2016年夏季五輪の開催地はブラジルのリオデジャネイロと決まった。以前から述べているように、今回立候補した4都市に限ればリオが当選して当然である。これまで南米に聖火が燃え盛ったことがないのがその理由だ。IOC委員は意外と常識的なのか。そんな感想を持った招致劇だ。
《【コペンハーゲン】2016年夏季五輪の開催地を決める国際オリンピック委員会(IOC)の総会は2日、当地で始まり、IOC委員による投票の結果、東京は落選した。開催地はリオデジャネイロ(ブラジル)とマドリード(スペイン)による決選投票の結果、リオデジャネイロに決まった。夏冬通じて南米大陸初の開催となり、8月5日から21日まで。東京は1964年以来52年ぶり2度目の開催はかなわなかった。
投票は過半数を獲得する都市が出るまで最少得票の都市を除きながら続けられた。1回目は東京が22票の3位で通過し、有力視されたシカゴ(米国)が18票の最下位で落選する波乱。2回目で東京が最下位の20票で姿を消し、決選投票はリオが66票―32票でマドリードを破った》=中日Web=。
下馬評が高かったシカゴが1回目の投票で姿を消したのはなぜだろう。アメリカは世界の嫌われ者になっている。そんな印象さえある。ブッシュの8年間で米国の信頼感はすっかり揺らいだ。政治経済両面で影響力を急速に低下させている。オバマはその回復を目指すより、米国の負担を減らす多極化を志向している。いまさらアメリカのご機嫌をとる必要はどの国にもないのだ。
哀れなのはプレゼンテーションに出向いて演説まで行ったオバマである。当初、ミシェル夫人だけが参加すると伝えられたが、日程をやりくりしてコペンまで飛んだ。なぜか。
70%前後の高い支持率でスタートしたオバマ政権はじりじりと人気を下げ続け、7月時点では50%まで低下、逆に不支持率は40%を超えている。不人気の原因は経済の先行きが見えないことと、健康保険制度への反発だ。アフガン戦略については保守派の批判が高い。こうした苦境を五輪シカゴ招致で吹き飛ばそうと考えたであろうことは、容易に想像できる。でも、残念でした。
わが東京も惨敗。残念会見で石原がどんな嫌味を言うか注目していたが、意外とまともだった。「知事を辞めることはない」と強調して見せたあたりに苦しさがのぞく。民主党の牙城となった都議会は、新銀行東京問題をはじめとする石原都政の失政を厳しく突いてくるだろう。ご老体には気が重い日々になる。
さてリオだ。ブラジルでは2014年にサッカー杯が開かれることも決まっている。日本流に言えば盆と正月が続けさまにやってくるようなものだ。もともと陽気な国柄、これからは毎日がカーニバル状態になりそうだ。
ブラジルはいまやG20の一員でありBIRCSの一翼でもある。インドとブラジルは中国やロシアに比べて政治的リスクが小さく投資はしやすい環境だ。人口規模などでインド、中国には遠く及ばないとはいえ、今後ブラジルが世界経済に果たす役割は急速に拡大するのではないか。
日本とブラジルの関係は良好だ。リオ五輪は日本にとっても悪い話ではない。シカゴやマドリードに決まるよりははるかにましだ。
それにしても、JOCの場当たり的「五輪招致政策」にはあきれる。名古屋、大阪、東京と3連敗だがそれも仕方ない。「なぜ五輪をこの都市で」という理念が皆目見えないからだ。まっとうな立候補の理屈がないから1回負ければ、もう手を上げることができない。おそらく東京も同じ道を歩むだろう。
20年五輪の招致運動がすぐ始まるが、国内からの立候補はないのではないか。次はアフリカがいい。エジプトと南アしか開催できそうにないが…。
《【コペンハーゲン】2016年夏季五輪の開催地を決める国際オリンピック委員会(IOC)の総会は2日、当地で始まり、IOC委員による投票の結果、東京は落選した。開催地はリオデジャネイロ(ブラジル)とマドリード(スペイン)による決選投票の結果、リオデジャネイロに決まった。夏冬通じて南米大陸初の開催となり、8月5日から21日まで。東京は1964年以来52年ぶり2度目の開催はかなわなかった。
投票は過半数を獲得する都市が出るまで最少得票の都市を除きながら続けられた。1回目は東京が22票の3位で通過し、有力視されたシカゴ(米国)が18票の最下位で落選する波乱。2回目で東京が最下位の20票で姿を消し、決選投票はリオが66票―32票でマドリードを破った》=中日Web=。
下馬評が高かったシカゴが1回目の投票で姿を消したのはなぜだろう。アメリカは世界の嫌われ者になっている。そんな印象さえある。ブッシュの8年間で米国の信頼感はすっかり揺らいだ。政治経済両面で影響力を急速に低下させている。オバマはその回復を目指すより、米国の負担を減らす多極化を志向している。いまさらアメリカのご機嫌をとる必要はどの国にもないのだ。
哀れなのはプレゼンテーションに出向いて演説まで行ったオバマである。当初、ミシェル夫人だけが参加すると伝えられたが、日程をやりくりしてコペンまで飛んだ。なぜか。
70%前後の高い支持率でスタートしたオバマ政権はじりじりと人気を下げ続け、7月時点では50%まで低下、逆に不支持率は40%を超えている。不人気の原因は経済の先行きが見えないことと、健康保険制度への反発だ。アフガン戦略については保守派の批判が高い。こうした苦境を五輪シカゴ招致で吹き飛ばそうと考えたであろうことは、容易に想像できる。でも、残念でした。
わが東京も惨敗。残念会見で石原がどんな嫌味を言うか注目していたが、意外とまともだった。「知事を辞めることはない」と強調して見せたあたりに苦しさがのぞく。民主党の牙城となった都議会は、新銀行東京問題をはじめとする石原都政の失政を厳しく突いてくるだろう。ご老体には気が重い日々になる。
さてリオだ。ブラジルでは2014年にサッカー杯が開かれることも決まっている。日本流に言えば盆と正月が続けさまにやってくるようなものだ。もともと陽気な国柄、これからは毎日がカーニバル状態になりそうだ。
ブラジルはいまやG20の一員でありBIRCSの一翼でもある。インドとブラジルは中国やロシアに比べて政治的リスクが小さく投資はしやすい環境だ。人口規模などでインド、中国には遠く及ばないとはいえ、今後ブラジルが世界経済に果たす役割は急速に拡大するのではないか。
日本とブラジルの関係は良好だ。リオ五輪は日本にとっても悪い話ではない。シカゴやマドリードに決まるよりははるかにましだ。
それにしても、JOCの場当たり的「五輪招致政策」にはあきれる。名古屋、大阪、東京と3連敗だがそれも仕方ない。「なぜ五輪をこの都市で」という理念が皆目見えないからだ。まっとうな立候補の理屈がないから1回負ければ、もう手を上げることができない。おそらく東京も同じ道を歩むだろう。
20年五輪の招致運動がすぐ始まるが、国内からの立候補はないのではないか。次はアフリカがいい。エジプトと南アしか開催できそうにないが…。
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