雨新涼の風誘ふ 尚
新涼や鏡の中の眉の弓 みどり
明易し入れ子細工のやうな夢 みどり
日差しにも疲れの見へて夏の果 みどり
昼の虫鳴くだけ鳴かせ化粧坂 さき子
塩田の跡とや舟虫踏むまじく かづひろ
新涼や朝刊めくる音も香も 市 子
新涼やオープンカフェの白き椅子 玲 子
秋時雨絵筆遠のく和紙の嵩 悦 子
榠樝の実生る道帰る遠回り ひとみ
七夕や再会誓ふ女文字 都 子
子に託す我が家のあした涼新た 典 子
遠くより祭太鼓の乱れ打 典 子
新涼や海辺のカフェに席をとる 都 子
〇 ゲスト参加 参考
虹色の貝を遺骨とせし八月 竜 彦
新涼やはだしのゲンの足洗ふ 竜 彦
ひまはりや今も俘囚の日本あり 竜 彦
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