アトリエ 籠れ美

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平成27(2015)年5月4日より

クラッシックギターを習ってます その5(私がクラッシックギターを挫折しなかった理由)

2021-06-03 09:00:00 | 将棋、チェス、囲碁、麻雀、花札、クラッシックギター、社交ダンス、乗馬、書道
 ネット上で、ギターメーカー最大手のフェンダー社の調査で、ギターを始めた人の9割が3ヶ月から1年以内に挫折するという記事が出ています。

 こんなの甘いよ、と私は思いました。私は何せクラッシックギターを習い始めて2ヶ月で挫折するところでしたから。

 ですが、私がクラッシックギター教室に通い始めて早、3ヶ月が経ちました。今ではもう挫折することはありません。どうしてなのか、今回はこれについて書いておきたいと思います。


 そもそもギターは難しい(まあ楽器全般が難しいんですけどね)とわかっていながら、挫折するんですからよく考えると変な話です。難しいとわかっていて諦めるんですから。

 その理由は2つあると思います。一つは音符を覚えられない。そしてもう一つが曲をうまく弾けない。

 まずは音符について。これはとにかく必死になって覚えるしかありません。覚える気があるかどうか、本気で覚える気があるかどうか、ただそれだけです。

 私の場合は音符を覚えるのに1ヶ月かかりました(詳しくは前回の「クラッシックギターを習ってます その4(音符を覚える)」(2021-04-15 の記事)を参照)。

 問題は曲をうまく弾けない。私は独学でなく、教室に通ってますから、宿題として出される課題曲がうまく弾けないということになります(別に今でもうまく弾けませんけどね)。

 曲をうまく弾けない、という言い方を誰もがついしてしまいますが、これは正確ではありません。正確には、曲を覚える(曲を一応弾けるようになる)のに時間がかかりすぎる、というのが正しい言い方です。

 初心者には、どんな簡単な曲も弾くのは難しいものです。でもそんなことは誰もがわかっています(もちろん先生もわかっています)。

 問題なのは、一応弾けるようになるまでの練習時間が長すぎて、

「これでは駄目だ、曲を覚えるのにこんなに時間がかかるのでは先が思いやられる。ただでさえ、時間が取れないのに、その取れない中、これだけ時間をかけているのに、こんな調子じゃあ、どうにもならない。他のことが一切できない」

 ということで、諦めてしまう。

 私もそうでした。とにかく音符を覚えたのはいいものの、曲を覚えるのに時間がかかりすぎて、これではやってられないと思いました。

 でもそこで私は考えました。では、どうしたら曲を覚える時間を短くできるのか、短縮できる方法があるのかと。

 結論は、それはあります。短縮する手立てはあります。それで私は助かりましたし、おかげでクラッシックギター教室を続けることができるようになりました。

 具体的にどうするのかというと、まずは楽譜を音読(声に出して読む)、次に左足で拍子を取っての音読、それからギターを構えて弾いてみる。これが曲を覚える最短にして最善の方法です。

 皆さん(私もそうでしたが)、いきなりギターを構えて、楽譜を見ながら音を出していると思いますが、これだとあまりにも時間がかかります。これがそもそもの原因。

 まずは音読してみて下さい。ゆっくりでかまいません。別にこれは布団に潜ってやっても構いません。眠いと目をこすりながらで一向に構いません。ゆっくり何回でも、納得のいくまで声に出して音符を読んで下さい。

 そして次に、今度は左足で拍子を取りながら(つまり拍子を乱さずに)、同じようにゆっくりでいいですから、これまた納得のいくまで音読して下さい。これも布団で寝ていてやって構いませんし、ちゃんと起きてギターを構えてやってもいいです(ただしこの場合、決して弾かないこと)。

 そうしてから、ようやく弾いてみる。すると、驚くほど時間が短縮できていることが実感できると思います。圧倒的に短い時間で一応、自分の納得のできるギリギリの出来で弾けるようになります。はっきり言って、今までのやり方は何だったんだと思うくらいです。


 さて、話が前後しますが、私が教室に通って、まず先生から音符を覚えるように言われ、音符を覚えたら、次に言われたのは、左足で拍子を取る、ということでした。

 タブ譜に頼ってしまい、なかなか音符を覚えない人も多いみたいですが、私の場合、音符を覚えたい気持ちは強かったですから、そこは問題なかったんですが、どうも左足で拍子を取るということがピンと来ず、先生に言われたにもかかわらず、やってませんでした(先生、ゴメンナサイね)。

 でも、あるとき「先生に言われてるんだから、やらにゃ」と思い、自宅で左足で拍子を取って曲を練習してみると、何とこれが楽しくて(でもうまく弾けないんですけどね)。拍子を取って練習するのが楽しくて仕方ない。

 今までもは、楽譜を見て、音符を読めて、その音を出せることが嬉しかったんですが、よく考えて見ると、それはただそれだけのことで、喜びはあるものの、正直、あんまり楽しくはなかった。

 でも左足で拍子を取って練習すると、そうやって曲を一応弾けるようになるまで練習するのが楽しい。まずこれでクラッシックギターを続ける気になりました。

 で、次に問題になったのが、上記に書いた通り、曲を覚えるのに時間がかかりすぎるということでした。


 この「左足で拍子を取る」ということは、クラッシックギターを始める上で、あまり強調されていないような気がします。とても重要だと思います。

 先にこの話を書いてもよかったんですが、先生に「左足で拍子を取るようになってからギターを弾くのが楽しくなった」と言うと、「へえーっ、芸術家なんだぁ」と、皮肉のような、皮肉でないような言い方をされてしまった。

 つまりは、左足で拍子を取るのが楽しい、なんて人は珍しいらしい(私は楽しいんですが)。そこで、この話を先に書くのは遠慮した次第です。


 最後に、私がクラッシックギターを始めたのは今年の3月ですから、49歳と8ヶ月にしての楽器初体験になります。今まで欧米のロックを聞いてきたり、油絵を描いてきたりしたことが、クラッシックギターを習っていることと結びついて、いろんな発見につながっています。

 それなりに年を取ってから楽器を弾いてみるというのは、なかなか興味深く、これからどんな発見があるのか、ちょっと楽しみになっているところです。


 付)例えば、「楽器を弾くということは、歌ったり、踊ったりすることと同じ」だとか、「ルネサンスでは、なぜ音楽が最高の芸術とされたのか、よくわかった」とか、「2拍子は人間の歩く速度から、4拍子は馬の歩く速度からきたというのは本当だ」とか、そういう発見があるわけなんです。

 注)こういったことは、これはこれで記事にいくらでもできそうですが、ちょっと大変そうだな(いつか記事にできたらいいなと)。

 蛇足)かのディープ・パープルの名曲「スモーク・オン・ザ・ウォーター」って、楽譜を見たことないですが、2拍子じゃない? あの曲を頭の中で鳴らしながら歩くと、ぴたりと一致する(曲と足の動きが外れなくなる)んですけど。

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