あすか塾

「あすか俳句会」の楽しい俳句鑑賞・批評の合評・学習会
講師 武良竜彦

「あすかの会」六月の秀句から

2023-06-24 15:24:02 | あすかの会 2023・令和5

 

「あすかの会」六月の秀句から 

                                       季題「梅雨」・兼題「みどり」 

 

◎ 野木桃花主宰句

 

切れ味を試す庖丁緑さす

青梅雨や公園遊具のきしきしと

A型を好む藪蚊古戦場

 

☆ 野木桃花主宰特選句

 

会葬に緑雨の傘をたたみけり     さき子

 

☆ 武良竜彦特選句

 

梅雨晴間邪馬台国論争再燃す     典 子

 

◎ その他の秀句から 【支持・評価の高かった順】

 

ターナーを架けたる壁の梅雨湿り   みどり

ひとりだけの錨を下す夏の芝     さき子

梅雨晴間ジャングルジムに手足生え  さき子

 

白鷺や野には野のこゑ水のこゑ    英 子

謎のまま了ふ墳墓や五月闇      典 子

一握に足る児の指や緑の夜      みどり

 

柏手を打ちて緑の闇祓ふ       市 子

緑陰の図書室となる昼下り      玲 子

 

歌ふかに看護士がゆく梅雨入りかな  都 子

鼓笛隊峡の梅雨雲押し払ふ      ひとみ

屈託のなきどぐだみの茂りかな    ひとみ

平がなのみどり・ひとみや風涼し   ひとみ

港の灯滲む緑雨のカフェテラス     尚

六十年史読み止して聞く梅雨の雨    尚

青梅雨や山ふくらみて朱き橋     悦 子

向日葵の笑ひ疲れて果てにけり   かづひろ

 

核心にはたと手を止む団扇かな    悦 子   

緑さす眼いきいき語りだす      市 子

花活けの貧乏徳利緑濃し      かづひろ

夕焼空舫ひの杭へ綱の飛ぶ      玲 子

崩るるも開く淡し白牡丹       英 子
万緑や青い地球の片隅で       都 子

 

〇 参考 武良竜彦の句

青嵐亡父の時計うごきだす

陋巷の賢者面して梅雨の猫

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