酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

被害者はどっちだ

2013-07-04 08:57:32 | 社会
 いま、小学校の周りなどを歩いてみると「不審者に気をつけよう」とか「怪しい人を見かけたらすぐにとどけでよう」というポスターが目につく。子どもの周りは危険人物でいっぱいということらしい。しかし、「おかしな人」は昔からいた。もっと普通に街を歩いていたように思う。でも事件沙汰になることなどほとんどなかった。なぜ近年、「事件」が多発するのか。

 人は余裕がなくなると攻撃的になる。キャパが小さければ小さいほど、沸点は低くなる。社会全体に余裕がなくなり、一人一人もいっぱいいっぱいのところで生きている。そうした連鎖が「キレル」人格を生んでいるような気がする。

 もう一つ。勝手に「事件」をつくる傾向もみられる。たとえば坂戸の「児童襲撃事件」である。

 ≪埼玉県坂戸市の公園で2日夕、小学生2人が刃物のようなものを持った男に襲われた。4日前には東京都練馬区の小学校前で男児3人が刃物で切りつけられる事件が起きたばかり。子どもたちを守ろうと、学校は見守り態勢を強化する。

 「(不審者に)カッターナイフのようなものをあてられた」。午後4時半ごろ、市立千代田小に5年生の男児(11)と女児(10)が駆け込んできた。帰宅後、徒歩10分ほどの同市千代田5丁目の千代田公園で遊んでいたところ、男に突然刃物のようなものを押しつけられ、自転車で逃げてきたという≫=朝日degital=。

 事実は当初の報道とはだいぶ異なっているようだ。

 ≪埼玉県坂戸市千代田の千代田公園で2日夕、小学校の児童2人が男にカッターナイフのようなものを押しつけられたとした通報で、児童が公園のベンチで寝ていた男の写真を無断で撮ったことを発端に、怒った男が木の枝を振り回し児童の腕に痕がついた可能性があることが3日、県警幹部への取材で分かった。

 県警幹部によると、男は、公園のベンチで寝ていたところ、児童が近くで大声で騒ぎ、携帯電話で撮影したため、怒って追いかけたという。児童は公園からいったん逃げたが公園に戻ったところ、男が木の枝のようなものを振り回し、男児(11)が左腕に、女児(10)が右腕にひっかかれたような痕ができたという。

 西入間署は暴行事件とみて引き続き捜査しているが、刃物を押し当てられた事実はないとみて調べを進めている≫=読売online=。

 以下は推測である。
 
 この男性は失業中、しかもホームレスである。夏の午後、気持ちよくベンチで寝ていたら子どもがはやし立て、あげくの果てに写真まで撮り始めた。「こらー、ガキどもいい加減にせえよ!!」。子どもたちはなおも「こじき」「ホームレス」などとはやし立て、あっかんべをしながら逃げ去った。「面白いね」-子どもたちは男の様子をまた見たいと公園に引き返した。そこで男が木の枝を振り回し、先端が子供たちに当たった。

 実際にどのようなことが起きたかは分からない。しかし、子どもたちが嘘をついていたのはほぼ間違いないと思われる。子どもは(一部の大人も)自分を正当化するためには平気で嘘をつくものだ。警察もメディアもそんなことは百も承知しているはずなのに、だまされてしまう。今日の社会では、「被害者」は絶対的だ。ならば、なおのこと誰が被害者かを慎重に見定める目が必要だろう。

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