and SOROR のブログ

春旅2017 熱海編

先日、春の旅に出かけました。

行き先は
熱海!


ちゃっかり、とんとろも一緒です。

某Iさんから
とんとろにピントが来てないと指摘される。

顔にも、後ろの「熱海駅」の文字にも、ブタにも・・・
は、無理です!


なぜに、熱海か。
温泉?

否!

目的地はこちら

MOA美術館!



こちらの美術館は
とある有名な作品を持っています。

尾形光琳の「紅白梅図屏風」

これを見るために!


昨年と一昨年、この時期は
二人で海外に出かけていました。

朱晶さんがまとまった時間を作れるのが
この時期だけなのでね。

でも今年は特に予定なし。

ならば、国内でどこかに行くか。

ならばならば、MOAに行かないか?と。

MOA美術館。
2017年2月5日にリニューアルオープンしたところ。

しかもこの「梅」の季節。

光琳の「紅白梅図屏風」が出るよ!

と誘われました。

断る理由がなさすぎる!
行くべし!行くべし!


光琳の「紅白梅図屏風」は
テレビで取り上げられたりもしているので
ご存知の方も多いかと思います。

かくいう私も、テレビで見た。
父や朱晶さんから話を聞くこともあるし
興味深い作品だなぁと漠然と思っていたけど
なぜか、実物を見られる機会があると
全然思っていなかった。
なんでだろうか、
なんか少し遠い存在のような思いがあったのだろうか?

それが、突然、
見られることになった!

わくわく。
わくわく。


さて、上の写真は
バスを降りたすぐのチケットブースで撮ったもの。

そこから入り口に入り
チケットを切ってもらうと
係のお姉さんがサラっと一言。

「エスカレーターを7つ上がってください。」

えっ?

えぇぇ???

7つ!?

このように、続く、エスカレーター。



上る昇る。

まるで海遊館のよう。

そういえばバスもすごい坂を上ってきた。

急激に山なのね。

その斜面にあるのね。

おかげで、美術館からの眺めは素晴らしくオーシャンビューでしたよ。


さてさてたどり着いた展示室。

まず驚いたのは展示ケースの低反射ガラス。

す、すごい!

ガラスがまーーーーーったく感じられない。

よくね、ガラスに照明の光が反射して
作品が非常に見にくい・・・

なんてこともあるのですが

ここのガラス、空気を感じるぐらい
ガラス感なし。

なので
「こんなに近づいて見ていいの!?」
って思うぐらい
作品を近く感じる。

油断するとすぐガラスにぶつかる。

それぐらいw

そして照明もとてもきれいに当たっていて
作品を見るのに、全くストレスがない!

近年の技術の進歩で
低反射性のガラスだったり
LEDの照明だったり
展示の環境も進化しています。

その最先端感!

その上、写真撮影OK!

写真もキレイに撮れるわけです。


もちろん、作品も良いものがゴロゴロと・・・。

リニューアル記念名品展というだけあって
MOA美術館が所蔵する国宝の作品3点の
全てが出品されていました。

国宝や重要文化財って
年間で公開できる回数や日数が制限されてるんですって。

作品の材質によりけりですが
原則として、年間2回以内、延べ日数60日以内
だとか。
(他、諸々細かい決まりごとがある模様)

そうやって守られてきたものが
ズラリ。

写真は撮りまくったのですが
長くなるので、ひとつだけ取り上げましょう。


となると、もちろん

光琳の「紅白梅図屏風」でしょう。



どどん!

・・・

と、

くるかと

思っていた



だけど

んん???

もっと迫力に押されるかと予想していたのだけど
意外と押してこない。


なぜ、勝手に
どどん!
と来るだろうと思い込んでいたかというと
以前、同じく 光琳の「八橋図屏風」を見たときに
どどどーーーん!!!
と来たから、だと思う。

大学4年生のとき、朱晶さんとニューヨークに行きました。
そこで行った、メトロポリタン美術館。

メトロポリタン美術館というと
とてつもなく広い敷地と空間と
とてつもなく幅広いコレクションなイメージで
特にエジプトとかのイメージが強かったわけです。

こんなね。
神殿の一部、丸ごと、的な。



懐かしい写真。
朱晶さん、まだ24、5歳でしょうか。
非常に分かりにくいですが、髪が短いです。


もちろんアジアの部門もあり
日本美術のコレクションもあるのです。

まだまだアートの意識がそんなになかった
若かりし私。

朱晶さんに連れられて、日本美術のエリアに。

そこに 光琳の「八橋図屏風」が
どどーーん!とあったわけです。
(写真は撮影不可だったのでありませんが
 気になる方は検索すれば画像は転がってます)

そして

どどどーーーん!!!

となりました。(説明が荒い)

いや、もう、なんか、衝撃がすご過ぎて・・・。

6曲1双なので、とりあえず大きい(長い)

どんっ!

そこに描かれた かきつばたの花が
これまた大胆に、大きい。

どどん!!

そして金地!

どどどーーーん!!!

なんだこのセンス!
日本人、すごっ!!!って思って
でもこの感覚を汲み取れるのは
自分が日本人だからなんだろうな、とも思って
日本人であることに誇りを持った。

そんな衝撃。

そこが日本ではなく、アメリカだったから、
かもしれない。

そしてそれが、日本美術を好きになった瞬間だったと思う。


父が学芸員で日本美術史が専門で
小さい頃から目にする機会は多かった。

でも別に好きでもなければ、興味もなかった。

水墨画のポスターとか貼られても、地味だし
人物とかも、気持ち悪い。
暗い階段に、仏像の写真とか
正直、やめて欲しかったw

けど、この作品が
それまでの全てを覆した。

メトロポリタン美術館で見た作品で
1番印象に残ってる。

あとはアフリカとかオセアニアの印象と
迷ってやたら何度も通った
楽器のエリアと甲冑のエリアぐらいしか覚えてない・・・ww

と、書いてみて
改めてもう一回行かんとあかんなぁと思った。


脱線が長くなった。

どどどーーーん!!!

じゃ、なかった話に戻る。


二曲だからというのもあるだろう。
でも「風神雷神図屏風」だって二曲一双だけど
迫力あるよ。

いや、決して迫力がないわけではない。

屏風全体のサイズ自体は大きくはないけど
描かれているモチーフは
とても大きく見える。

いろいろ考えず
ずっと見ていると
画面の中を静かに空気が流れ始める。

静かに、澄んだ空気が
じわり、じわりと。

画面の中だけでなく
画面の外から
画面の外へ・・・

作品が画面の中だけに留まらない・・・

力で押してくるわけではなく
音もなくそこに存在し
でもそこから離れられない引力がある。

強さではない静かな迫力を感じた作品。
あぁ、こんなに柔らかい迫力もあるのかと感じた作品。

結果
どどどーーーん!!!

じゃない
柔らかく流れ込む空気に
圧倒された。

なんか、忘れられない。


やっぱり実物を見ないと
分からないものがあるなぁ。


実物をみないと分からない、もうひとつ。

これまで映像や図版で見ているときは
紅梅(右隻)の方がいいなぁと思っていたのだけど

いやいや、
白梅(左隻)が良かった!

枝の流れ
筆の運び
枝先の繊細さ
空間のバランス
そこに梅の花の白が儚くアクセントになって

好きだ。

うん。
やっぱり実物を見ないと
分からないものがある。

本物の持つ力とは、すごいものだな。



リニューアル記念の企画展の最後にあった
杉本博司の写真作品もよかったです。
とても惹きつけられた。

この方の代表作「海景」シリーズの中から
熱海の海を撮影したもので
モノクロのこんな作品。



あのさ、これこそ
低反射のガラスにしてくれませんか?

というオチ。


次回「春旅2017 箱根編1」に続く。
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