ある葬式でのことだ。
私は、喪主の知り合いだった。
彼が傷ついていることも知っていたし、一生懸命やっていることも知っていた、だから手助けをしたかった。
ある、その人の親戚が、指定の時間にすごく遅れてきた。だから、思わず私は言った。
こんな大事な時にそれはないんじゃないっすか。
謝られると思っていた。普通に。
だけど、逆に怒られた。
あなたは、私たちのことなんか分かりっこない。良いわよね。正論ばかり言ってればいいんだから。
悪化にとられた。普通に傷ついた。
あとで聞いたところによると、家族に色々なことを抱え、やっとの思いで、お通夜に来たらしい。
そうなんだ。その当時は、まだ24やそこらだったから、そうか、俺が悪かったな。とか、妙に納得してしまいシュンとした。なんか悪いことをしてしまったなと思ったりもした。
でも40過ぎたら、こう思う。なんて馬鹿な人だ。なんて馬鹿な大人だ。と。
人が亡くなるという、非日常で頑張っている人に対して、自分の日常の苦労でそのままぶつかってくるなんで、やはりおかしいのだ。
なんか、大きな話になってしまうけど、そのあたりから日本という国はおかしくなってきたのではないか。
その辺りとは20年前あたりのことだ。
全てが自分都合のまかり通る国。
薬とか、あおり運転とか、ニュースを見てると、そんな風になってしまったような気がする。
子供には、約束だけは守る人間になってね。そう思っている。