新鹿山荘控帳

山荘管理人が季節の移ろいを、書きとめました
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「頭蓋骨のマントラ」

2007-08-13 18:30:18 | 読書
暑い一日、喫茶店で涼もうと文庫本を探していましたら本書が出てきました。

「頭蓋骨のマントラ」エリオット・パティスン著 ハヤカワ文庫上下 格660円 2001年3月発行

物語》
中国経済部の主任監察官だった単 道雲は、大物が絡んだ汚職事件を追求したことから北京を追われ、チベットの奥地、ラドウン州の強制労働収容所で過酷な日々を送っていた。ある日、作業現場で首のない死体が発見された。州の検察官は不在、司法部の監査が入る予定になって、困惑した州の軍最高責任者が彼に事件の解決を命じる。
強制労働収容所の囚人である彼の捜査は難航する。迫害され奥地の高山に隠遁するチベット仏教の僧たちを巻き込んで事件はひろがり、孤独な戦いが始まる。

チベット自治区に対する中国の迫害や、山奥に隠遁するチベット僧達。彼らが語るチベットの生活や文化。日本人にもどこか理解できる精神世界。チベットという国の置かれた想像を絶する状況に、慄然とします。
結末は、アメリカ人作家らしい結末で、一寸残念です。
アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀処女長編賞受賞作品です。
コメント
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