「あすかの会」六月の秀句から
季題「梅雨」・兼題「みどり」
◎ 野木桃花主宰句
切れ味を試す庖丁緑さす
青梅雨や公園遊具のきしきしと
A型を好む藪蚊古戦場
☆ 野木桃花主宰特選句
会葬に緑雨の傘をたたみけり さき子
☆ 武良竜彦特選句
梅雨晴間邪馬台国論争再燃す 典 子
◎ その他の秀句から 【支持・評価の高かった順】
ターナーを架けたる壁の梅雨湿り みどり
ひとりだけの錨を下す夏の芝 さき子
梅雨晴間ジャングルジムに手足生え さき子
白鷺や野には野のこゑ水のこゑ 英 子
謎のまま了ふ墳墓や五月闇 典 子
一握に足る児の指や緑の夜 みどり
柏手を打ちて緑の闇祓ふ 市 子
緑陰の図書室となる昼下り 玲 子
歌ふかに看護士がゆく梅雨入りかな 都 子
鼓笛隊峡の梅雨雲押し払ふ ひとみ
屈託のなきどぐだみの茂りかな ひとみ
平がなのみどり・ひとみや風涼し ひとみ
港の灯滲む緑雨のカフェテラス 尚
六十年史読み止して聞く梅雨の雨 尚
青梅雨や山ふくらみて朱き橋 悦 子
向日葵の笑ひ疲れて果てにけり かづひろ
核心にはたと手を止む団扇かな 悦 子
緑さす眼いきいき語りだす 市 子
花活けの貧乏徳利緑濃し かづひろ
夕焼空舫ひの杭へ綱の飛ぶ 玲 子
崩るるも開く淡し白牡丹 英 子
万緑や青い地球の片隅で 都 子
〇 参考 武良竜彦の句
青嵐亡父の時計うごきだす
陋巷の賢者面して梅雨の猫
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