葉室麟作品に魅かれたのは「蜩ノ記」を読んでからだった。
読んだのは2013年と遅い。
それから葉室作品を見つけると購入して読んでた。
「蜩ノ記」にシリーズがあることを知ったのは2019年「潮鳴り」を読んだ時だった。
「蜩ノ記」「潮鳴り」「春雷」「秋霜」「草笛物語」の全5巻。
「草笛物語」だけ探しても探しても見つからず読めていなかった。
今年になってやっと文庫本になって発行された。
「草笛物語」⇒(葉室麟作)
主人公は羽根藩の少年・赤座颯太(あかざそうた)。
颯太は江戸屋敷で世子・鍋千代の友として過ごしていたが、両親の他界で帰国して叔父の親友に託されていた。
やがて藩主となった鍋千代は吉通と名を変え国入りする。
吉通の命を受け、颯太は城に出仕する。
藩の家督を巡り、吉通と対立する御一門衆は陰謀を企てるのだが.....。
草笛とは、野に出て友を呼ぶ笛のこと。
草笛を聞いたら、友が呼んでいるゆえ駆けつけるとのこと。
時代小説。
羽根藩シリーズ・第5弾。
感想:「蜩ノ記」の16年後が描かれている。
「蜩ノ記」の主人公であった戸田秋谷に関わりのあった人々が出てくる。
戸田秋谷から教わったこと、秋谷なら...と随所に彼の生き様が問われる。
主人公の颯太は勿論の事、吉通などの成長小説でもあった。
「蜩ノ記」では涙が止まらなかったけど、これも涙なしでは読めなかったわ。
一気徹夜読み。