新鹿山荘控帳

山荘管理人が季節の移ろいを、書きとめました
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「色の手帖」

2007-08-14 19:10:06 | 読書
万華鏡を博物館に納品していた頃、販売担当の女性がある華道の流派の高弟の方がいて、その人が大変色に細かく、きっちりした対応をするのに苦慮したことがあります。理論武装のため、カラーガイドブックで勉強したものです。

本書はそれとは違い、約20年前に購入したもので、純粋に好奇心と知識を満足させるために購入しました。
「色の手帖」  小学館発行  昭和61年7月発行1,950円

本書は、日本固有の伝統的な色名と今日一般的に使われている色名を358色選び、色名ごとに色見本を示し、日本の文献から採収した用例を添えています。日本伝来の伝統の習俗、文化、また個性によって微妙に異なる色名の使い方など、古典や近代文学からの引用によって、各色がより広く理解することが出来ます。

たくさんの面白い色がありますが、例えば。
○江戸紫、花紫、似紫なんて並んでいると違いが分かります。
○芝翫茶、璃寛茶、団十郎茶、路考茶、いずれも歌舞伎役者が好んで用いた茶色で少しずつ違うところが面白いものです。
○東雲色とはこんな色か。

正太郎や平岩弓枝の時代劇で、主人公や娘の着ている着物の説明を調べるのに助かります。

昔印刷会社にいたこともあり、その意味でも大変感心させられる本です。飽きない本の一冊です。

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