祈祷会 士師記11:1~20「士師エフタの働き」 2024.9.25
士師エフタの物語は、士師記10:6~12:7に書かれてあります。いつものようにイスラエルの人々は、主の目に悪とされることを行っています。バアルや近隣の異邦人の神々を拝むようになりました。すると、主はイスラエルに対して怒り、敵としてペリシテ人やアンモン人を送るのです。彼らによって、イスラエルの人々は18年間、苦しめされることになっていきます。その苦しみの中で、イスラエルの人々は主に助けを求めて叫ぶのです。この時に、主は「わたしはもうあなたたちを救わない。あなたたちの選んだ神々に助けを求めて叫ぶがよい」といって、拒否しました。しかし、この時に、イスラエルの人々は深く反省し、主に助けを求めるために、異邦人の神々を捨てて、主に仕えるようになります。主は、そのイスラエルの人々の行為に、その苦しみを見てしのびなくなっていきます。アンモン人は集結して陣を敷きます。イスラエルの人々も戦うために陣を敷きます。
これから、士師としてエフタの登場ということになります。それが、今日の聖書の内容です。エフタの生い立ちがまず書かれてあります。非常に悲しい境遇の中で、エフタは成長していきます。それは、ギレアド人エフタは、勇者でした。エフタは遊女の子で、父親はギレアドとなっています。ギレアドの妻も男の子を産みます。その妻の産んだ子どもたちは成長するとエフタに「あなたは、よその女の産んだ子だから、わたしたちの父の家にはあなたが受け継ぐべきものはない」といって、エフタを追い出してしまうのです。エフタは兄弟たちから逃れて、トブの地に落ち着きました。そのエフタのもとにはならず者が集まって、エフタと行動を共にするようになります。
しばらくして、アンモン人がイスラエルに戦争を仕掛けて来ました。ギレアドの人々は困ってしまいました。そこで、ギレアドの長老たちは、トブの地にいるエフタを連れ戻そうとやって来ました。ギレアドの長老たちは、自分たちだけではアンモン人との戦争に勝てないと判断したのです。それで、勇者エフタの助けを求めていくのです。ギレアドの長老たちはエフタに「帰って来て下さい。わたしたちの指揮官になっていただければ、アンモン人と戦うことができます」といいます。エフタは、「あなたたちはわたしをのけ者にし、父の家から追い出したではありませんか。困ったからといって、今ごろなぜ、わたしのところに来たのですか」といいます。ギレアドの長老たちは、「だからこそ今、あなたのところに戻って来たのです。わたしたちと共にいて、アンモン人と戦ってくださるなら、あなたにわたしたちギレアド全住民の頭になっていただきます」といいます。エフタは、「あなたたちがわたしを連れ帰り、わたしがアンモン人と戦い、主が彼らをわたしに渡してくださるなら、このわたしがあなたたちの頭になるのですね」といいます。ギレアドの長老たちは「主がわたしたちの一問一答の証人です。わたしたちは必ず、あなたのお言葉通りに致します」と答えています。
エフタは、自分がギレアドの人々の頭になることができるというギレアドの長老たちの言葉を受けて、アンモン人との戦いに出て行くことを決心しています。エフタはギレアド人からのけ者にされ、父の家から追放されたことを忘れていません。それでも、自分が頭になることができるといわれて、受け入れていくのです。エフタはギレアドの長老たちと同行して行きます。ギレアドの人々は、エフタを自分たちの頭として、指揮官として立てていくのです。エフタは主のみ前に出て、自分がいった言葉をことごとく繰り返しています。自分のいった言葉を確認しているのでしょう。それも、主のみ前でいっている言葉なのです。
エフタはアンモン人の王と使者を遣わしてやり取りします。エフタは「アンモンの王よ、あなたはわたしと何の関りがあって、わたしの国に戦いを仕掛けようと向かってくるのか」といいました。アンモンの王は「イスラエルがエジプトから上って来た時、アルノンからヤボク、ヨルダンまでのわが国土を奪ったからだ。今、それを平和に返還せよ」と返しました。エフタは「イスラエルはモアブの地もアンモンの地も奪いはしなかった。イスラエルはエジプトから上って来た時、荒れ野を通って葦の海まで来て、カデシュに着いた。そこからエドムの王とモアブの王に、あなたの国を通らせてくださいと頼んだが、聞いてくれなかった。イスラエルは一時的にそこに留まっていたが、やがて荒れ野を進み、エドムとモアブの地を迂回し、モアブの東側に出て、アルノンの向こう側に宿営し、モアブの領土は侵さなかった。イスラエルはアモリ人の王シホンに、あなたの国を通って、わたしの目指す所まで行かせてくださいと頼んだが、シホンはイスラエルを信用せず、領土内を通らせないだけでなく、イスラエルに対して、戦いを仕掛けて来た」と答えます。
話は続きますが、エフタの話は300年前のことです。イスラエルがこの地を300年に渡って住んでいたのに、今になって、なぜ戦いを仕掛けて来るのかと問い返しています。しかし、アンモンの王はエフタの言葉を聞こうとはしませんでした。こうして、イスラエルの人々とアンモン人の戦いが始まっていくのです。過去の出来事と土地を巡る争いは、いつの時代で起ってくるものです。今、日本では戦争は起っていません。でも、世界はある地域で戦争が行われています。いつの日か、日本も戦争に巻き込まれる時がやってくるかもしれません。どうしたら、戦争がない世界をつくることができるのか。私たち人間の大きな課題です。いったい、どうすればいいのでしょうか。主からの答え祈りつつ、求めていきたいと願います。
祈り 神よ、聖書の学びと祈りの時を与えてくださり、ありがとうございます。イスラエルとアンモンの戦いのことを学びました。いつの時代でも、戦争が起っています。どうすれば戦争をすることのない世界をつくることができるのでしょうか。今、起っている戦争を止めることができるのでしょうか。戦争が終って欲しいと祈っていても、終りません。祈ることの空しさを感じてしまいます。どうか、あなたの知恵を与えてください。戦争を止めさせる知恵を示してください。心から願います。この願いを、イエス様のお名前によって祈ります。アーメン。
皆様の祈り「 」アーメン。
共に祈ってくださり、ありがとうございます。(横山厚志)