酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

サミットなんかやめたら

2008-07-03 05:16:20 | Weblog


 来週7日から洞爺湖サミットが始まる。
 
今回のテーマは京都議定書の第一約束期間が終了する2013年以降の地球温暖化問題だったが、第3次オイルショックでどこかに吹き飛んだようだ。

 事前の折衝はCO2排出削減値の基準年設定でつまずいてしまった。日本は削減量が少なくて済む2000年を主張、1990年にこだわる欧州と折り合えなかった。基準年が決まらなければ、目標値は設定できない。こと、地球温暖化に関する限り、サミットの意義はなくなったも同然である。

各国首脳の頭にあるのは、経済問題だろう。歴史的な原油高騰からくるインフレが世界を覆おうとしている。インフレと認めていないのは日米ぐらいのものだ。

大スタグフレーションが必至という状況にもかかわらず、G8は全く無力だ。ブッシュ米大統領は6月、サウジアラビアを訪問し原油の増産を促したが市場は全く反応しなかった。というより、逆に高騰する始末だった。日米は金利政策も採れない。

政策的な無力さもさることながら、集まる首脳自体がポンコツで当事者能力がない。これだけお粗末なサミットも珍しい。

任期満了まであと半年のブッシュは、何とか史上最低の大統領の汚名を晴らすことはできないかと頭がいっぱいのようだ。福田先生はごらんの通りである。英国のブラウンは支持率が10%台。何もできない。メドべージェフはプーチンの手のひらから抜けられない。サルコジは女房も連れてこれない。ベルルスコーニは…。ないないずくしだ。かろうじて存在感があるのはメルケルぐらいか。女一人に頼らねばならないとはG8も情けない。

サミットはもともと、先進国が経済課題を話し合う場だった。現下の危機的経済情勢に対応した宣言や行動計画を示せないようでは会合の意味がない。

サミットにかかる経費は300億円超ともいわれる。財政難の折、こんな大金を掛けて意味のない会合を開くのは無駄の最たるものだ。CO2を撒き散らしながら政府専用機で飛んできて、山海の珍味を味わって帰る。どこに環境への配慮があるというのか。数千人を収容できる国際メディアセンターは、サミット後は取り壊される。1週間しか使わない施設に28億円も投じるとは酔狂にもほどがある。

「大国クラブ」メンバーの8人で世界をリードできる状況ではない。そのことはクラブ員自身も感じている。サルコジは「13カ国」への拡大を主張している。

 BRICsで抜けているブラジル、インド、中国は加わる資格がある。現に胡錦濤は今回呼ばれている。だが、彼らが加わることでサミットの影響力が増強されるかといえば、そうも思えない。逆に論議が総花的になり、さらに具体的提言が減るという結果にもなりかねない。互いに利害が対立するのだから、当然の帰結だ。

 国際的な約束事を決めるのが極めて難しい局面を迎えている。資源本位主義がその根底にあるのではないか。資源国と消費国の有力首脳がひざを突き合わせて論議する会合の方がサミットよりはまだましだろう。ここでも、なかなか結論は出ないだろうなあ。

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