酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

谷垣では変われない

2009-09-29 06:22:15 | Weblog
 政権党から転がり落ちた野党自民党の新総裁に谷垣禎一が就任した。93年の細川政権樹立で下野したときは河野洋平が総裁だ。野党になると「ハト派」を選ぶ。これは自民党の修正能力、本能なのか。

 《自民党は28日、党本部で麻生太郎前首相の後継を決める総裁選挙を実施した。谷垣禎一元財務相(64)が党所属国会議員票120票、党員投票に基づく地方票180票の計300票を獲得し、両院議員総会を経て第24代総裁に選出された。「野党自民党総裁」は1993年の河野洋平氏(前衆院議長)以来2人目。谷垣氏は会見で、「影の内閣」や総裁直轄の「政権構想会議」(仮称)を設け、政権奪還を目指す考えを鮮明にした》=毎日jp=。

 総裁選の論戦が「派閥解消」「世代交代」などの内向きのテーマに終始したため、谷垣が何をやりたいかはさっぱりわからない。持論の「絆」は鳩山の「友愛」と区別がつかない。

 昨夜の「NHKニュースW9」にナマ出演した谷垣にキャスターの田口五朗が「温室効果ガス25%削減」「八ツ場ダム中止」「国営メディアセンター」についての考え方を聞いていた。こんな質問を選ぶNHKディレクターのセンスもどうかと思うが、谷垣の答えっぷりも情けない。

 民主党政権が示した方針は基本的に理解できる。ただ、やり方がどうも…。谷垣の話を要約すればこうなる。それはそれで一つの見識という見方もあるだろう。だが、野党自民党の首領がこんなに物分りが良くて、鳩山・一郎と戦えるのか。

 考えてみれば、谷垣は戦うイメージとは遠い。繰り返し映像などで流される9年前の「加藤の乱」の愁嘆場が印象に残っているせいかもしれない。谷垣は加藤紘一の秘蔵っ子だ。その加藤は、例の乱のとき「菅さん鳩山さんとも連絡を取り合っている」と語っていた。

 鳩山由紀夫は小泉純一郎が首相に就任した際の国会代表質問で「自民党があなたの改革に反対するのであれば、私たちが後押しする」とエールを送っている。政策の違いなどもともとないに等しいのだ。

 自民党の当面の元凶は森喜朗である。「派閥は議員教育のために重要だ」という。こんな人物に指導されて、どんな議員が育つというのか。谷垣が森の影響力を排除できるかどうか。加藤の乱は森への不信任決議をめぐっての事件だ。森はいわば仇敵である。さわやか谷垣などとよいしょされてニコニコしていてはいけない。自民党の大掃除に乗り出すべきだ。
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